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最近の若い者をバカにすることは私が許さない

今回の場合「若い」とは大学生くらいの年齢を想定しています。

「最近の若い者」って誰?

先日知り合いの紹介で初対面の、文章を書く仕事をしている女性と話した際、先方が「最近の若い人は文章を読まない」という旨の話を始めました。どういうことですか? お仕事でそういう感想をもらったりするのですか? と聞くと「姉がそう言ってる」。お姉さんは塾とか学校の先生ですか? と聞くと「そうではないが若い人と関わる仕事」。実際に接した体験談でもなく「最近の若い人」と一括りにする意味がちょっと分からんと思ったので「最近の若い人というよりも、そういう人たちもいる、ということですよね。うちに2人いる学生バイトさんは仕事柄、よくテキストを読んでくれていますが……」と念を押したところ「いや、最近の若い人は〜って姉が言うんです」と繰り返されたんで、あっこれあかんやつやと気づき切り上げました。

私は4〜5人の学生バイトさんと短期〜数年一緒に仕事をして「私が若い時より向学心があり、断然礼儀正しい」と感じます。現在のバイトさんにお願いしているバイト内容が主にプログラムやスクリプト作成なので、エディタやエンジンのマニュアルを読んだり、時には英語のドキュメントを読んでもらう必要もあります。仕事柄、文章を読まないと仕事にならない。私にしたら「若い人」とひとくくりにされた中にうちの優秀なバイトさんまで含められたようで、カチンと…カチンとか上品なもんでなく「お゛お゛ん?! 」となったわけです。実際の体験談ならまだしも、大して接したこともない人を一括りで評価できる心理がよく分からん。

同じように「最近の老人」「○○(外国)人」なども、一緒に仕事をしたり該当する知人がいれば、無意味な括りだと分かります。交流会で目上の方が数人いれば「自分が若い時はこんなにPC環境よくなかった」と愚痴を言う人も「これ面白いよ」と若者向けアプリを使いこなしてにこにこしてる人もいます。

「ゆとり世代」と呼ばれた女の子の悲しさ

数年前、たまたま参加したイベントのボランティアで、とある女子大学生と話す機会がありました。もう顔も名前も覚えていないのですが、立命館大学の学生さんだったと記憶しています。移動時の雑談で「勉強やボランティアまで頑張っているのはすごい、自分が学生のとき何もしていなかった」という話をすると彼女は「学生のうちにできることを頑張って、社会人になったらいい仕事をたくさんしたい。私は、いわゆるゆとり世代と呼ばれている年代です。当時子供だった自分には何もできなかったのに、大人たちが変えた教育方針のせいで『ゆとり世代』と名前をつけられた。何かミスをすると『ゆとりだから』と笑われる。そうじゃなくて『ゆとり世代すげえ』って言われるようにしたい」と話してくれました。

毎年4月、snsで「新入社員が○日で退職した。さすがゆとり」みたいな書き込みを時々見かけるたび、彼女のように頑張っている若い人たちが傷ついてたりしないだろうか……と、なんか落ち込みます。ゆとり世代関係なくたまたまその人がそうだったかも知れないんで、あんまり総称で言わないであげてください。

ゆとり世代という呼び名ができた背景を、私は詳しく知りません。ただ若い人が蔑称で一括りにされ批判を受けていることは歯がゆく思います。

若者は大切にしなければ、若くない人の未来もない

学生バイトさんが、こちらのちょっとした気遣いに恐縮する時があります。「いいのいいの。その代わり就職してビッグになった時、私が路頭に迷ってたら仕事ちょうだい」と伝えると笑ってくれます。そう、今彼らを支えているつもりの私たちは、やってくる老後のために恩を売っておく必要があるのです!!!

少子高齢化社会というと、自分が若いうちは支えてる側でも、あと何十年かしたら支えてもらう側になるわけで、現在学生さんである彼らの負担は、私たち世代の担ってきたものより大きくなるでしょう。若い人には、のびのび学んで働いてもらって、私が働けなくなったときなんとかなる社会を作ってもらうのです。苦労して欲しいわけではなく、効率よく稼げるような仕事に就いたり、便利な世の中にして欲しい。つまり他力本願です。上の世代の者ほど謙虚に、具体的な対策が何もないならせめて、若い人たちが少しでも気持ちよく働けるよう、バカにするのはやめたほうがいいんじゃないでしょうか。

私にできることは少ないけど、せめて若い皆さんが一括りでバカにされることをこれからも「お゛お゛ん?! 」と怒り続け、学生バイトさんがテキストを読んでくれることを喜び続けます。

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