野良猫学級 第16話 追い出し
――緞帳を巻き取る機械音が止まり、静まり返った体育館で、おれはそっと目を開けた。
ステージ中央に置かれた指揮台の前に立つ環菜。下手には、奥から引っ張り出してきたピアノと、その前に立つ杏子。ステージ後方にはひな壇まで段取りしており、桃果、百合……皆が並んで立っている。文化祭のそれが目の前でそっくり再現されている。髪やら化粧やらといった奴らの風貌はあの日とは違い、いつもの見慣れた十三組の野良猫共だ。
「何だよお前ら。おれのために歌ってくれんのか?」
「ほうよ!わざわざアタシら