【連載小説】封事屋のひとひら帳 4
「ひさしぶりって、そんなに経ってる?」
「前に封じてから一ヶ月は経ってますね」
「月一回あるかないか、か。封事屋稼業もあがったりね」
「そのくらいがちょうどいいですよ。そんなそこかしこで『坂』が開いたら、それこそ問題ですよ。暁子さんだって、本業が大騒ぎになりますよ」
「本業は店よ」
「なに言ってるんですか、組合長」
「押しつけられただけよ」
「なにをおっしゃいます。師匠の実力は誰もが認めるところですよ」
「口ばっかり上手くなるわね、うちの弟子は」
「事実ですって。現役退いてる