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バズるために、自分を“男性”と認めたYouTuberの話

みなさんは、やっぱりSNS上でバズりたいですか?

ぼくは、これまでYouTuberとして約160本もの動画をあげてきましたが、その中には「やりたいから」よりも「流行っているから」「バズりそうだから」という動機であげた動画がいくつかあります。

みなさんは、バズるためなら
どこまで我慢できますか? どこまで自分を曲げられますか?

ぼくには、決してやってこなかったことがあります。
それは、自身を「男性」と表明することです。(生物学上は「男性」ですが)
一人称も「僕」とか「俺」だと、男性性が強いので、文章の時は「ぼく」にしたり、会話では「わし」って言ったりしています(笑)

雑誌などの取材においても「女性のタイプは?」とか、「彼女からもらったら嬉しいものは?」とか、男性であるが故の質問を何度も受けてきましたが、その都度、「女性」や「彼女」という単語に赤線を引き、「恋人」や「好きな人」という単語に修正してなんとかやってきました。

しかし、そんなぼくが、バズるためだけにこの信念を折り曲げた話を、今日は書いていきたいと思います。“迎合”ってツラいことではあるけど、本気でもある証拠なんです。

「彼女目線」という流行への屈服

「彼女目線」「彼氏目線」というジャンルの動画を見たことがありますでしょうか。あたかも、投稿主であるインフルエンサーの彼女 / 彼氏になって一緒にデートをしているような気持ちになれる動画なのですが、TikTok上では「#彼女目線」が付いた動画は、合計で約500万回近く再生されています。

もちろん、ぼくもやりました。

本来であれば、タイトルの「彼女目線」を「恋人目線」にしたいのですが…そのワードで検索をする人はかなり少ないので、検索流入の多さを鑑みて「彼女目線」という単語にしました。最初の屈服です。

だって1本の動画を作るのに、4時間以上はかかるんですもん…どうせなら多くの人に見られたいじゃないですか。バズりたいじゃないですか!

note 彼女目線

※実際にデータを見ても「彼女目線」関連のワードを検索して、この動画にたどり着いているかたは多いです

あ、あと、興味深かったことがあるのですが、それはこの動画に、「カメラの位置が高すぎて、全然彼女目線じゃない」というような内容のコメントが付いたことです。
ぼくが、自分より大きい女性 / 彼女と付き合うケースもあるだろうに、「彼氏が大きくて彼女は小さい」みたいなある種のお決まり(ステレオタイプ)すらも、この「彼女目線」というコンテンツでは重要視されていて、おもしろいなぁ~と。目線の高さも再現してこその「彼女目線」なんだなと。
※Instagramのストーリーを彷彿させるよう、ちゃんと縦型動画にしたこだわりだけでも、ぜひ見てほしいです(笑)

「モーニングルーティーン」という流行への屈服

「朝起きてから出かけるまでの動画」が、少し前に流行したことはご存知かと思いますが、これ、タイトルやサムネに自分の「カテゴリー / ジャンル」を入れるのが基本ってことには気づいていましたでしょうか!?
「性別」や「年齢」、「職種」、「趣味」なんかを入れることで、YouTuber内での差異化を図る意図があります。

例:19歳一人暮らしのモーニングルーティーン
例:【週6工場勤務】社畜女子(22)のリアルモーニングルーティン
例:【1K4人暮らし】主婦のモーニングルーティン

よって、ぼくはこうなります。
25歳・男性のモーニングルーティン〜Morning Routine〜

断腸の思いで「男性」という単語を、タイトルは愚かサムネにも入れました!2度目の屈服です。
じゃあ入れんな!という気持ちもあるとは思いますが、前提としてバズリたいんです…。

コメントで自覚させられる“男性性”

上記の動画に限らず、ぼくの“男性性”を褒めるコメントは定期的に来ます。
「肩幅が広くて男らしい」とか「意外と声が低いんですね」とか「意外と力持ちなんですね」とか、、、
基本的には褒めるために「男性らしさ」への言及が出てくるのですが、最初はなかなか、なれなかったです。2年くらいやって、やっとなれてきたかな。
逆に考えると、多くの人は“男性性”に言及することで、相手が喜んでくれるだろうと考えているのもおもしろいなぁと。
最終的には、善意でしかないコメントに、素直に喜べない自分に悲しくなっていました。まぁ、誰も悪くないと思いますけど。

肩書きに“男性”を入れるか悩む

みなさんは、肩書きに性別を入れていますか?
多くの場合は入れていないですかね?ぼくも会社の肩書きは「広報」のみですし。

ただ、業界の人の多くは、ぼくの「自身が男性でありながら、男性のアイドルを推している」という点をおもしろい!と評価してくださるので、「ジャニーズJr.好き男子」とか「男性アイドル好きの男性」なんて書かれ方を好むわけです。最初はそこにも違和感がありましたが、結局ソレが最も伝わりやすいワードであり、端的にも表せているんだろうなぁと分かっているので、なれました。
ただ、納得はするけど、腑には落ちていない…みたいな感じは半年くらい続きましたかね。

でも、それもこれもどれも。
バズりやすさから見ると、自分だけが気にしているかも知れない“こだわり”が、考えれば考えるほど全部どうでも良くなってくるんです。
タイトルや見出しで「男性」って入っている方がクリック率が上がるのであれば、もうそれは「男性」って入れていいよ、みたいな(笑)
バズを取りに行く、そういう職業でもあるのかなって…

まとめ

バズるために、自分の信念を折り曲げるという屈服が発生しているのですが、一方で、「バズるためだし!」と思えば、屈服も気にならなくなっていく…という謎のスパイラルの中に、今ぼくはいます。

YouTuberのかたたちは、きっとたくさんのこだわりを捨てながら投稿を続けているんだろうなぁと思います。
多くの動画は、映画とは違って人の心に深くは残らないかも知れないし、1年後とかにまた見られるわけでもないのかもしれません。
それでも、「バズることは正義だ!」「作っても見られなくては意味がない!」と思いながら、今日も動画を編集したいと思います(笑)

一応、ぼくが何度も見てほしい動画は貼っておきますね(^^)


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