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学生運動と少年法…今週の『虎に翼』

日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった女性・猪爪寅子(伊藤沙莉さん)とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追い詰められた女性たちを救っていくリーガルエンターテイメント、朝ドラ『虎に翼』の第24週「女三人あれば身代が潰れる?」。

「女三人あれば身代が潰れる」とは、「女の子が3人あれば、その嫁入り支度で財産を使い果たす」の意(imidasから引用)。

原爆裁判が終了してから5年が経過した、1968年(昭和43年)以降が描かれた月曜日。優未(毎田暖乃さん→川床明日香さん)は大学院で寄生虫の研究。朋一(井上祐貴さん)には、息子・星朋成(矢口蒼さん)が生まれており、直治(今井悠貴さん)はサックス奏者として成功。

一方、百合(余貴美子さん)が亡くなり、多岐川(滝藤賢一さん)が癌を患う中、寅子は総括判事に、久藤(沢村一樹さん)は東京家裁所長に順調に出世。そして、桂場(松山ケンイチさん)は第5代最高裁長官に就任。ついにトップに上り詰めました。

学生運動が激化していたこの時代。汐見圭(平埜生成さん)と汐見香子こと崔香淑(ハ・ヨンスさん)の娘・薫(池田朱那さん)もまた学生運動に没頭。また、母が朝鮮人であることを隠していたことに反発していました。

安田講堂事件で、薫が逮捕されたと寅子に連絡が来た火曜日。父の圭は、よね(土居志央梨さん)と轟(戸塚純貴さん)に弁護を依頼するつもりでしたが。司法試験に合格し、司法修習も終えていた香子は、自分が弁護をしたいと言い出し、話し合いは平行線で、結論は出ず。

そんな中、山田轟事務所に居候している斧ヶ岳美位子(石橋菜津美さん)と出会った寅子。彼女は父親への尊属殺人で逮捕され、現在保釈中。轟とよねが弁護を依頼されていました。

かつて寅子の恩師・穂高(小林薫さん)が、尊属殺人の重罰規定への最高裁の合憲判決に反対意見を述べていましたが、そこからのロングパス。「尊属殺の重罰規定は、法の下の平等に反するとして無効」と、穂高の無念を晴らすのは桂場か。そんな桂場周辺には政治的不穏が漂ってきました。

若者らしい理想に燃える朋一が、航一(岡田将生さん)と議論を交わしていた水曜日。のどか(尾碕真花さん)には結婚も考えている恋人がいることが判明。逮捕された薫は、情状酌量でお咎めなし。

学生運動の高揚と対をなすように、与党の政民党・寒河江幹事長が司法人事に介入する可能性を露骨に表明すると、これに桂場が激怒。幹事長の秘書・反町(川島潤哉さん)が謝罪に訪れるも塩対応。「つけ入る隙を与えねばいいだけだ」の桂場の言葉で、「ブルーパージ」が描かれることは確定。

美位子の裁判は一審では、情状酌量で刑を免除する判決となったものの、検察側が控訴することは確実。今後も協力するという母・寛子(宮田早苗さん)に対し、美位子は「一人で逃げたのはお母さんでしょ?」と。そして、回想による実父殺害シーン。

優未の大学院中退話と、のどかと恋人・誠也(松澤匠さん)の結婚宣言で、航一がノックダウンした木曜日。寅子が優未に念押しした「地獄を進む覚悟はあるのね」は、かつて寅子が亡母・はる(石田ゆり子さん)から言われた言葉。

学生運動のさらなる先鋭化を受けて、法務大臣から少年法改正に関する諮問が法制審議会になされ、寅子が少年法部会の一人として組織されることに。寅子が思い出していたのは「法律っちゅうもんはな、縛られて死ぬためにあるんじゃない。人が、幸せになるためにあるんだよ」という多岐川の言葉。

失恋をきっかけに、薫が香淑と和解した金曜日。そこに稲垣(松川尚瑠輝さん)と小橋(名村辰さん)もやってきて、香淑と大学以来の再会。汐見圭の妻であることを初めて知らされます。

家庭裁判所創立メンバーが多岐川の元に集結し、少年法改正に反対の意見をまとめ、桂場に電話するもつれない対応。香淑の兄・潤哲(ユン・ソンモさん)を薫が呼び、兄妹の涙の再会。皆での楽しい夕食でしたが、多岐川死去。その報を知らされた桂場は…。


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