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有頂天からの家族離反と桂場の慧眼…今週の『虎に翼』

日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった女性・猪爪寅子(伊藤沙莉さん)とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追い詰められた女性たちを救っていくリーガルエンターテイメント、朝ドラ『虎に翼』の第15週「女房は山の神百石の位?」。

「女房は山の神百石の位」とは「女房はきわめて大切なものである」というたとえ(ことわざ辞典から引用)。

寅子が米国の裁判所視察から帰国した月曜日。人間とはえてして調子に乗る生き物で、戦前の不遇時代の反動ということもあるのでしょうが、まだ日本人が海外旅行することも稀だった時代の大抜擢。自分に酔いしれる寅子。

戦前からの顔見知りである記者の竹中(高橋努さん)の密着取材も快諾しますが、自宅での取り繕った姿は即座に見破られ。「竹もと」での女性司法修習生との対談では、上から目線発言。さすがに梅子(平岩紙さん)も顔を曇らせました。

寅子が、山本長官(矢島健一さん)と一緒にラジオ番組に出演した火曜日。そこでの長官の発言に「はて?」と疑問を呈し、意見した寅子。竹中は本領発揮とばかりに喜びますが…。その後、寅子に新潟地家裁三条支部への異動の内示。多岐川(滝藤賢一さん)は反発しますが、決まったこと。

異動の話を、直明(三山凌輝さん)と花江(森田望智さん)に伝えた寅子。優未(竹澤咲子さん)と二人だけで行くと言いますが、直明は反対。花江からは「トラちゃんが見てるのはね、本当の優未じゃないの」と意見され。

優未がテストの点数を偽造してまで、良い子のフリをしていたことが判明した水曜日。寅子はそんなつもりはなかったと言いますが、無意識に手のかからない娘であることを強いて、優未が追い込まれていたことを直明が代弁。

落ち込む寅子に、さらに災難が降りかかり。「竹もと」では、先日対談した女性司法修習生たちが、寅子について陰口。さりげなくフォローする梅子。さらに、離婚調停が不調に終わり、地裁での裁判になることになった福田瞳(美山加恋さん)が逆恨みから、寅子に刃物を向け。

帰宅すると、寅子抜きの猪爪家は家族団欒。優未も笑顔を見せていて。入り辛い状況の中、久しぶりの「#イマジナリー優三(仲野太賀さん)」登場で、かつての彼の言葉を思い出し、意を決して玄関を開ける寅子。

家族からの不満を寅子が受け止めた木曜日。案外役立っている道男(和田庵さん)の存在。優未だけ新潟についていくことを同意しますが、その表情は微妙で母娘関係問題はまだ引きずる模様。

自分が天狗になっていたことを自覚した寅子は、桂場(松山ケンイチさん)にその鼻をへし折るための異動なのだろうと訊きますが、桂場は一躍時の人になった寅子の将来を心配し、裁判官としての土台作りのためと答え。多岐川はそれは「愛」だと。本来人事とはこうあるべき、さすが桂場。

香子(ハ・ヨンスさん)の提案で、多岐川宅で壮行会が開かれた金曜日。寅子は、再会した香子と初めてじっくり話す機会得ました。その後、多岐川は寅子の今後を祈願するため、またも謎の水行(笑)。朝ドラ制作陣の笑いのセンスって、時々微妙。

轟(戸塚純貴さん)とよね(土居志央梨さん)にも挨拶に来た寅子。「鬱陶しいついでに」と、よねに弁護士再チャレンジを勧め、「私、確信してるのよ。弁護士になったよねさんにしか救えない人たちが、たっくさんいるって」と。1952年、春。寅子と優未の新潟県三条市での新生活スタート。


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