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ドラマ日記『光る君へ』(第24話)&『アンチヒーロー』(最終回)

平安時代、京に生まれたまひろ→紫式部(吉高由里子さん)。数歳年上の藤原道長(柄本佑さん)とは、少女の頃に知り合い、惹かれ合うも、身分差に阻まれ。別の男性と結婚するも死別。娘を育てながら、「源氏物語」を書き始める大河ドラマ『光る君へ』の第24話「忘れえぬ人」。

宣孝(佐々木蔵之介さん)から求婚され、さらには、周明(松下洸平さん)からも一緒に宋へ行こうと誘われるまひろ。しかし、心の内には道長(柄本佑さん)が…。一方内裏では、一条天皇(塩野瑛久さん)が定子(高畑充希さん)と生まれた姫皇子に会いたい気持ちを募らせていた。

脚本家の大石静さんは、きっと反道徳主義の人なんだろうなと本作を見ていても思います。ニーチェ風に言えば「道徳は弱者のルサンチマン」。かつて『ガラスの家』を執筆中に、ラジオインタビューでは「真実は常識や道徳を越えた所にある」と。

大石さんは、内野聖陽さん、佐々木蔵之介さん、堺雅人さん、長谷川博己さんといった舞台出身のスターの原石を見出すことにも定評がありますが、今回は佐々木さんに善悪を超えた大人の色香漂う、いい役を与えましたね。

一方で、松下洸平さんのキャラはちょっと謎でした。密命を帯びてまひろを口説きにかかるも、見破られて今度は脅迫。最後は自分も死ぬとまで言い出しますが、まひろの毅然とした態度に断念。野心があったものの、いつの間にか本気でまひろを好きになっていた…という解釈でいいのかな。

一方、一条天皇は出産した定子を無理くり呼び戻し、再び溺愛。また詮子の病が治ったことから「大赦」として、左遷していた伊周(三浦翔平さん)と隆家(竜星涼さん)兄弟を都に召喚。案外あっさり許されましたね。

主人公・明墨正樹(長谷川博己さん)は、犯罪者である証拠が100%揃っていても、無罪を勝ち取る“アンチ”な弁護士。“アンチ”な弁護士は正義か悪か!?新たなヒーローが常識を覆す、逆転パラドックスエンターテインメント『アンチヒーロー』の最終回。

明墨を証拠隠滅罪に問う裁判が始まる。 担当検事は伊達原(野村萬斎さん)。法廷で因縁の対決が繰り広げられる。 12年前の事件、志水(緒形直人さん)の冤罪は証明されるのか…。

大方の予想通り、伊達原の部下・緑川歩佳(木村佳乃さん)と、事務所のパラリーガル・白木凛(大島優子さん)は明墨の味方でした。しかも緑川は同期である桃瀬(吹石一恵さん)の遺志を、明墨と共に受け継ぎ、検察内部から事件の真相を調べていました。

緑川の仕掛けたカメラに映った科捜研の資料室の映像から、伊達原が偽情報を隠蔽しようとした姿が明らかになり、ついに起訴されます。志水の再審が決まり、出所できましたが、真犯人が誰だったのかは明かされることなく、ドラマは終わりました。

『エルピス-希望、あるいは災い-』風にはしなかったんですね。


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