見出し画像

ドラマ日記『風間公親-教場0-』&『かしましめし』(初回)

神奈川県警警察学校の冷徹で最恐の教官・風間公親(木村拓哉さん)が、教官として警察学校に赴任する以前、新人刑事の教育に刑事指導官として当たっていた時代を描く『風間公親-教場0-』の初回。

2019年。地域課の制服警官だった瓜原潤史(赤楚衛二さん)は、ある事件の犯人を逮捕し、署長賞を受賞する。県警本部捜査一課・調整官の眞堂丈史(小林薫さん)は、瓜原に捜査一課への配置換えを命じ、風間公親からの連絡を待つよう告げた。

2020年と2021年に、新春の二夜連続SPドラマとして好評だった『教場』シリーズ初の連ドラ化。

新垣結衣さんや白石麻衣さん、染谷将太さんら豪華キャストも話題ですが、SPドラマとは違い、一度に出てくるのではなく、一人の新人刑事に毎話スポットを当てるようで、初回は朝ドラ『舞いあがれ!』の貴司役が記憶に新しい、赤楚衛二さん演じる瓜原刑事。

冒頭、巡査長役で明石家さんまさんがサプライズ出演。すっかり忘れてましたが、SPドラマでも2回とも出ていたようです。後に警察学校を中退することになる枝元(富田望生さん)が、警察学校に入るために実家を出るシーンでの軽い掛け合い。本編とはトーンがまるで違いますが、お約束というか。

約1時間半の拡大版で描かれた初回。事件は二つで、視聴者には犯人が最初から目星がついている倒叙ミステリー型、『刑事コロンボ』とか『古畑任三郎』のあれです。犯人役は内田理央さんと市原隼人さん。

風間は手取り足取り教えるわけではなく(ヒントは与えている)、瓜原にしっかり観察し、自分の頭で考えることを要求。精神的に追い込まれながら、時に反発しながらも成長していく瓜原を、赤楚さんが熱演。

ダイイングメッセージのオチはさすがにどうかと思いますが、全体としては面白かったですし、よく出来た作品だと思います。 Uruの主題歌「心得」も良かった。

美大を卒業後、同級生の自死をきっかけに再会したアラサーの男女3人が、それぞれの人生に悩みながらも、みんなで集まっては賑やかな“おうちごはん”を囲み、やがて一緒に暮らしていくようになる物語『かしましめし』の初回。

上司のパワハラで心が折れ、仕事を辞めた千春(前田敦子さん)。婚約破棄されたばかりのナカムラ(成海璃子さん)。恋人との関係がうまくいかないゲイの英治(塩野瑛久さん)。同級生の死をきっかけに再会したアラサーの3人は、それから定期的に集まっては一緒にご飯を食べるようになり…。

3人は同じ美大出身であると同時に、同級生の元カノが千春で、元カレが英治、同級生が所属していたラグビー部のマネージャーがナカムラという特殊な関係性のため、3人の中での恋愛系展開はない模様。

美味しそうなグルメドラマという側面がありつつ、優しい世界観。いつも千春に助けられていると感じている英治とナカムラでしたが、二人に一番救われていると感じていたのは千春で。会社を辞めた告白をし、「毎日が日曜日」と涙ぐむ前田さんの演技が今週のハイライト。

一緒に暮らすことになった3人。「私たちは起きてから眠るまで、自分に優しい人たちと、ご飯を食べる」のセリフが、本作をよく表しています。『グランマの憂鬱』で「友達なんて一人でもいればいい」というセリフがありましたが、多くを語らずとも察してくれる友が二人もいて、おいしいご飯が一緒に食べられて。

至福感に満ちた終盤ながら、不穏ナレで終了。


この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?