女優ノート『鈴木杏さん』

気になる女優さんの出演作についての覚え書き「女優ノート」。今回は、2021年春ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』に出演する鈴木杏さん。

松本潤さん主演版の『金田一少年の事件簿』(2001年)で、ヒロイン七瀬美雪役を務めるなど、人気若手女優だった鈴木さん。現在は舞台に軸足を置いているようで、今年「読売演劇大賞」の大賞・最優秀女優賞を受賞しました。

そんな鈴木さんの出演作でまず挙げたいのは、映画『花とアリス』(2014年)。対照的な性格ながら親友の女子高生2人(鈴木さん&蒼井優さん)を巡る青春ストーリーを、映像美に定評のある岩井俊二監督が、リリカルかつコミカルに描いています。

幼なじみでいつも一緒な、明るく素直な花(鈴木さん)と自由奔放で勝手なアリス(蒼井さん)。あこがれの先輩を「記憶喪失」だと信じこませ、つき合い始める花。二人が友情と恋の狭間で戸惑いつつ、大人へと成長していく姿を描いた初恋物語。

続いては、ドラマ版『がんばっていきまっしょい』(2005年)。1998年に田中麗奈さん主演で映画化された作品の再映像化。女子高生の部活もの青春ドラマで、主人公の鈴木さんがキラキラしてましたね。共演陣は錦戸亮・相武紗季・石田ゆり子・池内博之・小日向文世・大杉漣・友近ほか(敬称略)。

四国・松山の小さな町を舞台に、不器用で勉強も苦手な主人公・悦子(鈴木さん)が高校入学を期に、クラブ活動に没頭する。様々な批判を受けるが、女子ボート部を設立し迎え入れた仲間たちと切磋琢磨しながら、一歩一歩大人へと成長していく様を描いた青春物語。

その後、映画『軽蔑』(2011年)では、高良健吾さんとの激しい官能シーンに挑戦するなど、大人の女優へ進化した鈴木さん。最後はドラマ『透明なゆりかご』(2018年)。最終回のゲストを任された鈴木さん。“赤ちゃんを看取る”ことになる妊婦・母親役を熱演、絶賛されました。傑作。

町の小さな産婦人科医院を舞台に、ひとりの感性豊かな少女(清原果耶さん)の目線で、“命とは何か"を問い、見つめてゆく物語。幸せな出産ばかりでなく、中絶や母体死亡といった産婦人科の“影"の部分にも向き合いながら、時に明るく、時に切なく、命への“祈り"にも似た想いをつむいでゆく。


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