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ドラマ日記『虎に翼』& 『VRおじさんの初恋』(初回)

日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった女性・猪爪寅子(伊藤沙莉さん)とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追い詰められた女性たちを救っていくリーガルエンターテイメント、朝ドラ『虎に翼』の初回。

昭和6年・東京。女学校に通う猪爪寅子は父・直言(岡部たかしさん)、母・はる(石田ゆり子さん)から次々とお見合いを勧められる。女学校を出たら結婚し、子供を産み、家庭を守るのが当然とされていたからだ。だが、納得できない寅子。

前作『ブギウギ』の主人公のモデルだった笠置シヅ子さんと、本作のモデルとなる三淵嘉子さんは、共に1914年(大正3年)生まれということで、2作連続で同時代が描かれるだけに、「梅丸少女歌劇団」のセリフに地続き感。

冒頭は1946年(昭和21年)、日本国憲法公布を伝える新聞を、寅子が河原で感慨深げに読んでいるシーン。第14条がクローズアップされると、尾野真千子さんの落ち着いた語りが入り、寅子が泣いているようにも見えました。

後日、法務省に乗り込んだ寅子は、人事課長で「後に最高裁判所長官となる男」桂場等一郎(松山ケンイチさん)に直談判しようとしたところで、時代は昭和6年に巻き戻り、OP映像。

米津玄師さんが歌う主題歌「さよーならまたいつか!」が流れる中、シシヤマザキさんによるアニメーションで、寅子らがダンス。伊藤さんらの実写ダンスもワンカット入り、再びアニメへ。軽やかで、春らしい。

女学校卒業間近の寅子は、良妻賢母を旨とする母・はるに見合いを強要され、家出未遂。寅子との恋仲を疑われる・書生の佐田優三(仲野太賀さん)。やる気のない寅子の態度に、2回連続で相手から断られ。

当時としては常識人な親友の花江(森田望智さん)から、「親不孝」とまでいわれ、3回目はなんとか上手くやろうとした寅子でしたが、お見合い相手の横山太一郎(藤森慎吾さん)から突然、「君、分をわきまえなさい。女のくせに、生意気な」と怒られ。

「はて?」が口癖の寅子。時代の「常識」に疑問を呈し、納得ができないことは納得ができない、そんな寅子の性格を表す口癖は、これからも度々登場するのでしょう。

VRの世界では、少女・ナオキ(倉沢杏菜さん)として過ごす中年独身男性の直樹(野間口徹さん)が、美少女・ホナミ(井桁弘恵さん)に恋をし、現実世界とバーチャル世界を行き来しながら、直樹が違う人生を見つけるヒューマンドラマ『VRおじさんの初恋』の初回。

直樹はタイヤメーカーに勤めるさえない中年会社員。唯一の楽しみは、VR(仮想現実)世界を体感するゲーム「トワイライト」。その中で直樹は制服姿の女の子・ナオキとして生きていた。ナオキはある日、天真爛漫な美少女・ホナミと出会う。

都会の夜の喧噪の中を、会社帰りらしい直樹が抜けていく。帰宅したのは、いかにも古い安アパートで、直樹はカップ麺だけの夕食という侘しい生活。そこでナオキの声のナレーションが入ります。直樹の心情であり、本作の主題でもあり、今後のストーリー展開を示していました。

どこにいても居心地が悪い。誰といても落ち着かない。そう感じているのは自分だけ、なわけがない。それでも誰かといようという奴と、思えない奴がいて。思えない奴の中には、一人でいたいわけじゃない奴もいて。まっ、そんなことはどうでもいい

タイヤメーカーの恐らくは正社員である直樹が、一見貧乏ぐらしに見えますが、実際にはVRゲームを最高に楽しむためのハイスペックな機器を完備していて、いかに彼がVRにハマっているかがわかります。

そしてVR世界へ。ツインテールで、毛先巻き巻きの制服美少女ナオキが予想以上に可愛い。アンティーク調な世界観。そこでは仲間連れが多いながら、ナオキは一人で楽しむ派のようです。運営側からサービス終了のお知らせが来ており、ナオキ(直樹)は滅びゆく世界の最後の時間に浸ていました。

そこに現れたのがウサギ耳&露出多目なホナミ。ぎこちない動きをしていることから、VR初心者であることがわかります。ナオキに興味を持ったホナミは、近づこうとするのですが、(性的な目的なのかも)と思ったナオキは逃げようとします。

しかし、最後は捕まってしまったナオキ。ナオミがよろめき、倒れそうなになり、思わず抱きかかえますが、そこでナオキ(直樹)がキュン。現実世界では恐らくない経験だったのでしょう。ナオキがナオミに、観光スポットを案内すると言い出して終了。

おっさんがVR世界で制服美少女という設定だけで、キモいと言われそうな話ですが、『不適切にもほどがある!』の校長に女装癖があったように、趣味は自由ですし、男(女)はこうあるべきとか、中高年は身を慎むべしとか、そうした固定観念や既存の常識からの解放、という感じでしょうか。

野間口さんと井桁さんは共に福岡出身。倉沢さんはレプロエンターテイメントの売り出し中の女優。久間田琳加さんや南沙良さんらの次を担う世代ですかね。

なお、マンガ実写化ということで、『セクシー田中さん』の件もあるので、賛否はあるでしょうが、原作者の暴力とも子さんはX(Twitter)で見解を述べておられます。

余談:昨夜放送『鶴瓶の家族に乾杯』のゲストは、『虎に翼』で寅子の父を演じている岡部たかしさん。そのグダグダぶりに、鶴瓶さんも呆れて早々と別行動。まさに『ブギウギ』アオのおっちゃん状態でしたが、来週の後編で挽回できるでしょうか?


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