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ドラマ日記『アイのない恋人たち』&『厨房のありす』(初回)

2024年の東京を舞台に、「3回あった女性とは連絡を絶つ」と決めている33歳の売れない脚本家・久米真和(福士蒼汰さん)など、恋愛偏差値が低いワケあり男女7人が織り成す愛の物語『アイのない恋人たち』の初回。

久米真和は「人を勇気づける映画を作る」という高校時代からの夢を抱き続ける、売れない脚本家。恋愛に興味はなく、アプリで女性と出会っては別れを繰り返す「愛のない男」。一方、ブックカフェを経営する31歳の今村絵里加(岡崎紗絵さん)は、男性経験のないまま恋愛することを諦めていた。そんな正反対の2人が出会うことになるが…。

男女7人と言えば、明石家さんまさん主演の『男女7人夏物語』(1986年)が思い出されますが、あちらが合コンきっかけなのに対し、本作はマッチングアプリというところに、時代を感じさせますね。

区役所に勤める近藤奈美(深川麻衣さん)が「29歳から34歳までの男性の4割が童貞」と発言するシーンがあるのですが、絵里加と真和の高校時代の同級生・淵上多聞(本郷奏多さん)が性体験がないという設定も今どきです。

絵里加は真和の言葉に心動かされ、まだ映像化されていない真和の脚本を読ませてもらい、感動して涙。「映画になったら絶対観る」というのですが…そんな絵里加にそっとキスした真和。過去のドラマならば、これでいい雰囲気になるのでしょうが、時代は「性的同意」な令和。

絵里加は真和を突き放し「相手と本気で向き合う気がないなら、世界中の女と関わるな!このクズ野郎!あんたに人を幸せにする脚本なんか絶対書けないから!」と罵倒し、帰っていきました。

なかなか面白かった遊川和彦さんの脚本。NHK版『大奥』でも思いましたが、福士さんの演技が安心して見られるようになりました。阿部寛さんや三浦友和さんと同じく、やっぱり大器晩成型だったんですね。

自閉スペクトラム症の料理人・八重森ありす(門脇麦さん)、彼女のゲイの父・心護(大森南朋さん)、料理店に転がり込んできた謎めいた青年・倖生(永瀬廉さん)らが、明るくお互いの凸凹を埋め合い、支え合い、温かい言葉とごはんで絆を結ぶ物語『厨房のありす』の初回。

料理店『ありすのお勝手』の店主・八重森ありすは、自閉スペクトラム症。人とのコミュニケーションは苦手だが、大好きな化学の知識で美味しくてやさしい料理を作る天才料理人!親友の和紗(前田敦子さん)と切り盛りする店に、ある日、住み込みバイト希望の倖生がやって来る。

門脇さんは、昨年1月期の『リバーサルオーケストラ』以来の地上波ドラマ主演。自閉スペクトラム症の主人公を巧みに演じているのはさすが。元ヤン役の前田さんもハマり役。「料理は化学」ということで、化学式がやたらと出てくるところが『フェルマーの料理』風味。

テレビニュースに映し出された、五條製薬の取締役で、創薬化学者にして心護の元同僚の五條蒔子(木村多江さん)を見て、ありすが「お母さん」と呟くシーンがあり、その辺りの秘密も解き明かされていくのでしょう。

なおTwitter上では、韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』との類似性を指摘する声も挙がっていました。

余談:NHKドラマ『作りたい女と食べたい女』続編が、いよいよ29日から始まります。NHKプラスでシーズン1と関連番組が見られます。


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