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ドラマ日記『その女、ジルバ』&『ここは今から倫理です。』(最終回)

人生を諦めていた負け組OLの笛吹新(池脇千鶴さん)が、ひょんなことからバーで働き始め、パワフルな高齢ホステスたちに感化され変わっていく、人生賛歌ドラマ『その女、ジルバ』最終回。例の感染症流行の、数年後の世界に着地しました。

2020年10月。世の中の状況が一変、あらゆる飲食店が窮地に陥る中、「OLD JACK&ROSE」もまた、客の足が途絶え静まり返っていた。皆が、出口の見えない閉塞感に、限界を感じていたのだ。その時、幸吉(品川徹)がゆっくり口を開いた「みんなに話したいことがある」…涙と笑いの最終話!

例の感染症の影響で、ついにバーも閉店。幸吉が皆にかける言葉が、『熱中時代』や『3年B組金八先生』の卒業式のよう。一方で、スミレ(江口のりこさん)のオンライン出産を皆で応援、新たな命の誕生に希望を感じさせつつ、新は故郷・福島へ。

ブラジルからの白浜(竹財輝之助さん)の手紙を読んだ新は再び奮起し、店を再開させることを宣言。そしてX年後、復活したバーには皆が集まってパーティー。新の父親(大和田獏さん)と鉢合わせた、前園(山崎樹範さん)が可笑しい。いいキャラに育ったなあ。

最後は白浜もやってきて、新と恋の予感!?厳しい現実が背景としてしっかり描かれながらも、ファンタジーな世界「OLD JACK&ROSE」に希望を与えてもらった2か月間。フィクションの力は偉大です。

続いて、『ここは今から倫理です。』最終回。雨瀬シオリさんの異色の学園コミックを実写ドラマ化。高校生たちの答えの出ない悩みに寄り添う、倫理教師・高柳(山田裕貴さん)の姿を描いたもので、今回は2話連続の後編。

クラスから孤立したいち子(茅島みずきさん)の問題について、高柳は倫理の授業で対話することを提案、“最後”の授業が始まる。いち子や恭一(池田優斗さん)たちの対話を聞いた高柳は、ある哲学者の言葉を生徒たちに贈る。そして迎えた卒業式の日、いち子は高柳に告白をすることに…。

いち子の問題に対し、徐々に白熱する議論。それぞれの立場、経験、性格、考え方の違いも明らかになる中で、時間はあっという間に過ぎてゆく。小さな教室は世界の縮図でもある。高柳はいう「この教室は狭く閉ざされていますが、考えることによって世界につながっています」。

卒業式。最終話のセリフにもあったように、かつてはヤリマン女子高生だったいち子は、見違えるように凛として、高柳に直球勝負の告白。バツイチや若さを理由に断る高柳に、いち子が言ったセリフが痛快「若さを理由にしないで。それは私のせいじゃない!」。

「よるドラ」枠の中でも最も攻めた本作。倫理は高校の単なる選択科目ではなく、この世界を理解し、様々な難問と戦う武器になることを示しました。また、陰の主役だったいち子の成長物語ということで、茅島みずきさん(16歳)の最高のプロモーションになりました。

なお、「よるドラ」枠は月曜夜10時45分へ異動です。

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