新章・魔王の娘だと疑われてタイヘンです! 3巻第2章 魔王のことよりタイヘンなんです!①
「チッ、どうなッてやがる! なンでオレたちが狙われなくちャならねェンだ!」
羽虫の群れが耳障りな音を立ててその声を発した。
「決まってる……。『八柱の魔神将』を使った法術。それにはたぶん、『八柱』すべてが揃う必要がある。だから、魔王陛下は魔神将の誰かが討たれても、代わりの魔神将が産み出される仕組みを作った……」
海を征く鮫の背びれのように大地を斬り進む刃が答える。
「ああン? それじャあ、なンだァ?」
「私たちを殺して新たな魔神将が産み出されるのを待つつもり……。それくらい、わかって」
「わァッてるよ! オレが言う前に言いやがッて」
「――止まって」
「……チッ」
刃がその進みを止め、シュルシュルとその場で回転しながら無数の刃を纏う人の姿を取った。
羽虫の群れもそれに倣うように人の姿を取る。
その前にはいつの間にか大剣を背負った女の姿があった。
「十二年ぶりねフェルミリア。アタシに背を向けて逃げ出すなんて、アナタらしくないじゃない」
女は禍々しい漆黒の鎧を身に纏い、長い銀色の髪をたなびかせている。
「……魔の匂いがあまりにも強いから、あなただとは思わなかったの。ごめんなさい、ルナルラーサ・ファレス」
「十二年もあればお互い変わるわよね。アナタはずいぶん弱くなったように見えるわ」
「……そう。あなたにはそう見えるのね」
「フフ、そんな単純な挑発には乗らないか。前言撤回。昔よりもずいぶん落ち着いたみたいじゃない」
そんな二人(?)の会話に羽虫の群れ――『蟲遣い』ロウサーがブンッと唸りをあげた。
「邪魔しないで。ルナルラーサ・ファレスは私がやる」
「そりャできねェ相談だ。オレもやるぜ。ありャァ娘とは違ェぞ。完全にオレたちを葬り去るつもりだ」
「そんなこと、わかってる」
だがそこに、空を斬り裂いて、一本の矢がロウサーの足元に突き刺さる。
「安心して。虫の駆除はわたしの役目らしいから」
「てめェは『魔弾の射手』レイアーナ・ヴェルデ……」
「ほら、危ないよ?」
「チィッ!」
羽虫の群れが一斉に散開すると、その地面に突き刺さっていた矢が閃光と共に爆発した。
その爆発に紛れてフェルミリアは一瞬にして右腕を刃と化し、ルナルラーサに襲いかかる。
だが、ルナルラーサの大剣はそれを軽々と受け流し、そのままフェルミリアの身体に振り下ろした。
「くっ!」
フェルミリアも今度は左腕を刃と化してその一撃をなんとか受け流す。
「ねぇ、フェルミリア。さっき娘って言っていたわよね? もしかして、カナーンと戦ったの?」
『刃を統べる者』と謳われた魔神フェルミリアが死力を尽くして尚互角以上の剣術を見せながら、ルナルラーサは井戸端会議のようなノリでフェルミリアに話しかけた。
「アハハ、どうやらアナタと互角以上に戦えたみたいね。さすがはアタシの娘。でも、アナタはこうして生きている。甘さは相変わらず……いいえ、エリナと出会ってからさらに甘くなったのかしら?」
一合斬り結ぶごとにフェルミリアは明らかに劣勢になっていく。
「……その甘さが、あの子の芯に力強さを与えている」
「アナタが言うんだからそうなんでしょうね。でも――」
ギンッ! と言う音がして、フェルミリアの右腕の刃が斬り落とされた。
それだけではない。
フェルミリアの無数の刃に包まれた身体が、袈裟斬りに裂かれゆっくりとずれていく。
「アナタはその甘さで弱くなったみたいね。剣に迷いが見えたわ」
「……そうかも。でもあの子は……きっとあなたより強く……なるわ」
「それは楽しみね。カナーンを育てた甲斐があるっていうものだわ」
そうして、フェルミリアを構成していた無数の刃がガシャァと音を立て地面に崩れ落ちた。
「フェルミリア!? くそッたれ!」
「余所見してる暇なんてないと思うけど?」
魔神はそもそも不死の存在だ。
ルナルラーサの魔剣に斬り裂かれたフェルミリアも、封印などの措置を施さない限りは一日もしないうちに復活してしまう。
その中でもロウサーは無数の蟲のうちのいずれかを本体にすることができる。
すなわち、その本体となる蟲を見つけ出さなければ封印すらままならない、『人形使い』ガビーロールと似たタイプの魔神だった。
だが。
「ハッ! てめェにオレの本体が見切れるわけねェだろ!」
「そう思う?」
レイアーナはそう言って真上に向かって四本の矢を射かけた。
「てめェ、とち狂いやがッたか!」
当たるはずがない。
だが、矢が真上に四本放たれたことに、ロウサーは焦りを覚えた。
当たるはずがない。
ロウサーの本体はレイアーナの直上、約三百メルトの地点にいた。
小指の先ほどの大きさもない四匹の羽虫。
そのいずれかに当たっても、すぐに本体を移せるようにしていたのだ。
その四匹同時に撃ち落とされるはずなど、万が一にもないはずだった。
「ギャアッ!」
レイアーナの目の前にいた羽虫の群れが、そんな音を立てると一斉に飛び散り消えていった。
しばらくすると、四本の矢が真上から落下してきて地面に突き刺さる。
「よしっ、ちゃんと落ちてきた。にぇへへへへ」
「当たるか当たらないかより、ちゃんと落ちてくるかの方が問題なの?」
「たまに鷹とかに咥えていかれちゃうんだよね」
「なるほどね。さぁ、復活されても面倒だからさっさと『魔神珠』に封印してちょうだい」
「へーい」
◇ ◇ ◇
その頃、ランドバルド邸でも一つの変化が起きていた。
「殿下! ようやくお目覚めですか、殿下!」
魔神マリアから解放された後、気を失ったままだったマリウスがやっとのことで目を覚ましたのだ。
「マリちゃん!」
ラティシアに続いて、エリナが、フランが、カナーンが、次々とその名を呼んでマリウスのベッドに駆けよる。
「みんな、僕を助け出してくれてありがとう。そして、迷惑をかけてしまって申し訳ありません」
「なにをおっしゃいますか、殿下。すべてはこの私の不徳のいたすところ。そして、魔神マリアの所業によるものでしょう。殿下になんの咎もあるはずはありません」
「いえ、魔神マリアも迷っていたのです。もしかしたら、魔神マリアとははじめからわかりあえていたかもしれない。その証拠に、マリアは僕の意を汲んで、自らは他を傷つけることのない魔神となっていました」
「ですが殿下それは――」
「それが危険な考えであるということはわかっています。ですが、エリちゃんに魔界に送られた魔神マリアはそのことに深く感謝していました。その確かな感情があの時僕にも伝わってきていたのです」
マリウスのその言葉に一同はハッとした。
「? どうしました、みなさん。僕がなにかヘンなことを……?」
「皇子よ。今、魔神マリアが『魔界に送られた』と申したな? それをどのようにして知った?」
一同が振り返ると、そこには小人族であるヴァイオラの少女がいた。
「はじめてお目にかかる女性ですね。僕はヒュペルミリアス皇国第一皇子ヨハン・アルフォンス・アルビレオの第三子、マリウス・マクシミリアン・アルビレオ」
「そんなことは知っておる。わしの質問に答えるのじゃ」
八歳程度にしか見えない少女にぞんざいな態度を取られて、マリウスは当惑したように眉根を寄せる。
「えっとね、マリちゃん。この子はちっちゃく見えるけど、中身はモロウっていう大賢者様なんだって」
とエリナが簡潔に説明した。
「大賢者モロウ様!? これは大変な失礼を――」
「よい。質問に答えよ」
「は、はい。感謝の感情と同じように魔神マリアの『魔界に帰れた』という感情も伝わってきておりましたので、そうかと……。なにか違ったのでしょうか」
「どうやら間違いないようじゃの」
一同は今度はエリナに目を向ける。
「エリナに宿っているのは『魔界のジャニュアリー』。すなわち、人間界と魔界を繋ぐ門番たる界霊じゃ」
「じゃあ、やっぱりわたしは『魔王の娘』なんだ……。魔界の力を持ってるんだもんね……」
「エリナ!」
「エリナ!」
その左右からフランとカナーンがエリナの身体を同時に抱きしめた。
「たとえそうだとしても、エリナはエリナだからね?」
「そうよ。エリナにはなんの罪もない。だから――」
「わぁっ!? だ、大丈夫だよ、大丈夫。わたし別にそんな風には思ってないから!」
「……そうなの?」
二人はそっとエリナの身体から身を離す。
「りっくんのことを考えてたの」
エリナは言葉を慎重に選びながら話し出した。
「魔神将たちの目的がこの世界と魔界を繋ぐことなら、もうとっくにわたしは狙われてると思うの。でも、わたしを目的にした魔神はプロシオンくらい。それも、『魔王の娘』だからっていう理由だけで、力試しをしたかっただけに見えた」
プロシオンと直接対峙したフランとカナーン、そしてリエーヌが小さく頷く。
「だからね、魔神将たちはわたしの持つ力について細かいことはなにも知らないんじゃないかって思ったの。きっとそのことと、りっくんが魔王になったことに関係がある……」
「エリナ・ランドバルド。君の言わんとしてることは雰囲気程度にしか伝わっていない。途中を端折りすぎだ。なぜ、リクドウが魔王にならなければならなかったんだ?」
ラティシアが真剣な顔で言った。
多分に性急な言い方ではあったが、これでも彼女にしてはかなり気を遣った言い方だった。
「えーっと、えーっと……わたしの力のことだって、いずれ魔神将たちにバレるだろうから、その前に……なんかそうならないようにするために魔王になったとか……とか……」
「……充分に考えられるセンだと思います。おそらく魔神将たちの中で、エリナさあ後からの秘密に最も近づいていたのはガビーロール。ですが、ガビーロールは大将格のスールトたちとは離反していた」
エリナの側に立ってリエーヌが補足する。
「私もそう思います。もし、エリナの力によって魔界に帰ることができることがわかっていれば、フェルミリアとロウサーもそうしていたはずではないかと……」
フェルミリア立ちから直接話を聞いたカナーンもエリナの説に賛同した。
ラティシアが深いため息をつく。
「呆れた話だな」
そう言って一同の顔を見回した。
「相手は魔王を名乗り、人間たちに対して宣戦布告をしたんだぞ? それを善意から行ったことだというのか? 戦の準備をしろとも言っていた。その無駄な努力を踏みにじるのが至上の悦びだと。それも、全部演技か? エリナが魔神将たちに狙われないようにするためにやったと?」
「……全部が全部わたしのためかはわかんないけど、りっくんがそうするのが一番いいって考えた上で魔王になったんだと思う。あの宣言の内容もきっとそう」
エリナは揺るぎない瞳でラティシアに返す。
「本当に呆れた話だ」
ラティシアは前髪をかきあげて鼻息を鳴らした。
「私もエリナ・ランドバルドの意見に賛同する。確かにリクドウならあり得そうな話だ」
「ラティシアさん!」
「だが」
ラティシアの賛同にエリナは喜びの顔を見せたが、それは一瞬で制される。
「大陸中の人々はそうは思わない。もっとも、それがリクドウの思惑の一つなのだろうが……」
「……どういうこと?」
「どのようにしてリクドウが魔王を名乗るに至ったかは知らないが、すでにスールトたち魔神将が後ろに控えていたことは確かだ。それを世界中に知らしめる理由はなんだ? エリナを狙わせないようにするためだけなら、魔神将たちだけに知らせればいいだけのはずだろう?」
目をパチクリとさせるエリナ。
「ホントだ」
「そこにはリクドウの本当の目的があるはずだ。エリナにはすまないが、君を護るためだけにリクドウが大陸中を混乱に陥れる方法を採るとは思えないんだ。誤解のないように言っておくが、君の意見を否定しているわけじゃない。他に真意があるはずだと言っている。いずれにせよ、リクドウは――ルナルラーサとレイアーナもだが、『お人好しから魔王になった』とする部分に関しては私も間違いないと考える」
そしてラティシアは、黙ってそれらを聞いていたヴァイオラの少女に目を向けた。
「大賢者モロウ。あなたのご意見を伺いたい」
「そうじゃの。少なくとも大陸の各地で行われようとしていた戦争は、この宣言を以て中止せざるを得なくなったじゃろうな」
「確かに……」
ベッドから半身を起こして聞いていたマリウスが深く頷く。
マリウスの故国であるヒュペルミリアス皇国は、一部で戦争の気運が高まっており、その旗印として担ぎ出されようとしていたというのが、マリウスが出奔した理由の一つとなっていた。
「先生、急ぎ国に戻り、ヒュペルミリアスの軍をまとめましょう」
「殿下、落ち着きなさいませ。祖国を出奔した我々が戻ったところで、誰が従いましょうか」
「それだけの理由があればよいのです」
「それだけの理由?」
「僕は改めて先生――いえ、ラティア・ラティシアーナ・フォン・ホーエスシュロス様に結婚を申し込みたいと思います」
「殿下!?」
「元よりそれが解決策の一つであったはずです。先生のお気持ちも聞かせていただいたことですし、女同士であってもなんの問題もありません。残念ながら子供を産んでもらうことはできませんが、身寄りのない子供を引き取らせていただくというのもいいかもしれません」
マリウスの提案にラティシアは目を白黒とさせる。
「わ、わ、結婚式!? 結婚式!?」
「お、落ち着いてエリナ! たぶん結婚式はヒュペルミリアスに帰ってからになると思う」
降って湧いた結婚話にエリナはピョンピョン跳びはね、フランはそれを慌てた様子で宥めた。
だが、さらにカナーンが勇んだ様子で切り出す。
「お、おめでとうございます、ラティシアさん! おめでとうございます、マリちゃん!」
「ありがとうございます、カナちゃん。でも、まだ先生からちゃんとした返事をもらっていませんから」
と、カナーンは当のマリウスに宥められてしまう。
そして、一同の視線がラティシアに集中した。
「う……」
言いたいことは色々とあった。
言えないことも色々とあった。
だが、ラティシアも元とは言えヒュペルミリアスの凱旋将軍。
腹を括るべき時を間違えてはいられなかった。
「……謹んで……お受けいたします、殿下」
エリナは声には出さずに「やったあ!」と喜び、フランとカナーンは「よし!」とばかりにこぶしを握りしめる。リエーヌもうんうんと頷いていた。
「ありがとうございます、先生。ここにいるみなさんもありがとうございます。みなさんはこの婚約の見届け人です」
マリウスは満面の、そして今まで最も優しい笑みを浮かべて言った。
「足りぬな」
「え?」
その声に一同が大賢者モロウに目を向ける。
「勝手に出奔して、結婚するから帰ってきましたでは足りぬと申しておる」
「大賢者様、足りぬというのであれば、いったいなにを足せばよいと言うのですか?」
マリウスの疑問に大賢者は頷く。
「おまえたち、アウグストを諫めてもらうためにアウレリアに会いにいくところだったんじゃろ? アウレリアに仲人でも頼むとよかろ。はるばるヨーク・エルナからアウレリアを仲人に連れてきたとあっては、好戦派も厭戦派も尊重しないわけにはいかぬじゃろうよ」
「な、なるほど! ですが大賢者様、なぜ我々の目的がアウレリア様だと……」
「わしを誰じゃと思っておる。ヒュペルミリアスで起こっていることとおまえたちの動きがわかれば自ずと出てくる答えよ」
「お見それいたしました……」
マリウスとラティシアはモロウに深々と頭を下げた。
「皇子が体力を取り戻し次第、わしがヨーク・エルナへの転送門を開いてやろう」
「そんなことができるのですか!?」
「人を一人二人送る程度の転送門なら雑作もないわい。もっとも、行き先として陣を仕掛けてあるところだけじゃがの」
その話を聞いて、エリナはなんだか不思議な感じがした。
ヨーク・エルナはリクドウたちがガビーロールの手がかりを求めて向かった先である。
そのガビーロールは結局マナとアラヤによって葬られ、リクドウはリクドウで魔王を名乗って魔神将らと共に大陸全土に宣戦布告をしたところだ。
そこになにがあったのか、今のエリナにはなにもわからない。
ただ、リクドウにはそうするだけの理由があったのだろうと察することができるだけだ。
「ヨーク・エルナにはもうなにもないのかな」
そんな想いがエリナにその言葉を発せさせた。
「リクドウたちがヨーク・エルナに向かったのはガビーロールを求めてなのだろう? ガビーロールがこちらで葬られた以上、無関係とみるべきだろうな」
ラティシアが律儀にその呟きに答える。
「だよねぇ……」
「エリナ、なにか気になることがあるの?」
「ううん。ただ、りっくんたちはヨーク・エルナに向かったものだとずっと思ってたから、なんだかもやもやっとしちゃって」
フランの問いにエリナは力の抜けた様子で言った。
「それは私も一緒よ。ルナはヨーク・エルナに向かったものだと思ってた。なんだか宙ぶらりんになっちゃったわよね」
「カナちゃん……うん」
エリナはフランとカナーンの二人に身を預ける。
「あまり時間を取るわけにもいかないが、ヨーク・エルナで魔神が出現したという情報があったことは確かだ。ヨーク・エルナに赴いた際に、その情報の確認だけはしっかりとしておこう。エリナ、カナーン、それでよいか?」
「ラティシアさん、ありがとう」
「ありがとうございます」
カナーンと一緒にラティシアに頭を下げると、エリナは急に打って変わったように身を翻した。
「さ、お話はだいたいこんなところだよね? マリちゃんはまだ疲れてるはずだから、もうちょっとゆっくりさせてあげよ?」
「え? エリちゃん、僕はそれほど――」
「いいから、いいから! なにかあるといけないからラティシアさんはマリちゃんについていてあげてください」
そう言ってエリナは、マリウスとラティシア以外を部屋から追い出し、自らも部屋を出る。
「それじゃ、ごゆっくり」
そして、パタリと扉を閉めた。
「……よく考えたらプロポーズしたばっかの二人だったから」
「そ、そうだよね。二人きりにしてあげなきゃダメだよね」
「二人っきりになったらどういう会話するのか、すっごい興味あるんだよね」
フランの言葉を否定して扉に耳を押し当てるエリナ。
その頭が容赦なく叩かれる。
「あたっ」
「エリナ様、おやめくださいませ」
リエーヌだった。
「にぇへへ、ごめんごめん。さ、食堂にでも行こ」
そして、タタタッと駆け出す。
「……エリナったらまた、無理をして」
と、カナーン。
「今回はカナちゃんも同じ立場でしょ? 私に頼ってくれていいからね?」
「フラン、元々あなたのことは頼りにしてるわ」
「フフ、うん」
そんな少女たちをリエーヌと大賢者モロウが微かな笑みを浮かべながら、見守っていた。
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