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「ノウフー」で紡ぐ、さらなる感動創出

皆さま、こんにちは。
アカツキ福岡代表兼アカツキゲームスCX部 部長の近見ちかみです。

CX(カスタマーエクスペリエンス)では、顧客一人ひとりに向き合うことを重視した問い合わせ応対やSNS運用、ご意見やご要望を集め、製品やサービスの改善に活かす取り組みを行っています。ユーザーコミュニケーションから感動体験の創出を目指し、ゲーム製品や作品のファンづくりを使命とした職種です。

本記事では、過去の出来事をふりかえり、最近学んだことを書き留めておきます。



ノウハウの前に、ノウフー。誰が一番偉いのか?


とある時に遡り、顧客に感動体験を届ける『ノウハウ』をチームに貯めていくためにはどうしたらいいんだ!と悩み、いつもお世話になりまくりのKさんに相談をしたところから始まります。

ちかみ「現場でうまく行った事例を他チームに広げたり、ノウハウを蓄積するためには、どのような活動をしていくのが良いんでしょうか?」

Kさん「ノウハウの前に、『ノウフー』だよ」

ちかみ「(ノウ)フー!?!?!?」

真っ先に脳内をよぎったのは最高にかっこいいドラムを叩くロックバンドのザ・フー。こちらがオススメ。

そしてイギリスの国民的SFアドベンチャーである、タイムマシン、ターディスを操り、時空を旅する謎の男を描いたドクターフー。(非常におもしろい作品なのでオススメです。ちょうど60周年を記念して最新作が配信されています。)


……本題に戻ります。


ちかみ「ノウフー(Know Who)……誰が何を知っているのか.......個人に焦点を当てるのであれば、成果の出たメンバーに対して表彰や称号のような施策もやったりしながら、組織文化も作っていきたいです。」

Kさん「誉れだよね。誰が一番偉いのか?なんじゃない?

ここで、衝撃が走ります。誰が、一番、偉いのか。鋭さもある問いですが、一番大事にしたいものが、すぐにぱっと出てきました。

ちかみ「顧客に感動体験を届けた人が一番偉い、と思います。(最前線で顧客に向き合い、言葉一つひとつに魂込める現場メンバーを最も大事にしたい)」

結構本質的な問いなのかもしれない。
── 皆さんの組織では誰が一番偉いですか?
(念の為補足ですが上下関係の話ではなく、何を最も大事な価値とおいているか?の話と自分は解釈しています。)

Kさん「CXはそうだよね。以前いた会社では成し遂げたこと、そしてそれの何がすごいのかのナレッジをプレゼンにまとめ、予選と全国大会で発表していく施策が行われていたよ。実は失敗体験の共有も大事で、チャレンジしたことが褒められるし、勝ち上がっている人ほど、失敗体験を話していたよ。」
「発表の内容に対して数百人のメンバーからのフィードバックももらえたよ」

ちかみ「なるほど。発表した一人ひとりにも焦点があたり、ナレッジが全体に展開される素敵な取り組みですね!チーム全員で集まる会が定期的にあるので、まずはそこで企画してやってみます!!」


一人ひとりがナレッジを発表する「Greatプレゼン」


それから実際に「Greatプレゼン」と名を表し、個々の活動で生み出した感動体験の創出につながる事例や手法、その上で見えたルールや法則、失敗談や悩んだことを共有する活動を実施しました。

最近発表してくれたメンバーのプレゼン一部(※ガッツし現場の話が多いためモザイク多めですみません。イメージとして......)

Greatプレゼンを実践して見た結果、現場で培われたナレッジがCX職種全体にも共有されました。

発表者に多くのフィードバックが行われ、感動体験の創出に向けて、成果を上げて良いナレッジを共有した人がたたえられる場になったのではないかと思います。

共有が行われた結果、共通する課題感が見えて、チームを越境した小集団活動が生まれ、改善が動き始めたこともあります。

実際に発表したメンバーに集まったフィードバックの一部
企画を考える上で参考にしたもの
企画を考える上で参考にしたもの
  • 共同化Socializaiton:現場チームでの顧客への感動体験創出や製品体験の向上の取り組み

  • 表出化Externalization:Greatプレゼンと称して、現場で生まれた暗黙知を客観・論理的に手法手順を理解できるように、考えを伝える(言語化)

  • 連結化Combination:Greatプレゼンやそのほかの手法で貯められた形式知を、CX職種としてマニュアルやポイントを体系的にまとめていく

  • 内面化Internalization:それらを元に個々のメンバーが現場で実践し、新たな価値を生み出していく

組織は知識をそれ自体で創ることはできない。個人の暗黙知が、組織的知識創造の基盤なのだ。組織は個人レベルで創られ蓄積される暗黙知を動員しなければならない。その動員された暗黙知が、四つの知識変換モードを通じて「組織的に」増幅され、より高い存在レベルであるグループや組織で形にされるのだ。われわれはこれを「知識スパイラル」と呼ぶ。存在レベルが上昇するにつれて、暗黙知と形式知の相互作用がより大きなスケールで起こる。

『知識創造企業(新装版)』(野中郁次郎,竹内弘高、東洋経済新報社)


また一つの理論として、トランザクティブ・メモリー・システム(以下TMS)というものがあるそうです。

TMSとは「組織メンバーが『他のメンバーの誰が何を知っているのか』を知っていること」。英語で言えば、whatを知っていることではなく、who knows what。

組織が大きくなればなるほど知識の量は増え、全員がそのすべてを共有することは不可能なので、「〇〇なら、あの人が知っているよ」という状況を作り、知を引き出せるようにすること。(『ノウフー』とはいわゆるこれのことなのかなと個人的には理解しました)

またTMSを高めるための条件として「顔を突き合わせて(フェース・トゥ・フェース)の交流」や、「直接対話によるコミュニケーションの頻度が高いチーム」であることが大事だったそうです。

とはいえ、やってみたものの課題や分からないことは山積みで、

  • 共有されるナレッジの質をどう高めていくのか。(まずは共有が多く起こることを重視していたので、考えていきたい)

  • 共有されたナレッジを職種としてどう体系知として統合し、職種の力にしてくか。

等々、いろいろあります。

さらなる感動につながる知識を紡ぐ


Greatプレゼンをやってみて少し『ノウフー』とは何かに近づいた気がしました。

今回思ったこととしてどうやってやるかの知識も大事ですが、誰が何をしていて、そこにどのような意志があるのか。組織として文化を磨き、価値にしていくためにはこれが重要なのではないかと考えました。

成果を通じて見出したナレッジを個々人が物語ることで、マニュアルやルール以上の価値観や大事にしていけるのではないか。

なぜなら顧客サービスから感動を届ける、尊敬する偉大な企業には、顧客に感動を生むノウハウだけではなく、感動を生んだエピソードやそこへ関わる一人ひとりの人間の感情や物語があります。

それらが象徴的なものとして広がり、企業の価値や文化を形作っている要素になっていると感じています。そもそも連結化、体系知にするために必要な要素かもしれませんが.......(最近知った「シンボリックマネージャー」という本にも話はつながりますが、ここでは紹介のみで割愛)

最後になりますが、

場を作り対話を生み、誰が何を知っているかを明らかにしていきながら、意志のある物語を巡らせ、マニュアルなどの既存の枠組みを超えた、顧客への感動体験を多く生める組織になれるよう取り組んでいきます。


こういう風に考えるとうまく行ったよ。
こういう取り組みもあるよ。

ぜひ『ノウフー』させてください。


読んでくださりありがとうございました!

皆さま良いお年をお迎えください🎍
今年もお世話になりました🙇



(参考文献・画像作成にあたっての引用元等)
『知識創造の方法論―ナレッジワーカーの作法』(野中郁次郎,紺野登、東洋経済新報社)
『知識創造企業(新装版)』(野中郁次郎,竹内弘高、東洋経済新報社)
『世界標準の経営理論』(入山 章栄、ダイヤモンド社)

CXアドベントカレンダーは、アカツキゲームスCX部およびアカツキ福岡CX PJTの合同開催にて、 CX(カスタマー・エクスペリエンス)チームに所属するメンバー一人ひとりの取り組みとしてお届けしています。
この記事は、CXアドベントカレンダー9日目1人目の投稿です。
明日はついにクリスマス!明日の投稿者「うらちゃん」「しょーちゃん」「但木さん」の記事もお楽しみに!


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