盗賊たちの日々 参考資料

はじめに

これはTRPGのオリジナルシステム、「盗賊たちの日々」の参考資料です。
盗賊たちの会話という形で例を示しつつ、全体の進行に沿ってルールを解説していきます。

盗賊たちの日々配布ページ(Booth)

解説:「盗賊たちの日々」について

「盗賊たちの日々」は24時ぐらいからお酒を飲みながら遊ぶことを想定したTRPGである。キャラクター作成を含めて1~2時間で終わることを想定した、くs……バカゲーよりのミニシステムとなっている。
判定は六面体のサイコロを振り、6以上が出れば成功、協力するキャラクターは自分のサイコロを消費して、その出目に自分が振ったサイコロの出目を加えて協力するという、PLが物語を語ることも可能な、地味なナラティブさを持ったTRPGである。
(作者はPLが物語を語ることをナラティブと思っている)
このTRPGは遊んだあと、盗賊が壊滅したアジトが残るため、それを利用してダンジョン(冒険の舞台)を作ることが可能という、他のルール用のリソースを作成する要素を持ったTRPGである。

PCの作成

PCの作成について、盗賊1が解説する。

盗賊1
「俺たちの作成だ!」
「まずはサイコロを振って、出目は5。つまり、俺の強さは5だ!」
「逆に、賢さは7から出目を引くから2。俺の賢さは2だ!」
「まとめると、俺は強さ5で賢さ2だ!」
「あとは設定を決めるだけだが、ここはある程度自由に決めていいから今回は省略して完成だ!」

もう作成が終わったようである。
さすが賢さ2、迷いがない。

強さと賢さ

強さは仲間に対する強さ、賢さは外敵に対する強さです。
このキャラクターは強さが7なので、仲間にはそれなりに威張れますが、外敵に対してはまっすぐに突撃して倒されるような盗賊です。

アジトの作成

アジトの作成について盗賊2が解説する。

盗賊2
「次はアジトの作成ですね」
「まずはアジトの特徴を決めますが、今回はサイコロを振って決めましょう」
「出目は5、ということで仮屋ですね」
「山奥や森の中に自分たちで作った仮の家、ということなので、私たちはある程度計画していたことにしましょう」
「私の賢さが光りますね」

「盗賊1のことも考えて、森の中に屋根と簡易的な壁程度の寝床が2つと、相談をするための広場が中央にあることにしましょう」
「通路は背の高い草を切り倒して、作ったもので、どのそれぞれの寝床を結ぶように細い道が、広場からの道がそれぞれの寝床と、出口に続いていることにしておきましょう」
「これで、アジトは完成です」

ということで、この賢さが高い風を装う盗賊はすぐにアジトを作ってしまった。

サイクル1

サイクルの開始処理

サイクルの開始処理として、それぞれの盗賊にサイコロが三つ渡される。
盗賊たちはこのサイコロを使って判定と協力を行うことができる。

最初の仕事

最初の仕事については、盗賊1と盗賊2が語る。

盗賊1
「サイクルが始まると、ダイスを獲得する」
「これは今後も同じだ」
「そして、サイクル1ではアジトに向かうきっかけとなる仕事を決める」
「サイコロの出目は2、暗殺だ」

盗賊2
「そうですね、私の賢さの前では、簡単な仕事ですよ」
「どの程度上手くいったのかを決めるためにGMにダイスを渡されたので、判定しましたが、余裕でした」

判定はPLが判定をしたいと言った場合はダイスを消費しますが、GMがダイスを渡した場合は消費しません。今回はGMにダイスを渡されたということなので、消費せずに判定を行っています。

盗賊1
「いや、俺も手伝っただろ、協力のためにサイコロひとつ使ったぞ」
「お前の出目は4、俺の出目は5、合わせて9で成功だっただろ」

判定に協力する場合は、判定と同時にダイスを振り、その出目を判定の出目に加えることができます。
今回は盗賊2の出目が4に、盗賊1の出目が5で合わせて9なので、6以上で成功となります。

盗賊2
「細かいことは気にしないものさ」
「おかげで私たちを見つめる影を見つけることができたからね」

盗賊1
「そうだな、それで俺たちは隠れ住むことにしたんだ」
「あれは受けちゃいけない仕事だったってことでな」

盗賊2
「まあ、その推測と提案は私の賢さによるものだけどね」
「それに、森の中にいざというときのための拠点もあったから買い物も最低限で済んだ」
「ひとまず、しばらくは食料に困らないはずだ」
「なくなる頃には、猟にも慣れているし、すでにヤバいやつに目をつけられている」
「商人でも襲えば問題ないさ」

盗賊1
「まあ、あとは酒だな、俺は報酬で酒を買うことにしたが、それなりの量となると難しくてな、さすがにその量は厳しいということで、サイコロをひとつ使って判定をして買った。

盗賊2
「そのときは私も知恵(サイコロ)を貸すということで協力しましたよ」

盗賊1
「おかげで十分な酒を買えたぜ!」

盗賊2
「ちなみに、ここでそれぞれの部屋に買ってきたもので飾っています」
「私の部屋には本がおかれ、盗賊1の部屋と広間には酒が置かれていますね」
「あと、私は記録をつけるために簡単な机と日誌も買ってきています」

サイクル2

盗賊1
「サイクル2だな、サイクルの始めなので、サイコロが3つになるように補充して準備完了だ」

盗賊2
「ここは人数やペースに合わせて、最大で人数回のイベントが起こるというサイクルですね」
「サイコロの補充はサイクル開始時のみなので、人数が多い場合はサイコロの使いどころを考えなければなくなるかもしれませんね」

盗賊1
「今回は二人だがな!」

盗賊2
「それでは私から出来事決定表を振りましょう」
「出目は4、なるほど、私たちを襲撃しようという者たちがいるということですか」
「しかし、私は賢さ3! この程度なら備えをしていますよ」
「本来なら先手を打って壊滅させますが、私はあえて罠を仕掛けることにしましょう」
「罠の作成? それは盗賊1が落とし穴を掘るのです」
「大丈夫です、位置は私が指示します」

盗賊1
「まあ、そういうことになったんで、俺はダイスを1個使って穴を掘る、当然、掘らせた盗賊2も場所を指示するという形で協力だ」
「まあ、出目は3と4で7、普通に成功して襲撃してきたやつらは穴に落ちたよ」

盗賊2
「当然の結果ですね」

盗賊1
「俺はついでだから、この襲撃者たちの持ち物を漁るぜ!」

盗賊2
「私もそれに協力しましょう。落とし穴を掘るのにも協力してもらいましたし、何より物が少なくなってきています」

盗賊1
「出目は、2と3で5、つまり失敗だな」

盗賊2
「何も見つかりませんでしたね」

盗賊1
「次は俺だな」
「出来事決定表は……2」
「討伐隊が来たということだな」
「俺の強さを見せたいところだが、その前に盗賊2の賢さを見せて貰おう」
「前みたいに落とし穴でどうにかならねえか?」

盗賊2
「駄目ですね」
「落とし穴は完全に見切られています」
(賢さ4以上が必要だが、賢さが3である)

盗賊1
「なら、俺の強さを見せるしかないな!」
「最後に、どれだけ奮戦できたか判定したいがいいか?」

盗賊2
「協力はしませんよ?」

盗賊1
「それでも1/6で成功だ!」
「行くぜ!」
「出目2!」
(盗賊1は討伐隊の振り下ろした剣によってあっけなく死亡した)

盗賊2
「あいつは、いいやつでしたよ」
「ちなみに、サイクル2まではキャラクター作成が終わり次第ダイスを引き継いだ状態で次に盗賊が来ることになっているので、こうやって話している間に次の仲間がやってきます」
「ほら、見えてきました」

盗賊3
「俺は盗賊3、強さ6の最強の盗賊だ!」
「賢さ? 1だが気にするな!」
「次のサイクルに行こうぜ!」

サイクル3

盗賊3
「サイクル3、最後のサイクルだな!」
「まあ、まずはサイコロの補充だ」

盗賊2
「次は、壊滅決定表ですね……不吉な名前の表ですね」
「出目は4で……旅の剣士に壊滅させられる?」

盗賊3
「強さ6の俺が倒されるはずないだろ」

盗賊2
「では、試しに、そこの岩を切って見てください」

盗賊3
「おう、切れねえぞ!」

盗賊2
「旅の剣士は岩すらも一撃で切り裂くとありますね」

盗賊3
「素面じゃ相手できねえな」
「酒でも飲むか」

盗賊2
「私は、とりあえず隠れるための用意をしておきましょう」

盗賊3
「なら、あの辺りに隠れるといい、何があったかわかりやすいし、隠れるのにもちょうどいい」
(そう言って協力のダイスを出す)

盗賊2
「なるほど、それでは判定しましょう」
「出目は4と4で8」
「無事に隠れ場所を用意できましたね」
「ヤツが来ましたよ?」

盗賊3
「まあ、俺は挑戦してみるから、後ろで見てろ」
「酒瓶を地面に置くと斧で斬りかかるぜ!」
「ぐはぁっ」
「最後に、仲間の居場所を聞かれて抵抗するために判定をしたいがいいか?」

盗賊2
「それは私にとっても危機なので協力しましょう」

盗賊3
「判定は、6と4で10、成功だ」
「俺は旅の剣士に他の仲間について聞かれたが、他の仲間はすでにここを去ったと言って切り捨てられたぜ!」

盗賊2
「では、私は逃げるとしましょう」
「判定は、GMからのようですね」

盗賊3
「俺は時間稼ぎと嘘で協力ダイスを出すぜ」
「これが最後のダイスだ」

盗賊2
「出目は3と3、合計6でなんとか逃げ切りましたね」

エピローグ

旅の剣士はそのあとすぐに村に戻り、盗賊3の討伐を報告し、村を去って行った。
入れ違いになるように、村にはボロボロの男がやってきた。
彼は盗賊に捕まっていたと言い、村で助けられた。
そして、盗賊の宝についての話をした。
「盗賊たちの隠れていた場所には、結局使い切れなかった金貨が残されている」という話だ。
その話は、真実だった。
それを聞いた村の荒くれたちは森の奥へと向かった。
そして、盗賊たちが作ったアジトに住み着き、周囲を襲って食料を手に入れつつ、金貨を探しているという。

この荒くれたちを討伐する依頼が出されるのも、そう遠くない日のこととなるだろう。

ダンジョン

現在の住人はかつて村の荒くれだった者たち。
今では完全に山賊である。
道は草が伸び、形が変わったことと、人数が増えたことで新たに作られた寝床で大幅に変わっている。
金貨は村に住んでいるかつての盗賊2を連れて行けば場所がわかる。
盗賊2はたいした戦闘力を持たないので、完全に護衛対象である。
金貨はいくつかにわけて隠されており、すでに山賊が見つけたものも含めすべてを手に入れるには、盗賊2を連れてアジトを探し回らなければならない。


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