トルコ地震のニュースを見て何を思いましたか?
突然ですが、トルコ地震のニュースを見てどう思いましたか?
大変だ。大丈夫かな?心配だな。
色んな意見があると思います。
私としては、「子どもたちに世界の出来事を自分ごとに捉えさせるチャンスだ!」と思いました。
もちろん、地震が起こったことに対しては、悲しく、辛いです。
ですが、その事実に対して私が教育者としてできることは、ニュースを見た子どもたちが
「世界のどこかで起こった他人事」ではなく「自分に何ができるか」と考えられるような教育をすること。
今が絶好の機会だと思って授業に取り入れたので、実践報告をします。
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2011年3月11日に何が起こりましたか?
⇨東日本大震災!
そうです、東日本大震災が起こった時、世界中の多くの国から救援物資が届けられました。中でも、トルコからの支援は手厚いものでした。32名の救助隊に18.5トンの飲料水、さらに豆やツナなどの缶詰が約6万8800個、そして約5000枚の毛布が届けられたんです。
ではなぜ、トルコはこれだけの援助をしてくれたと思いますか?
⇨支援しないと冷たいと思われるからかな…?等
もちろん色んな理由はあると思います。
しかし、大きな理由として「恩返し」の想いがあったんです。
何に対する恩返しでしょうか?
⇨(この問いに対する子どもたちの答えは大喜利みたいになってました…私のクラスは明るくていいのだが時々ネタ合戦が始まってしまう…)
明治時代までさかのぼり、1890年のことです。
トルコから「エルトゥールル号」という木造の軍艦が日本にやってきました。当時ロシアからの侵略に対抗するためにも、トルコと日本で協力しようという話し合いをすることになったのです。
エルトゥールル号がトルコを出発して日本に到着するまで、どれくらいの時間がかかったでしょうか?
⇨正解は11か月!!!大変な航海でした。
その後の日露戦争では、ロシアが日本に出撃するのをトルコが阻止してくれた。そして日本の勝利をトルコ人は自分のことのように喜んでくれた。「トーゴー」「ノギ」という名前の道ができたりもした。この由来ってなんだと思う?
⇨東郷平八郎、乃木希典(日本の軍人)自分の子どもに日本の名前を付けるトルコ人までいた。
でも、トルコがここまでしてくれたのってなんでだろうか?
その理由に、エルトゥールル号の事故が深く関係しているんです。
話し合いを終えて横浜を出発した次の日、エルトゥールル号は和歌山で台風に遭遇しました。そして岩に乗り上げてしまい大爆発を起こしました。(海難1890を一部みんなで視聴)
言葉も通じない遭難者たちを見つけた日本人たちは「一人でも多くの遭難者を救出しなければならない!!」と村人総出での救出活動を始めた。
みんな、葛西臨海公園で外国人が遭難したとなったら、台風の中でも身体を張って助けに行こう!と思いますか?(黙って考えさせる)
なかなか簡単なことじゃないと思います。でも村人たちは何の躊躇もせずに助けに行ったんです。
村人たちは決して裕福ではないけれども、自分の服や食べ物を分け与え精一杯のもてなしをした。医者もボランティアで薬を渡した。
この事故で500名以上のトルコ人が死亡。生存者はわずか69名でした。
亡くなったトルコ人の遺族のためにと、日本中から寄付金が集まった。
日本人のこの「見返りを求めず、人を憐れむ気持ち」はとっても素敵だと思う。私は同じ日本人として誇りに思います。
それから約100年後、イラン・イラク戦争という戦争が起こりました。
「国籍に関係なく全ての航空機を撃墜するぞ」とイラクが発表しました。日本から助けが来ないまま、イラクにいた日本人たちは大混乱です。助けに行ったら撃墜されるかもしれない。そうなるとなかなか日本からの助けを送ることができない。
そんな中やっと、、、助けに来た飛行機がありました。
それは、トルコの飛行機だったのです。
トルコの飛行機には、イラクに残されたトルコ人と、そして日本人を乗せてイランを脱出したんです。
こうして日本とトルコは助け合ってきました。
2011年の東日本大震災の時にトルコがなぜ日本に援助をしてくれたのか。それはエルトゥールル号の遭難を助けてくれたことへの感謝の気持ちがあったからです。
さて皆さん、先日トルコで大地震があったニュースは見ましたか?
「募金をしなさい」というつもりはありません。
でも、自分はトルコに何ができるかな?と考えてほしいと思います。
恩返し・恩送りができる人間になってくださいね。
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以上が実践です。
世界のどこかで起こった地震。テレビの中の世界。という気持ちにさせるか、「自分にもなにかできないかな」という気持ちにさせるかどうか。
教員の気持ち次第ではないでしょうか。