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自分でケーキを焼き友人を招く、ベルリンの誕生日会へ(Lv.4)


友人が誕生日会を企画してくれたけど、思ってたのとちょっと違った

ベルリンに引っ越してきたのは1月末。だからたったの2ヶ月くらいしかまだ経ってなかったけど、気の利く友人が3月生まれの私のプチバースデーを勝手に企画してくれた。詳しい説明はなく、「ブランチやるから買い出し行くよ!」って。

そう言われるがままにCOSTCO的なスーパーへ連れて行かれ、大量のゼクト(スパークリングワイン)とオレンジジュースを購入させられ(え、本当にこんなに必要なの?)、マーケットに連れて行かれ、大量のナイスなチーズやら卵やらパンやらを購入させられ(え、私の誕生日会なんだよね?)、その週末の日曜の昼前にその友人の家に来るよう告げられた。

大量のスクランブルエッグをこしらえ、ダイニングテーブルに花を飾り、準備は万端。ほとんどまだ2、3回くらいしか会ったことない友人の友人たちだったけど、花束などの小さなギフトと自分が飲みたい分のビールを持ってぞろぞろとやってきてくれた。そして全員でダイニングテーブルに座り、「お誕生日おめでとう、呼んでくれてありがとう!」と乾杯してもらい、10人くらいでブランチを食べた。

なるほど、こちらのバースデーは自分で自分の好きな人を呼んで、好きなようにおもてなしするのね。みんなから、「美味しかったよ!ありがとう!!」と笑顔の感謝をもらえた。嬉しい。なんてホールサムなんだろう。本来ならイチから自分でやるところ、初回サービスで企画とサポートしてくれた友人に大感謝。

他人の誕生日会に初潜入

それから程なくして、初めての他人のバースデーに行く機会が訪れた。友人の友人(スペイン人)のバースデーで、彼のゴージャスなフラット(アパートメントの一室)でパーティーが行われるそう。伝えられた住所に向かうと、通りから既に「絶対にあそこじゃん」というバルコニーが見えた。小さなバルコニーででっかい男性が8人くらい、タバコを吸ってる。なにやらビートも聴こえるし。

私が私の友人に続いて「初めまして、お誕生日おめでとう」と挨拶すると、バースデーボーイの彼は思い切り私のことを抱きしめてめちゃくちゃ歓迎してくれた。「来てくれてありがとううぅぅ!楽しんで行ってね♡♡♡」

フラットに入ると、広〜い薄暗いリビングでみんな自由にソファに腰掛けて喋ったり、部屋の気持ち隅っこでいちゃいちゃしたり、ターンテーブルのまわりで体を揺らし音楽を楽しんだりしている。これまた広〜いキッチンにも人がたくさんいて、自由に冷蔵庫を開け、各々でグラスを探し、好きに飲みながらいろんな人とひたすら喋ってる。

しばらくして、バースデーボーイがみんなをキッチンに集めた。みんながハッピーバースデーを歌い始めた。キッチンテーブルの上には、手作りのケーキが置かれている。歌と手拍子と共に、踊りながらくるくる回りながら、笑顔全開でキッチンに再入場してくるバースデーボーイ。そしてバースデーケーキを見つけると大感激し、「みんな本当にありがとうううぅ!アイラブユー♡♡♡」と、大量の投げキスを撒き散らした。
そしたら近くにいた人が耳打ちで教えてくれた。「ニコ(バースデーボーイ)が焼いたんだよ、このケーキ」と。えっっ!(笑)え、あ、そーなんだ!可愛いよニコ、最高だ(笑)。みんなそんなニコを見て大爆笑してる。あったかい。ホールサムすぎる。

おもてなし精神高めのヨーロッパ流誕生日会

自分で自分の誕生日会を企画して、自分でゲストを呼ぶなんて、すごくハードルが高いなと、正直自分のバースデーブランチの時点ではそう感じた。でもあくまで「祝ってもらう」という受け身のかたちというよりは、「いつもありがとう」の感謝を示すかたちなんだな、とニコのバースデーに行って心底わかった。
自分の好きな人たちが自分が計画したことで楽しい時間を過ごしてくれて、さらには自分の好きな人たち同士が好きに勝手につながっていって、そんでもってより色鮮やかな人生を展開していってくれたら、それほど素晴らしいことなんてそうないんじゃないだろうか。ホールサムだ。
ちなみにこれはベルリンだけに限ったことではなく、ヨーロッパではこのスタイルが主流とのこと。

23歳だったかな、くらいから数年連続で、たまたま揃って2月末〜3月生まれだった親友同士で「3人娘のお誕生日会」なるものを主催していた期間があった。DJバーを貸し切り、誘い文句は「私たちが私たちの好きな人全員と思い切り飲みたいだけなので、全力でおもてなしします♡」とかなんとかだったはず。「おもてなし」は大量に仕込んだハリボーのウォッカ漬けとかだったけど。若さ故の勢いに任せていた部分も大きかったけど、まぁメンタリティ的には近かったのか。

真のローカル、ドイツ人の誕生日会はまたちょっと違った

ちなみに、私の友人はほぼみんな他の国からドイツに移住してきたインターナショナル勢。イギリス、アメリカ、フランス、スペイン、イタリア、韓国など実にさまざま。意識しない限り、ここベルリンで英語生活を送っていると交友関係はそうなりがちだ。

なんだけどこの間、初めて普段ドイツ語で生活してるドイツ人のバースデーパーティーに行く機会があった。アジア人は私一人。私以外は全員ドイツ語話者(要するにほぼ全員ドイツ人)だ。もちろん英語も喋れるけど、普段仲良くしてる友人たちほど流暢じゃない人が大半。それに、バースデーボーイのお父さんや親戚なんかもいて。イッツアホールニューワールド。
結末から言うと、彼らの馴染みのクナイぺ(ビールパブ)でドイツ語に囲まれること13時間、ひたすらビールを飲み続けた。つまみはナッツすらない。ビールアフタービールだ。
この話はまた今度にしようかな(笑)。

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