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十時間以上眠っていた。夢の中で、文章を書いていた。とある一文を書き加えたら、前後がみるみるつながり始めて、全体が有機的に作用する素晴らしいものになった。すごい、と思った。起きたら、どんな文章だったのか思い出せなくなっていた。

喫水線がちょうどよい高さになると、自動的にエンジンがかかって航行し始める船みたいだ。いろんな体験や、感じたことや、誰かからもらった言葉とかが、自分の中にほどよいウエイトで収まったときに、わたしはことばを綴る。

田植えが終わって、用水路からは絶え間なく水の流れる音がする。水田に雨が降る。水と水が触れあう、やさしい音が辺りを包む。







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