見出し画像

0611

昨日の夕空。美しさに、ほぅっと吐息がこぼれた。西日を受ける窓は、近寄るだけで熱いから、もう何日も夕焼けを見ていなかったのだった。身体が楽になると、ちゃんと空や景色を見られるようになるのでうれしい。今朝の空もきれいだった。とても澄んでいる、それでいて深い色。雲が真っ白で、いきいきとしていた。

昨日の夜から、カエルの鳴き声が一気に増えた。今日、梅雨入りしたらしい。生きものたちの営みは、ただ自然とともにあるのだなあと思った。近所の小麦は刈り入れが始まったばかりだけれど、少し車を走らせたら、田んぼに水が張られているところもあった。その水面に映る空を見て、自分がどれほどその光景を待っていたのかを知った。こころのお部屋がぱあっと大きく広がってゆくような、風通しがよくなって光も一緒に吹き渡ってゆくような、ひたすらにひらけてゆくかんじ。この季節にこころから、おかえりなさい、と思う。


書いていなかった少しばかりの間に、いろいろのことを考えていたけれど、わたしはやっぱり書いていたいと思った。ただわたしのために。それは、山奥で人知れず、地中深くから湧き出る清水のように、純粋で自然な思いなのだった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?