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0904 瑠璃のきらめき

今朝、ベランダのツユクサが二輪咲いていた。二つも咲いてくれてうれしいな、と、かがんでのぞき込んだら、花びらが光っていた。細かいラメをちりばめたように、つやつやきらきらと輝いている。見間違いかと思って、そっと手で茎を動かし、ためつすがめつしてみた。やっぱり光っていた。ラメは紫色や藍鼠色に、光の加減で赤紫や銀色っぽくも見えた。瑠璃色だと思った。石の、宝石の瑠璃の放つ色。なんで光ってるの!と、うれしいのと驚いているのと感動しているのとで、裏返った声が出た。あなたに見せたくて、と聞こえた気がした。

一昨日に見た白いツユクサが思い浮かんだ。前にも書いたことだけれど、植物同士はみんなつながっている。道端で見たツユクサに心をかけると、ベランダのツユクサにもそれは伝わるのだ。真っ白なツユクサを見て、みずみずしい気持ちを思い出した、背筋がしゃんと伸びる気がした、そういうわたしの心の動きは、ツユクサたちにきっと感じられているのだろうと思う。白いツユクサに感謝した、それが瑠璃のきらめきになって返ってきたのだと思った。

小指の先にも満たない小さな花びらの中に、無限に広がる夜空とか宇宙とかを見る思いがした。極小の星たちが瞬いている。私とツユクサだけが知る、密やかな銀河だった。


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