病気の一枚　9

とりあえず・・・絶食！

２０１９年夏、右胸のしこりに激痛がはしり、検査の結果、乳がん、悪性腫瘍と診断されて、１１月に右胸全摘とガンが転移していた右脇下のリンパ節切除手術を受けた。そして１２月から抗がん剤治療が始まり、５月にやっと抗がん剤治療が終わった。

そして、この日がやってきた。抗がん剤治療が終わったので、その後の検査である。採血、エコー、レントゲン、ＣＴ（造影剤込）、この４つの検査を受ける。そのための絶食である。検査は午後から。どうかお腹がすきすぎて、行き倒れませんように・・・。

病院に行く途中で行き倒れるわけにいかないので、少し早めに病院へ向かった。病院は予約制になっているので、患者さんが少ない。いつものように入り口で体温を測り、受付を済ませて検査へ。採血は回数を重ねてきたので、だいぶ慣れてきたが、針はやっぱり嫌だ。エコー、レントゲンは何の問題もなく終了。そして、ＣＴだが・・・。

痛い！いや、大丈夫です！あ、でも痛い！

今回は造影剤込みのＣＴなので、造影剤を入れるための管を手首に刺されるのだが、これは何度やっても慣れない。苦手ですよ～、などと話しながら、若い看護師さんが手首の横の静脈をめがけて刺したのだが、めっちゃ痛くていったん抜いた。抜く時もめっちゃ痛い！

ちょうどそこへ、ベテラン看護師さんが通りかかった。あ、さっき採血してくれた看護師さんだ。「あら、さっき私が採血した方ですよね？」そうですそうです！結局、この看護師さんが私に針を刺してくれたのだが、手の甲に刺されて、痛みはそこまでなかったが、うっかり刺したところを見てしまったので、そこからテンションが一気に下がった。

テンションが下がったまま、うなだれて待合室で待っていると、検査に呼ばれた。そこから先は大騒ぎした記憶しか残ってない。ＣＴの台に乗ってる姿は死んだ魚のようで、途中で造影剤を注入しに来た看護師さんが私のあまりの生気のなさに必死に励ましてくれたが、管が入ってるのが嫌だから、とにかく早くやってください！とこっちも必死に訴えたのであった・・・。

・・・大変お騒がせいたしました。

そんなこんなで、なんとか検査を終えて、テンションが下がったまま帰宅。なんて厄介な私の血管・・・。でも、こればっかりはどうしようもないなあ・・・。

数日後、検査結果が出た。いちおう、どの検査も異常なし。なので、抗がん剤投与のために身体に埋めていたポートを抜くことになった。部分麻酔で・・・え？部分麻酔？ああ～、またテンションが下がるワードが・・・。でも先生は笑顔で「大丈夫！私としゃべってる間に終わるわよ～」と。え～・・・。

でもまあ、何はともあれ、検査の異常はなく、生活面も右腕のリンパ浮腫を気をつければ何をしても大丈夫！と、先生から太鼓判を押されたので、いろんなものを解禁することにした。新鮮な生の野菜サラダとかお刺身とかコーヒーとか・・・。でも、その前に。

撮った！

運動不足を解消しなければいけない。治療に専念するあまり、身体をとっても大事にしてきたので、見事に体重が増えたのだ。なんてこったい。動かなければ・・・仕事復帰のための体力作りのためにも、動かなければ。

そう思い立って、まずはスマホに歩数計アプリを入れて、一日３０００歩ぐらいから、ぼちぼち動くことにした。ただ、この梅雨時期なので、なかなか外でのウォーキングはできないので、家の中をひたすらうろうろして歩数を稼いでいた。

そして、梅雨の晴れ間を見つけては、神社へ行くようにした。特別に何かを信仰しているわけではないが、今年の正月に初詣ができなかったので、半年遅れの初詣である。当然、歩数稼ぎが一番の目的ではあるが・・・。そして、毎年買っている土鈴がどうしても欲しくて、４つ目の神社でやっとゲット！

やっと私にも２０２０年がやってきた！

追伸：病気の一枚は連載モノです。よかったら８もご覧ください。