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女の子から女性になる

25歳で結婚した。側から見たら婚期という波に乗れた人。だけど実際はキャリアも金もない、左手に結婚指輪だけついた25歳。

結婚するために仕事を辞めた。仕事といっても殆ど派遣みたいなものだから、キャリアなんてゼロに近いものだった。

仕事は続けたかった。資格職だから言ってしまえば全国どこでも同じ形の就職口はある。仕事に就ければ安定した収入がある。女の子だった学生時代までの自分は生きることにこんなにもお金がかかるなんて全然想像もしていなかった。社会に出て、女の子から女性になって社会の厳しさや私にとってのキャリアの大切さを知った。

母親はキャリアウーマンで、女性の社会進出をスローガンとする時代にバリバリと働き、ガツガツと批判や差別された人だ。そんな母親の姿を見て育った私にとって、この女性が福利厚生や権利をしっかりと受け取れる時代(といってもまだまだ未熟な部分はたくさんあるなとは思うが…)に生きているのに、それを貰わずに生きていくことはすごくもったいないことのように思えるのだった。

もちろん、専業主婦(夫)やパートを馬鹿にしているわけではない。逆を言えば、私は節約したり管理したりすることがとても苦手なのだ。ただがむしゃらに働いてお金を稼いで安定を取る方が向いているということ。私の憧れだった「結婚」と、私の理想だった「幸せ」の間には少し溝があったみたい。

バリバリ働きたい。私もお金を稼ぎたい。好きな服を買いたいし、子どもが生まれるまでは好きに友だちと旅行にも行きたい。ただでさえ子どもを産むとなったら休職しなくてはいけないのに、今なにも思いとどまる節がないのに、止まってお金だけ使っている感覚が私は耐えられないのである。
働かなくていいって楽だし、ただでさえ環境の変化に弱い私にとっては好条件なのに。働いている時はあんなに辞めたいと思っていたのに。今は正社員とか安定した収入とかって響きが凄く眩しい。喉から手が出るほど欲しい。

自己肯定感が乏しい私にとって、自分が何かした対価としてお金が貰えるってことは、自分の存在意義みたいなもので。ただの嫁とか妻って枠には収まって、自分の価値として捉えられないのが自分の弱いところ。

働くのはとっても怖いし緊張するけど、今は早く働きたい。早く決定の連絡が来て欲しい。10月末までには決める。頑張ろう。努力しよう。

自分を(ほぼ他力本願のくせに)奮い立たせてみたところで締める。早く女も男も分け隔てない社会に、当時の女の子が憧れた結婚が女性になって今の本当の幸せと思えるような時代になりますように。早く働かせてくれ。その時代を作る一員に私を入れてくれや、社会よ。

2020.9.30.wed.

ps.誤解のないように書くけれど、結婚して彼と一緒に生きれることはとても幸せです。

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