【詩】はなむけ

こそあど


あなたが生まれた時代の歌を聴かせてごらん
どんなに明るかったか
どんなに苦しかったか
どんなに哀しかったか
どんなに楽しかったか
こんなに色んな感情が歌われているのに
それよりもあなたが生まれてきたことのほうが
こんなにも嬉しいのは
あなたのことが好きだからなんだよ


はなむけ


予定よりも早く目が覚めた朝とも言えぬ朝を
私は言祝ぎの気分で生きている
一年という区切りの死を迎えようとしているのに
人びとは知らんぷり
私はひとり立ち止まって
きっと君の死を祝うよ
さようなら
そしてありがとう
また会えることはないけれど


ぷれいりすと


あなたのために花束を編みました
ぷれいりすとを編みました
春の息吹も
夏の土産も
秋の収穫も
冬の寂寞も
全てここに収めました
きっとあなたの胸に抱いてもらいたくて
このぷれいりすとを
あなたに捧げます

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