息子は母親をよく見がち

以前、息子は母親の認知症を見抜けないと書いたことがありますが、実は病気どころか、本人の性格さえも見抜けないことがほとんどです。
今回は実際にあるケースをもとに説明していきます。

母親:90代。大きな病気はないが、加齢と肥満で一人では歩けない。認知症はないが、頑固で自分の意志は絶対に曲げない。自宅では特定のヘルパーしか家に上げようとせず、そのヘルパーのサービス以外はすべて拒否。
息子:60代。母親とは喧嘩になることもあるが、手をあげることはない。仕事もあるため、自宅では介護は難しいと考えている。お金を払ってもいいので施設に入ってもらいたい。

この母親が自宅で転倒し、動けなくなってしまったため救急搬送されたことから今回のケースが始まります。幸い、打ち身で骨折等もなかったため、病院からはすぐに退院の話が出たのですが、息子は家では介護できないので施設に入れてほしいといい始めました。
ところが、この母親、以前複数の有料老人ホームに入ったことがあるものの、家に帰りたいといってそのどちらも3日で帰ってきてしまったこともあり、どこの施設も受け入れを拒否。
息子は医師から本人に強くいってもらえば、「自宅に戻ってもデイサービスやショートステイに行くはず」といって医師に本人を説得するよう頼みました。この時、私はもちろん、病院の相談員、地域包括支援センターの相談員までそれは不可能と考え、息子を説得したものの、息子はそれを聞かず、結局自宅に帰ることに。
が、自宅に戻ってきたら本人は「私はどこにも行かない」とすぐにサービスを拒否。
で、私に連絡があり、「ケアマネなんとかしてくれ」と…

何とかならないから、あんなに止めたのに。
自分も息子なので母親に対してひいき目があるのは理解できなくはないのですが、自分の生活がままならないとわかっているのに母親のわがままを受け入れるのは間違いとしか言えません。で、周りが止めたのに間違えた上すぐに他人に助けを求めるのはおかしいです。

介護は奇麗ごとではできません。みんながみんな満足することもほぼありません。
まずは自分自身の優先順位を決めて、その上で何ができて、何ができないか考えてから決定してください。
そして、助けを求めるならアドバイスも聞いてください。でないとこちらも助けようがありませんから。

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