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「共感という聴き方」の建設的合意への活用

こんにちは、山田晃義です。今回も前回に引き続き、書籍「リフレクション」から得た学びである「共感という聴き方」について投稿させていただきます。

対話においては傾聴が大切だとよく言われますが、実際どのようなことを意識すればよいのかわからないという方におすすめの考え方となっています。

また、最後には「共感という聴き方」を私たちの概念である「建設的合意」にどのように活用できるのか、私なりの考えもお伝えさせていただきます。


共感という聴き方

まずは書籍の中で語られている共感の定義についてです。

共感は、相手の意見に賛成することでも、自分の意見を手放すことでもありません。 
〜(省略)〜 
相手の考えや感情にも、それなりの理由があるという認識に立つこと、これが共感です。

書籍より引用

著書の中で筆者は、共感を「相手の意見に賛成すること」と誤解している人が少なくないと指摘しています。異なる意見に遭遇した際に、ただなんとなくもやもやしたまま相手の意見に賛成するのではなく、「なぜそう思うのか?」、「どんな経験があるのか?」など認知の4点セットを用いて相手の考えや感情を生み出している背景を認識する、これこそが共感であると述べられています。

相手が自分の意見に反していると捉えてしまうとお互いに反発が生まれ、反対意見から学びを得ることができません。しかし逆に、共感という聴き方で相手の背景や大切にしている価値観を理解できれば、こちら側も説明の仕方を変えるという建設的な対応をとることができます。

そしてこの行為は一方通行ではなく双方向に行われるのが理想であると筆者は強調しています。特にチームで仕事をする時には、意見の違いや対立が生まれて当然ですが、お互いの意見の背景にある個々の考え方や価値観を理解し合うことで、多様性イノベーションが生まれると述べられています。

対立を恐れない

対話の場で自分とは異なる意見に遭遇した際、「自分の意見に反対している訳ではなく、その人は背景にある大切な価値観を守っているのだ」と考えることが重要であると著者は述べています。つまり、対立を恐れず共感を伴う傾聴を行うことで、相手の価値観を理解し互いに尊重できるということです。

書籍の中で、著者はオランダの教育事例をあげています。オランダの小学生は学校で、

  1. 友達と意見が違ってもよいこと

  2. 人の意見に対して、「賛成」「反対」「わからない」のいずれかの意思表明の責任があること

  3. 意見を述べる際には理由と事例を添える必要があること

  4. 対話を通して、自分の考えを変えてよいこと

を学ぶそうです。

これは個人的にとても大切なことだと感じました。まだまだ、人と違うことや反対することを良しとしない教育や風潮が強い日本では、たとえ大人であっても、いざ異なる意見に出会った際に、適切に対処する術を知らない人が多いのではないかと感じます。遠い国の子供たちから学べるものはたくさんあるのではないでしょうか。

建設的合意における共感の活用


最後に私たちの研究・実践している「建設的合意」にどのように「共感」を活用できるかを考えてみました。

私たちの考えている建設的対話プロセスにおける
2.ヒアリング
4.すり合わせ
のフェーズで活用できると考えます。

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上記二つのフェーズでは、相手の意見を聴くという行為が発生しますが、異なる意見に遭遇した際に、反対されていると嫌悪感を抱いたり、妥協して賛成するのではなく、相手の考えや価値観を生み出している背景を認識する「共感という聴き方」を意識することで、相手に対する態度や対応を工夫することができ、より円滑に対話を進めることができます。

終わりに


今回は書籍「リフレクション」からの学びである「共感という聴き方」について紹介させていただきました。私自身、書籍を読んだり記事を書いたりする中で自身の日々の生活に活かせる気づきがたくさんありました。この記事から何か一つでも感じていただき実践いただけるととても嬉しく思います。

Twitterの方では、日々「建設的合意」について発信していますので、興味がある方はぜひフォローをお願いいたします!最後まで読んでいただきありがとうございました。



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