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Steamサマーセール2023がせめてきたぞっ

 サマーセールの折、皆様はいかがお過ごしでしょうか。今年はsteamのセール予定日時が公開されているので、心待ちにしていた人も多かったのではないかと思います。
 かくいうおれも例年サマーセールのたびにポチポチとおすすめのゲームを紹介していたりして、ちょっとした定例行事のように思っているフシがあります。今年もやっていきましょう。

 あ、ちなみにセールは太平洋時間で13日(木)10時……日本時間に直すと14日(金)の午前3時までなので忘れないように!


 ↑これまでのおれのゲーム記事はこちらから読めます




SUPER GLITTER RUSH

 ポップでKAWAIIボスラッシュ型シューティングゲーム。
 シューティングといっても全然難しいなんてことはなくて、アイテムを集めて弾を巻き込みながら敵にショットするだけ!
 いわゆる他のシューティングにおける「ボム」がこちらの唯一の攻撃手段になっていて、敵の弾をくっつけてまとめてお返しすることができるんですね。なのでいちいちシビアに避ける必要がなく、手軽に遊べる作品になっています。

 このゲームには「ボス」しかおらず、すべてのボスがひとつひとつ凝ったデザインとテーマのもとに設計されている、とてもリッチなゲームです。プレイしていると選べる自機のほうも増えていき、それぞれ全く違う性能を発揮するので奥が深い。

 簡単に遊べる……とは言えども底が浅いわけではないのがミソですね。
 一部のキャラクターはショットを頻繁に撃つことができたりするんですが、撃ちまくっていると当然敵の弾をうまく巻き込めていないのであんまり威力が出ないしチェイン数が稼げない。威力が出ないとボスを倒すのに時間がかかる。するとクリアしたときの評価が下がる。
 どのタイミングでショットするのか?どのキャラでボスに挑んだら相性がいいだろうか……。少し考えてプレイできるところに歯ごたえを感じますね。

 そんなに重たいボリュームではないながらも、結構なボス数が居て作り手の気合を感じます。BGMもすごく良い。個人的にはDown Wellのカラーパレットをリスペクトしているところが好きだったり。
 Steamでリリースされている他、スマホアプリでも遊べます。



Rollerdrome

 ローラースケートで滑りながら人を撃ち殺す競技が大人気という、倫理観が終わりに終わった世界で新進気鋭の選手・カーラとなり戦い抜いていくアクションTPS。

 このゲームは本当にやばい。まず楽曲面、Vapour waveが信じられないほどDopeで最高なんですがこれの活かし方がめっちゃめちゃ良い。このゲーム始めて最初のステージでドラムに心を撃ち抜かれた……。PVからもその一端を感じられると思います。

 全体的なシステムとしては面クリア型のゲームで、1ステージずつ敵の弾をかいくぐりトリックをキメてチャカをブッ放し次のステージへ……という流れ。
 各ステージいくつかのチャレンジ項目があり、規定数これを達成すると次のステージが開放されていきます(のちのアップデートでアクションゲームが苦手な人向けに無条件で開放できるオプションも追加されました)。

 見た目こそ「なんかツナギ(ジャンプスーツ)にヘルメットで芋っぽい格好の主人公だな…」なんて思うかもしれないけれど、いざ触ってみるとスタイリッシュで中毒性がものすごい。瞬間的にドッジで敵の攻撃を避けつつ、最適な武器で敵を撃ち殺し、華麗なグライドやトリックで弾を補充する。その操作のひとつひとつが圧倒的に快感。
 ローラードロームというこの危険な競技では、トリックで評価点を稼ぐことによって審判からプレイヤーの持つ銃器に遠隔で弾が転送されてくるという謎なルールがあるんですね。そのためただ撃ってるだけではダメで、リロードのためにテクニカルな動きを要求されるんですが……これがまたクセになる。壁を走ったりランプで跳んだりすることに銃撃戦との絡みが生まれ、それをやる意味が生じてくる。ローラースケートであることがちゃんとTPSと紐づいてるんですね。
 スケートの滑り心地もジェットセットラジオを思い出すかのような快適さで、そもそも開発チームが過去「OlliOlli」といったスケボーゲームをリリースしているためそのあたりの"滑走感"みたいなものがよくわかってるんだな、と感じます。

 このアドレナリンが出て興奮するゲーム体験をどう言葉にすればいいか難しい。それほどに熱中できるゲームですね。この夏はクーラーの効いた部屋で殺人競技にのめり込んでみてはいかがでしょうか?
 Amazonでサントラも配信されているので是非どうぞ。



Zelle

 強烈なオーラを放つゴシックホラーゲーム。いや、ホラーとも言い切れないかもしれない。そんなゲーム。
 妙な仮面の男に見知らぬ部屋へと連れてこられた子供、「エメラダ」は家に帰ろうと試みるが、そこは恐ろしい悪魔でいっぱいの城だった…。

 平成をインターネットとともに過ごした人々はどことなく、ゆめにっきやIbあたりの「あのころの尖りに尖りまくったゲーム」の懐かしさも感じるかもしれない。実際、プレイしてみてその感覚に近いですね。あの尖りまくってる感じがある……。

 クリアして振り返ってみると、このゲームは確かに恐ろしげでジャンプスケア的な演出もあるゲームながらあまり嫌味な感じはしなかった…。なんというかプレイヤーに驚いてもらったり新鮮な気持ちでプレイしてほしいからそうしているだけで、ただひたすら怖がらせてやろうという悪意はあんまり感じなかった。程度で言うと「世にも奇妙な物語」「学校の怪談」が大丈夫ならイケるんじゃない?くらいの怖さかなと思いました。
 セーブが非常にこまめに行われ、やられてもすぐに再開できるあたりも「作品を読み進めてほしい」という親切さを感じますね。

 本筋の話も面白いんですけど、出てくるキャラクターたちもなかなかに強烈。彼らもどこかヌケてたりユーモラスなところがあるので、恐ろしい悪魔との戦いにスッと挟まってくる清涼剤の役割を果たしている。そういうところがこのゲームをただのホラーではない、不思議なテイストに仕立てているように思いますね。

 あとはもう、ゲーム中のカットシーンや構図なんかも非常にすばらしい。オープニングからして月をバックにしたこのカッコよさだもんな…。おれも得体のしれないおっさんに「一夜の物語を見せてくれ」って言われてえよ。

 Steamで販売されているほか、アプリでも公開されている作品です。一見とっつきづらい怖いゲームに思われるかもしれませんが、最後には爽快な気持ちで終われる素敵なゲームでした。作者さんの次回作として予告されている「Dream Channel Zero」にも期待。


DRAINUS

 メインビジュアル右側のおっさんのインパクトが凄いことで長らく自分の中で話題になっていたゲーム。
 右側の顔が濃い人がやたら気になりますが、別に奇ゲーとかではなくプレイするとちゃんと面白い横スクロールシューティングなので安心してください。

 カエル型ヒューマノイドのゲーニーに導かれた少女イリーナは、侵略国家・カーラル帝国から奪った最新戦闘機「ドレイナス」を駆りいずれ来る最悪の未来に反逆する…という筋書き。
 ちなみに例の顔が濃い人はイズモ司令というカーラルの軍人で悪役です。ひと目で立ち位置がわかるデザインが素敵ですね。

 このゲームはなんといっても難易度が丁寧に調整されていることが白眉。シューティングが苦手な人を置いてけぼりにしないことを念頭に開発されているそうで、確かにあんまりこのジャンルが得意でない自分でもサクサク進めることが出来て楽しいです。
 自機に「リフレクター」という装備があり、往年の名作「ギガウィング」「斑鳩」のようにほとんどの敵の弾を吸収して反撃できるようになっているので、これの使い所さえ間違えなければそこまで回避テクニックを要求されない…という斬新な仕組みになっているんですね。R-TYPEやダライアスへのリスペクトを感じるシステムや地形も多く、過去の名作の良かったところをうまく取り入れていて面白い。なんかアインハンダーに出てきそうな奴もいました。

 さらに特徴的なのは自機の強化システム。好きなようにカスタマイズできるので、「ここであのアイテムを取ってショットをワイド型にしなきゃ…」というような煩雑さがない。パワーアップの段階によってどのショットになるか先に自分で決めておけるので、ステージ初めの立ち上がりや自機が墜ちたあとの立て直しはこのショットにしたい…といった組み立てができて快適。

 徹底的に遊びやすさを研究して作っている作品ですが、もちろん高難易度も用意されているのでハードコアなシューターにもおすすめのタイトルです。
 シューティングをやったことがない人、苦手すぎて昔投げちゃった人に優しく、シューティング好きな人にも良いタイトルですね。


THE MESSENGER

 人類は暴虐の限りを尽くす魔物の軍勢に追い詰められ、隠れ里でひっそりと生き延びていた。里の忍びたちは「魔物の軍勢が襲い来るとき、西より英雄が舞い降りる」という言い伝えを信じ、せめて魔物に一矢報いようと日々鍛錬を重ねている。
 そんなある日、ひとりの若者が代わり映えのない毎日にウンザリして修行をサボっていたが……。


 忍者龍剣伝にリスペクトを捧げた素晴らしい出来栄えの2Dアクション。
 レトロゲームへの愛を感じるデザインながらもシステムは徹底的に現代風に打ち直されており、シビアさとユーザーフレンドリーを見事に調和させた傑作と表現しても過言ではないですね。

 ゲームの序盤からすでにアクションの面白さがギュッと濃縮されていて、主人公が最初から使える"雲踏の術"は「空中で敵やオブジェクトを攻撃すると空中ジャンプが一回できるようになる」というものなんですが、これだけでも攻撃→ジャンプ→攻撃→ジャンプと使いこなせばその場に無限浮遊が可能であったりと奥深い。さらに後々追加される忍具でアクションが増えていきますが、これを起点にして他の動きに組み合わせていくことでより多彩な動きができるように…!
 ステージそのものの難易度はやや高めでストイックながら、だんだんプレイヤーを強化してより快適に操作できるようになったり、ミスしてもペナルティはあまり重く課されないなどの配慮が行き届いているあたり気が利いてますね。ボスの行動パターンはかなり固定されているので、落ち着いてひとつひとつ覚えてパターン化していけば着実に前に進める設計になっています。

 そんな優れた難易度デザインもさることながら、個人的にこのゲームで気に入っているのはキャラクター同士の会話。わけあって巻物を運ぶ任務を負った使者くんと、何かと彼を手助けするショップの店主の会話が軽妙でなんとも面白い。


こいつらこんなことばっか言ってる

 ついついステージ攻略にアツくなってしまいがちな合間にスッとぼけた二人の掛け合いがいい冷却材になり、次のステージではどんなアホな漫才を見せてくれるのだろうか…というモチベーションにも繋がります。


 ゲーム内の演出もとても面白かった……。詳しくは語りませんが、ゲーム展開も思わず息を呑むシーンがあって感嘆しました。
 8bit調のBGMも非常に出来がよく、終盤になるとこのBGMも……いや、それはプレイしてのお楽しみということで。




ふりかけ☆スペイシー


ヤベェゲームだこれ!!!!!!!!!!!!!


 ただ読み進めていくだけのヴィジュアルノベルなのにセリフを1ページ送るたびに権利者に怒られるんじゃないかというスリルを感じる作品。作者による非常にネジ曲がった解釈の昭和、ネオ昭和を舞台に会話のバーリトゥードが繰り広げられる。

 ゲームを起動した時点でたぶん作者が近所で撮影した風景や路地裏、ラジ館っぽいエスカレーターなどをバックにハンドメイドのキャラグッズがピョコピョコする実写ムービーが流れ、おれたちプレイヤーに"マジモン"の圧をかけてくる。とはいえこれは軽いジャブ。このくらいで参っていたらふり☆スペには勝てない。
 としあきが好きそうなネタを中心に京都の花札屋さんとかナントカ重里への歪んだ愛情などが感じられるキャラクターが頻出し、バットでSMAAAASH!!出しそうなガキ、アメリカ版パッケージのクソゴツいMEGAなマンっぽい奴だとか勝手に駐屯地に入ってきて喚いたあと腹を切りそうな奴なども登場する。む、無法地帯すぎる……!!
 書いてるおれが頭痛くなってきますが昭和生まれの世代はさらに頭が痛くなること請け合いでしょう。お前もこの混沌に呑まれろ!腹をくくれ!!!!!


胡乱な名言がどんどん飛び出してくる


 全体的に昭和への狂った偏け……深いリスペクトを感じさせる作風ながら、昭和生まれでなくてもマシンガンのように発射されるイカれた台詞回しによって十分楽しめる作品になっていると思います。作者さんがゲーム記事のライターもやっているのでゲーム周りのネタの引き出しも豊富で愉快。
 たぶんここまでおれの紹介文を読んでいて肝心のストーリーが何も伝わっていないかと思いますが、説明してもおれの正気を疑われるだけだと思うのであえて言及していません。大丈夫!どうせ事前知識があっても困惑するだけだから!!

 実は今回サマーセールの記事なのにこのゲームだけセール価格ではないのですが、値段に対して中身の濃度が凄いので実質常時セールみたいなもんなのではないでしょうか。風邪ひいたときに見る夢を起きてるときにも見たい人には大変おすすめですし、そうでない人にもおすすめです。


オラァッ!買え!!!!!!!!!!



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