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【steam】ウィンターセールでおすすめしたい良質ゲーム3選

 ついこのまえオータムセールがあったばっかりですが今年もSteamのウィンターセールがやってきました。ゲームがどんどん安くなる!

 そのときもセールに際し逆噴射記事を投稿したので再掲しておきます。

 こちらの記事で紹介したゲームもおすすめですが、逆噴射エイク郎先生は「ネット端末遺伝子を探しに行く」と言って出ていったきり杳として行方が知れないため、今回のセールでは私が普通にオススメゲームの記事を書いていきます。


Dome Keeper

 いまかなりアツいローグライトといえば間違いなくDome Keeperでしょう。Steamアワードにも"最も革新的なゲームプレイ"賞の候補としてノミネートされるなど、すでに広く評価されているタイトルでもあります。
 がっつり遊ぶこともできますが区切りが良いので「このワンゲームまで!」でサックリ遊べるのもいいところです。

 ゲームの目的は、宇宙探窟家となって星々の地下深くに眠る「アーティファクト」を掘り出して持ち帰ること。ドーム型の設備でズドンと着陸し、地下を探っていく。ところがただ掘っていれば良いわけでもなく、定期的に襲い来るモンスターを地上のドームの砲台でしりぞけなければなりません。
 地下で拾ったモジュールで便利に採掘が進められるほか、集めた鉱石で自分のステータスを上げたり、ドームを強化することもできますが………欲をかいて掘りまくっているといつのまにか敵が来襲し、ギェェーーー!!!と叫びながらドームに駆けつけるハメになるかも……。そうして苦労して集めた鉱石を何に割り振るべきか考えるのも非常に悩ましい。

 最初のうちは手探り状態でプレイすることになるので難しく思うかもしれませんが、だんだん「こう掘るとムダがないな…」「あのモジュールを使うと楽だな」という気づきを重ねて効率化が進んでいき、上達を実感できるゲームでもあります。
 こたつに入って合間にみかんでもつまみながら遊ぶのにちょうどいいゲームですね。


Dungeon Munchies

 なんだかよくわからないけど、ポックリと死んでたはずなのにいきなりゾンビ~として蘇生された主人公くん。ていうかそれキョンシーの札じゃね?
 自分を蘇らせた亡霊かつネクロマンサー兼料理研究家のシマーちゃんの弟子となり、だいぶオワっとる雰囲気の世界を探索してモンスター料理をおいしく食べよう。

 このゲーム、探索と2Dアクションを組み合わせたいわゆるメトロイドヴァニアゲームなんですが、最高に世界観がブッ飛んでいて面白い。

従業員がみんな死んでるから健康保険とムダな休暇はいりませんね。経済的!

 まず主人公の師匠であるシマーちゃんがなかなかイカれてて面白いです。主人公くんはこの料理研究家シマーちゃんの弟子としてこの世界にあふれるモンスターどもをバシバシ八つ裂きにして鍋に放り込み調理していくわけなのですが、シマーちゃん自身もモンスター級に個性が強いのでとにかくパンチがあります。

モンスター料理をナメたらアカンで!と師匠が身振り手振りで教えてくれます

 顔げ…表情豊かなシマーちゃんとの会話シーンだけですでに序盤から笑わせてくるブラックユーモアあふれるゲームなのですが、ステージのところどころにある読み物なんかも「どうしてこんなに世界が荒廃しているのか?」「こうなる前の人々はなにをしていたのか?」を想像させるエッセンスが豊富でシリアスな面でも興味深い。
 政治的主張や思想が強かったりするわけではないですが、このゲームがいろいろと激動の時代があった台湾の作品であることも、ふんわりと作品にコクを添えています。

 アクションゲームとしては、倒した敵を料理にしたり武器に改造することで攻撃手段や移動方法が増えていくというまさしくベーシックなメトロイドヴァニアですが、何を胃の中に入れておいて能力を発動させるか取捨選択するビルド要素が小粋な仕事をしてくれます。
 序盤はそこまで能力がないので悩む必要はないですが、だんだん武器の種類やDoT攻撃といった部分に目が向くようになり、あの料理を食べておいてああしたいこうしたいといった考えが頭をもたげてくるでしょう。

 ダンジョンの構造自体はそこまで複雑ではなく、あまり探索要素が強いわけではないですが、進めば進むほどシマーちゃんやその他ユカイなお友達の顔面が炸裂していくので飽きません。イカれた世界でちょっと早い福笑いを眺めるのはどうでしょうか。


SIGNALIS


約束を思い出して。


 太陽系の外側を探索する任務についている宇宙船が、突如どこかの星に不時着することとなった。レプリカ(人造人間)のエルスターはコールドスリープから目覚めたものの、一緒にいたはずの人間の乗組員がいない。状況がよく飲み込めないまま、相棒を探すこととなるが……。

 いや~~~~~~~~~~~2022年も末だというのにすんげえゲームが出ちゃったなと思った。私にはド直球で刺さるストーリーテリングでした。10月27日にリリースされたばかりの新作ですが、もしこれが年始めに出ていたら絶対もっとたくさんの賞を取っていたと思いますね。とても気に入ったのでこの作品についてはそのうちあらためて一本記事を書きます。


どっかで見たことあるインベントリ画面

 基本的なゲームスタイルはバイオハザード+サイレントヒルといった様相で、1990~2000年代のゲーム・アニメカルチャーへの深いリスペクトを感じる作風になっています。アイテムがいちどに6種類しか持てない、弾薬や回復アイテムをうまく管理しないと平気で詰む……ユーザーフレンドリーが常識のいまどきでは珍しい、ある種突き放したようなレトロスタイルでありつつも、謎めいたSFとコズミックホラー要素がじわじわとプレイヤーの好奇心に絡みついて離さない。

顔が良すぎる

 この作品の特に気に入ったポイントとしてはドットが非常に美麗なことで、あまりにも顔がよく凛々しい登場人物がわんさか出てくるところ。顔が良すぎてカットシーンが入るたびにいちいち「は、はわわわぁ~~~~!!!エルスターさまこっち向いてェ~!!!」と心が乙女にされますね。私は身長高くて安産型のかっこいい女の人がタイプなんで、藤堂葵にブラザー認定されるかもしれません。
 ……話を戻しますか。ゲーム自体はサバイバルホラーというジャンルに区分されますが、正直キャラがイケメン女子ばっかりなのでそっちに意識が行って全然怖くないです。ジャンプスケア(びっくり要素)もないですし、ガチホラーと比べると描写も軽度な部類だと思うので、そういう意味ではあんまりホラーが得意でない人にも十分おすすめできます。ただ、怖くはないですがそこはやはりこのゲームのうまいところで、サイケな演出であったり意味を理解するとおぞましい設定であったりというポイントでジワジワとこの世界の狂気をプレイヤーに染み込ませてくるところが白眉と言えるでしょう。

 難易度そのものは本作がリスペクトしている昔のバイオハザードよろしく結構高めで、一度倒した敵が時間経過で起き上がるわザコの攻撃範囲が広いわでノーマル難易度でも弾がカッツカツでヒィヒィ言わされます。ムダな往復は控え、うまくアイテムを運搬したり集めて謎解きする戦略を立てる必要があり、人によっては煩雑だと感じるかもしれないですが私はそこんとこもこのゲームからの挑戦状として楽しめました。
 とはいえ敵からのダメージがかなり抑えられるカジュアルモードも用意されているので、アクションゲームが苦手な方はそちらで遊べばストーリーに集中できると思います。
 こういった探索ゲームでは謎解きも付き物ですが、設問として非常に良質でなかなか頭を悩ませますね。私はチンパンジー級の頭脳しかないアホなので若干考えこんだところもありますが、ひととおり行ける部屋を探索しきっていればだいたいどこで何をすればいいかわかるので「やたら詰まりまくる」ということはありませんでした。

 ストーリーに関してはネタバレすると面白くないタイプの話なのであまり深くは語らないでおきますが、序盤の時点でレプリカと対になるゲシュタルトという単語が出てくるあたり「お、お前ら……あの歯グキマスクのゲーム開発者を……!?」という開発陣に対するヤバい予感がし始めたり、「あら^~たまりませんわ~」な展開もあったりで非常にリッチな体験ができています。

 ややボカすというか、ひとつひとつの意味を考えながら遊んでいかないとわからない部分が出てくる難解なシナリオではあるものの、そのぶんマップにおいてある読み物やキーアイテムの作り込みなんかも凝っていて、主体的に物語の意味を探っていくスタイルのプレイヤーはガッツリハマる世界観作りができていると思います。
 ゴゥン…ゴゥン…と機械の立てる低周波の環境音なども没入感をもたらし、戦闘時に緊張を煽るノイズめいた音楽が鳴るなど演出に関しては何から何まで舌を巻く出来ですね。

 ゲーム自体はあまり規模が大きいものではなく、20時間ちょいで終わる中粒くらいかな?という感触ですが、開発者がグラフィック担当とプログラミング担当のふたり+BGMのコンポーザーひとりという超少人数体制であることを考えると、よくぞここまで精緻なゲームを作り上げたな……と脱帽せざるを得ませんね。ローポリであの時代の雰囲気を出しつつ美しいドット打ち、なおかつ頭をひねらせる謎解きまで仕込むとはとんでもない執念ですよ…。

 数々の過去の名作たちをオマージュしつつ、ちゃんと噛み砕いて自分たちなりのテイストに落とし込みが出来ている丁寧なタイトルだと思います。
 いまのところ爆発的にヒットしているわけではないですが、本家バイオと同じくこの作品の良さに気づいた人たちの口コミで火がつくんじゃないかという気はしますね。いまのうちに遊んでおいて私と一緒にドヤ顔しましょう
 ややお話がわかりにくいところがネックですが、そのぶんプレイヤーの考察を促す、噛めば噛むほど味のする筋書きだと思います。良質な作品なので誰でも楽しめると思いますが、ハヤカワ文庫と百合姫を毎朝ミキサーにかけて飲みながら幾原邦彦とか庵野秀明作品のトーストを食ってるようなゲーマーには特にブッ刺さるような気がします。

 私にとってベスト・オブ・2022と表現しても差し支えないタイトルです。



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