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240630.SAT〜240705.FRI|抽象化の力

MOUNT FUJI ARCHITECTSの作品集出版記念講演へ。約30人限定のチケットが取れて、しかも原田夫妻の両方が登壇されることはとてもラッキーだった。
終了後にお二方と直接話す機会があったので、講演新建築2023年8月号に発表したときに月評で触れていただいたお礼を伝えた。
講演を聞きながら、マウントフジの作品が心に響くのは抽象化が徹底されていることに加えて、抽象化の価値を現代的に再定義しているからではないかと思った。抽象化は、人間が複雑な現実を捉えるために不可欠な作業であり人間の本質のひとつだ。そして建築設計における抽象化は簡単に言えば形式化だ。ぼくが建築を勉強していた頃の抽象化された形式とは、鉄筋コンクリートや鉄骨でつくるドミノが大半で、白紙の上に自立するものか、混沌とした世界から断絶された小宇宙だった。一方でマウントフジがつくる形式はLVLなどの現代の技術が使われていて、複雑な現実に調和をもたらすものである。つまり、現代の技術や社会に基づいた、新しい形式を打ち出そうとしている。そういう新しい可能性を開こうとする所に共感したのだと思う。

Aビルは24回目の現場定例。相変わらず30〜40個の議題を毎回処理する。次回の総合定例ではいったん工事費の増減を施主に提示したいので、項目を現場と整理。珍しく早く終わったので事務所に戻って、今月から来始めてくれているバイトの学生と少し雑談。秋から留学するのでそれまでの間、AWAで働きたいとのことだ。

Lビルは14回目の現場定例。耐震補強の型枠が外れていたので仕上がりを確認。この補強壁が、空間の中でどんなふうに建ち上がって来るか。Lビルでは、新建築の2023年8月号で発表したREDO JIMBOCHOや年明けに竣工したOビルと同じように、普通合板で型枠を組んだ。神保町では打設の数量が少なかったこともあって全てグラウトにしたが、Lビルでは普通コンクリートを使っている。型枠の割り付けやPコンの位置を正方形グリッドを基準にしたりと、少しずつ変化を加えている。
Oビルは今年が定期報告なのだけれど、AWAに委託したいとオーナーから連絡が。もちろん受注する旨を伝えて、1年点検と合わせて実施してはどうかと提案。

基本設計中のSビルは外装のデザインやインテリアのプランを施主と打ち合わせ。予算は決まっているので、仕上げと設備で予算配分をどうするかが鍵だ。

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