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エントリーシートを書く時の心得(と私が思うこと)

私は長く大学生や社会人の就職・転職活動の応援をしてきましたが、一貫して伝えてきたこと、それは嘘をつかないということでした。

「盛る」という表現を使って、以前の記事にも書いたのですが、自分の力以上に自分を表現するのはやめた方がいいと、常々お話ししてきました。
嘘を書いたつもりは無くとも、少しでも優秀、有能に見られたいと思うと、人は小さく小さく嘘を書いてしまうことが多いのです。
できるかできないかわからないことでも「私はこれができます」とか「私は誰よりもこういう所に気を配れます」とか、自分でできるような気になって書いてしまうのです。
こわいですね。

ただ、エントリーシートにいくら上手く書き連ねたとしても、面接の場で直接相手と話すことで、大体の嘘はバレてしまいますし、むしろ大きく見せたことで、面接担当者を必要以上にがっかりさせてしまうこともあります。

失礼ながら言わせて貰うけど、と前置きして、「どんなに有名大学に通おうと、凄いと思う事を自分が成し遂げたと思おうと、まだあなた方はただの学生だよ。それ以上でも以下でもない事を忘れないでね。」と私はたくさんの人に言ってきました。

これまで何千枚ものエントリーシートを添削させていただいた結果、そう感じてしまうからです。

もちろん、充実した学生時代を過ごしたことは誇らしい事だし、さまざまな努力も苦労もしたに違いない。でもだからと言って、他の誰にも負けないか、というとそうでもないのです。
あくまでも客観的にみた場合ですが、このような話、前にも読んだことあるなぁ、いるいるこういう人、といった感想が最初に生まれるのです。

私のような、小さなアナウンススクールの講師ですらそう感じるのだから、企業の採用担当者のように、恐ろしくたくさんのエントリーシートを読む人はもっとそう感じるのではないだろうか。違ったらごめんなさい。

だからこそ、自分は特別だなどとは思わない方がいい。
この事を一言で表すとすれば、「卑屈にならない謙虚さを持つ」ということです。
充実した学生時代を過ごした、ただの大学生のスタンスを守ること。
これだけで、大人達から見ると、逆に将来が楽しみだと思えるのではないでしょうか。

学生達に話す時にわかりやすいかな、と思ってこんな話をします。

アルバイト先で結構力をつけて、新人の指導にあたることも出てくるでしょう?その時に、自分より学年下の、新人のアルバイトさんが入ってきたとします。「俺は何でもできるんで、大丈夫っす」なんて人が入ってきたらどう思う?
「何だこいつ。何も分かってないくせに!」って思わない?

大学生が、エントリーシートに「私はすごいです。何でもできるんです。どんなことにも耐えられるんです。」と書くのは、そんな勘違いアルバイトさんと変わらないものじゃないかと。

卑屈になってはいけないけど、謙虚さを忘れると、最初から相手に悪印象を持たれないとも限りません。

あなたが損をしないためにも、どこか頭の隅に置いて欲しい心得の一つです。

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