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就活、攻略しようとしないでもいいのでは?

就職活動のシーズンになると、当然のことですが、毎年生まれて初めての経験をしなければならない就活生がたくさん生まれます。
そうすると、世の中には多くの攻略本などが溢れます。エントリーシート攻略、面接突破法など。

誰でも初めての経験には恐れを感じるし、これは闘いなのだから勝たねば、と思うのは当然です。
近いところでは、受験戦争を体験したばかりだし。
でも、受験戦争と就職活動は決定的に違います。
大学受験は勉強した時間が長いほど点数が上がり、それが合格に繋がることが多いと思います。
それに対して就職活動は、点数が上がったからと言って内定に繋がるわけではないのです。

この事の裏付けというか、少し考え方を変えてもらうためによく受講生の方に話すある転職希望者の話があります。

その人は30代後半の男性。
奥さんと小さな子供さんのお父さんです。
その奥さんが身体が弱く、育児に協力しなければならないのに、当時勤めていた会社が残業時間の多い会社で、思うように動けないというのが転職を希望する理由でした。
地方公務員の試験を受けて前年に不合格となり、2年目の挑戦の際に就職試験対策講座を受講されました。

地方公務員試験では一次が筆記、それに合格すると面接が2回あり、内定となります。
その人は、前年の試験で筆記試験の点数が何と!一位での通過だったそうです。仕事の合間にものすごく頑張って勉強されたのだと思います。

普通に考えると、筆記一位の優秀な人材ですから、合格するに違いないと思いませんか?
ところが、面接で不合格となったのです!

私のところにいらっしゃった時に、最初に言われたのが「面接の対策も怠りなくやったつもりなのに、なぜ不合格だったのかわからない」ということ。
凄く苛立ったような態度と表情でした。
少なくとも私が初めてお会いした時の第一印象は最悪に近いものでした。

この、私が抱いた第一印象は、ひょっとしたら誰もが持つ第一印象かもしれません。
つまり、今のような態度、表情で初対面の人に会うとすると面接で落ちるのは当然と言えば当然。

もちろん、皆さんそうですが、「いや、面接の部屋に入ったら、ちゃんとにこやかにきちんとした態度でやりますので大丈夫です。」
と必ず言われます。

しかし、この方もそうでしたが、そう上手く面接の時だけ別人を演じるのは無理なんです。これは断言できます。
ちゃんと相手にはバレてるものなのです。

なので、この方の場合も、まずは目つきが非常に悪いことを自覚してもらい、人と話す時の態度を改めてもらいました。
立派な社会人の方にそんなことを言って、実際に変わってもらうのは結構な時間がかかります。
私はじっくり時間をかけて、考え方から変えてもらいました。そうしないと、表情や態度って、そう変わるものではないからです。

そもそも公務員試験などは特に、筆記試験に重きを置いてあまり面接のことを考えていない人が多いと思います。成績が大事だと。
公務員試験の攻略法は筆記と、澱みなく質問に答えられることだと思っていらっしゃる。
それでは2回の面接はなんのためにあるのか。
実は公務員試験も、やはり人柄って重視されるはずなのです。

判で押したような質疑応答の練習をしたところで、本人の考え方に公務員として相応しくないものが見つかれば、合格とはなりません。

だからこそ、なぜ公務員になりたいか。公務員となってやりたい仕事は何なのか。
これらを徹底的に、そして正直に話してもらいながら、ご自分自身に変わってもらいました。

そうして迎えた2年目の試験では、自治体こそ違いましたが、念願の公務員となって転職を果たされました。

とても端折って書いていますので、中身をご紹介できていませんが、私がこのことで伝えたいことは、就職試験を攻略するという考えをやめて、自分の頭で自分の将来についてしっかりと考えてみませんか?ということなのです。

そうすることで、面接官には必ずあなたの想いが伝わるはずですし、何よりもまず相手に好感を持ってもらえると思います。

この方に限らず、そうやって話を積み重ねて、多くの受講生の方が内定を取って就活を終えてくれました。これが何よりの証明になると、私は信じています。

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