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快適な睡眠のための「光の環境づくり」
春になって、最近は布団がとても気持ち良い季節になりましたね・・・!まさに「春眠暁を覚えず」な毎日を過ごしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、こんな時期にピッタリ(?)の、厚生労働省が策定した『健康づくりのための睡眠ガイド2023』から、快適な睡眠のための環境づくりの中の1つである「光の環境づくりで大切なこと」をご紹介したいと思います。
光の環境づくりの2つのポイント
・日中にできるだけ日光を浴びると、体内時計が調節されて入眠しやすくなる。
・寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが良い睡眠につながる。
日中にできるだけ日光を浴びる
起床後に朝日の強い光を浴びることで体内時計はリセットされ睡眠・覚醒リズムが整い、脳の覚醒度は上昇します。日中に光を多く浴びることで夜間のメラトニン分泌量が増加し、体内時計が調節され、入眠が促進されます。これらの効果は1,000ルクス以上の照度の光を日中に浴びることで得られます。
「朝日の強い光を浴びることで体内時計がリセット」されるとはいったいどういう仕組みなんだろう、と思って読んでいたら、ショートコラムに詳細が記載されていました。
ショートコラム 光の波長と体内時計
体内時計の中枢である視床下部の視交叉上核は、外部環境と体内環境を同期する役割を担っていますが、同期には主に光情報を利用しています。2002年に、体内時計を調節する光の受容細胞として、網膜にある光感受性網膜神経節細胞が発見されました。この細胞はメラノプシンという感光色素を含有しており、460~480nm付近の短波長光に感受性のピークがあります。このため、同じ光の強さであっても、この波長域に属する光であるブルーライトが、最も強く体内時計に影響を及ぼすことががわかっています。
寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まない
ショートコラムにあるように、体内時計を調節する光の受容細胞に含まれるメラノプシンがブルーライトの影響を受けるということですね。しかも寝ている間も影響を受けてしまうようです。
寝ている間は、低い照度の光でも中途覚醒時間を増加させ、睡眠の効率を下げることが報告されており、寝室の照明にも配慮することは重要と考えられます。観察研究の系統的レビューで、夜間の光曝露が睡眠障害と関連していることが報告されています。近年の照明器具やスマートフォンにはLEDが使用されており、体内時計への影響が強い短波長光(ブルーライト)が多く含まれているため、寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが良い睡眠に寄与します。
「真っ暗じゃないと寝れないんだよ・・・」という方の言い分にもバッチリ科学的な根拠がありそうです。私もこれから部屋の明かりは消して真っ暗にして寝ようと思いました。
また、寝る前にスマートフォンなどを利用してブルーライトを含む明るい光を浴びると睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されてしまうようですので、睡眠時間が不足している場合や、寝てもあまり休息感が得られないという場合は、特に意識的に就寝前のスマートフォンの使用は避けておくのが良さそうです。
『健康づくりのための睡眠ガイド2023』には、内容の根拠とされている参考文献が記載されていますので、ご興味のある方はそちらも参考にされると良いと思います。
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