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そして大豆を蒸し、黒豆を煮、ジャムを作る

いわゆる家事全般が嫌いである。
 可能な限り家事は必要最小限で終わらせて、好きなこと(ゲーム、ネット、読書)をして過ごしたい。

 かつて在籍していた勝間塾(勝間和代さん主催のオンラインサロン)で、「家事は毎日のことだからこそ、家電に投資して自分が作業する時間を減らすべき。そうやって時間を作らなければ、自分のやりたいことをする時間は生まれない」ということを勝間さんはよく言っていた。そして勝間さん自身さまざまなガジェットや家電、調理器具の使用方法をサロンの中でシェアしてくれていた。その中でも特にさまざまなノウハウを披露してくれたのがシャープ製の調理家電「ホットクック」という電気無水鍋である。

(我が家が購入したのは↑の製品。Wi-Fi接続など、高機能のモデルもあります)

   勝間さんに感化され、塾のメンバーが1人、また1人と購入していく中で、料理が作るのが好きでもない自分が買っても使いこなせるのだろうかとの迷いもあって、購入に踏み切れないままでいた。そんな自分の背中を押したのは、勝間塾のオフ会で、実際にホットクックで作った料理を食べたり、ヘビーユーザーの方からどんなふうに使っているのか実際に話を聞いてなんとか使いこなせそうかなと思い至ったからである。そして2017年の12月、型落ち品が値下げされているタイミングでAmazonで購入し、ホットクックを使う生活が始まった。

 始めはカレーやクリームシチュー、大根と鶏肉の煮物など、以前から作っていたなじみのある料理を付属のレシピ集を中心に作っていた。

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 材料を付属の鍋に入れて、メニューを選んでスイッチを入れたら、あとはすべてホットクックにお任せである。ガスコンロと違って火加減を見たり、焦げないように鍋をかき回す必要がない。そのためホットクック稼働中は、台所から離れて別の事をすることもできる。そしてできあがった料理は、装置自体が炊飯器と同じように密閉されているため、食材自体に含まれる水分やうまみが外に逃げず、ガスで煮込んだものより数段味がしみ込んだ状態になっている。したがって、調味料の種類も量も鍋で煮込んでいた時よりはるかに少ない量で足りる。食材のうまみがぎゅっと凝縮された料理は今まで食べていたモノはなんだったのかと思わせるぐらいの衝撃があった。電気を使うことで、火力が一定に保たれるため、味も常に一定(しかもおいしい)ものができあがる。料理にとって火加減がどれだけ大事かを身をもって知った。

 そうやってホットクックを使うことにも慣れてきたころ、次は食材を「蒸す」ことに挑戦した。蒸すためには内鍋に水を入れて、付属の蒸し台(ざるみたいに底に穴が空いている)を鍋にセットして食材を置けば準備は終わり。メニューを選択してスイッチを入れればあとはお任せである。野菜を蒸すのはもちろん、シューマイ、肉まんといった電子レンジで温めて食べていたものにもホットクックを使うようになった。そんな中で新たに使うようになった食材がある。「乾燥豆」だ。主に使うのは大豆だが、これを水戻ししてホットクックで小一時間蒸す。同じことをガス火でやろうとすると、蒸すのも煮るのも相応に時間がかかり、そのあいだ火事の心配もあるので、火のそばにつきっきりにならないといけない。一方で豆を水につけて戻す時間は変わらないが、ホットクックの蒸し作業中は別のことをしながら、できあがりを待てばよいだけ。

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                 (蒸しあがった直後の大豆、このまま食べてもおいしい)

 蒸し上がった大豆はそのあと切り干し大根やひじきと一緒に煮て、作り置きのおかずとして活躍してくれている(この煮物自体もホットクックで作っているのはいうまでもない)。

 そして昨年末には、貰ったはいいものの、どう調理していいのか、正直扱いに困っていた黒豆をふと思い立って煮てしまった。

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 水戻しが短かったせいもあって、できあがりは固めになってしまったが、該当メニューを選んだときに表示されたできあがりまでの時間「7時間」の衝撃を忘れることはできない…….。ホットクックを購入しなければ、人生で黒豆を煮ることはなかっただろうと確信を持って言える。
 
 さらにこの春、SNSで流れてきた友人の投稿に触発されて、少量ではあるがいちごジャム作りにまで手を出してしまった。

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 そして自分で作って初めて知る、ジャムを作るのに必要な砂糖の量(いちごの量の半分ぐらい砂糖を投入)にも震えた。これもまたホットクックがなければ作らなかったもののひとつである。

 ここまで、ホットクックの良い点ばかりを書いてきたが、もちろん難点もある。まずなにしろ本体の価格が高い。4万〜6万弱(内鍋の容量や機能によって値段に差あり)する調理家電、ちょっと試しに……というにはあまりにもハードルが高い。しかもまったく使ったことがないものを買うのはそれなりに覚悟も必要になる。そして電気を使うので、当然置き場所付近にコンセントが必要になるが、台所に潤沢にコンセントが配置されている家もあまりないので、置き場を確保するのに苦労する。あとは実際に使いはじめてからの話になるが、調理中の匂いがけっこう部屋に充満するので、換気扇を回すのが必須になる。購入初期、豆苗と豚バラのブレイズ(炒め煮)をホットクックで作っていたら、豆苗の蒸した豆くさい匂いが苦手だったようで、帰宅した夫に開口一番「このニオイ苦手ー!」と叫ばれ、真冬、しかも東京で大雪だった日に、換気のため窓を思いっきり開けられたことは忘れられない思い出である(寒かった)。

 購入当初は今まで作っていた料理が楽に作れるようになればいいぐらいの気持ちでいたが、使い続けるにつれて、以前では使うことのなかった乾燥豆などの食材を日常的に使うようになり、結果として料理のレパートリーが拡がった。そして最近では炒め物も手動メニューを駆使してフライパンを使わずに作っている。火加減をみるといった、いままでの料理の方法を根本から変えてくれたホットクック。すっかり日々の調理に欠かせない道具になっている。

 実家に行くたび、ホットクックのよさを力説していたら、一人用のホットクックを購入していた。自分も2台目に欲しいと思っていたので、なんともうらやましい……。我が家も置き場問題を解決してなんとか2台目を手に入れたいと思っている。

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