ガラス張りのお風呂
我が家の浴室はガラス張り、脱衣場との仕切りは全面シースルーである。
我が家は建売の戸建てだ。
内見でガラス張りの浴室を見たとき、ガラス張りを経験したことがない私たちは「ほう…」好奇心をくすぐられつつもこれが吉と出るか凶と出るか一晩考えた。
結論からいうと、私たちは前述の通りガラス張りの浴室のある家で暮らすことにした。
使ってみなければ分からないし、明らかな不都合が見当たらない。
考えられるデメリットに関しては対処が可能そうだ。
そしていざとなれば曇りガラスにするなりリフォームするなりしてあとから変更が効くからだ。
そしてなによりこの家が気に入った。
私たちと同じようにガラス張りの浴室を検討している方の参考にと思い、1年間使ってみた感想(メリットとデメリット)をまとめてみた。
実際の使用感
実際に一年以上使ってみた。
なんの不都合も起こらなかった。
むしろ私と娘が入っているところにあとから夫が来る時など、「なんかきた!!」「きゃー!見ないでー!」という茶番タイムが生まれて娘のテンションが上がる。
いきなりの登場ではなく、迫りくる場面が挟まれることで、ストーリー性を感じることができる。
(そんなストーリー性いらんという方はスルーして欲しい。)
そしてなんと言っても視覚的に広い!
脱衣所と浴室がひとつのスペースとなっていて開放感は折り紙付きだ。
メリット①お風呂上がり、時間差で支度ができる
ガラス張りで中が見えることで得られるメリットとして、子供の年齢によっては時間差でお風呂から上がれる点が挙げられる。
娘は湯船が大好きで、特にスイミングに通うようになってからはゴーグルを持ち込み、潜る練習をしたり浮く練習をしたり、「ママ先に出ていいよ〜」というほどお湯と戯れるのが好きだ。
私からすると時間差でお風呂から上がることで、自分の支度が完了してから娘をすぐに拭きあげることができる。ありがたい話だ。
これもシースルーだからこそのメリットだと思う。
ドアを全開にしなくても子供の様子が確認できるため、浴室内は暖かいままだし脱衣所が湯気でもくもくにならない。
娘は毎日大好きな湯船を楽しむことができ、私はその間ゆっくり化粧水を染み込ませることができる。
(ちなみに子供だけが浴室にいる場合、のぼせや万が一の際にドアが開かないというリスクを考慮し、ドアは完全に閉めないことをおすすめする。)
逆に、私はゆっくり湯船に浸かりたいが娘は先に出たいという日は、娘に先に出てもらい自分で体を拭いてもらうことができる。
最初はうまく拭けないので、ほんの少しの時間差しかなかったのだが、繰り返すうちに上手になり一人でパジャマまで着られるようになった。
湯船から、娘が奮闘する一部始終を見られるのもいい点だ。
メリット②照明で気分を変えられる
浴室の中にはもちろん照明があるのだが、ガラス張りの場合、脱衣所の照明を入浴中の照明として使うことができる。
いつもより明るさを抑えられ、且つ、体を洗うには十分な明るさである。
ゆっくり湯船に浸かってリラックスしたい時などは照明で気軽に気分の切り替えができるので、簡単にリラックス効果を高めることができる。
メリット③掃除のモチベーションが上がる
ガラス張りというのは水垢や手垢が目立つものだ。しかし毎日こまめに拭いていけば水垢手垢は案外つかない。
またガラス面だけでなく、浴室内が丸見えなので綺麗に保つモチベーションが上がる。
賃貸のなんかちょっと暗いお風呂場(ちょっと古めの物件に住んでいた)とは比べ物にならないくらい、モチベーションが上がった。
ちなみにお風呂あがり、水切りのためのスクィージーと金属部分の拭き上げなどは欠かさないが、定期的な隅々までのお風呂掃除は夫がやってくれているので私は大きな顔はできない。
私の仕事はお風呂場がピカピカになったことに気付くことと、夫を褒めちぎることである。
お風呂掃除を奥さんがやっている場合は、気付き褒めちぎることが夫の仕事となるので覚えておいて欲しい。
メリット④夫婦の会話時間が取れる
夫は平日帰りが遅い。
娘が寝た頃帰ることも多いので、私も寝落ちしていることもあるのだが、帰宅した夫の入浴中に脱衣場に居合わせることでお互いに1日の報告ができる。
食事中でももちろんいいのだが、先にお風呂に入る場合はその時間を待たずして会話ができるのだ。
その結果、私は効率的に睡眠時間を確保できる。
夫が1人で静かに入浴したいタイプの場合はメリットではないのであしからず。
メリット⑤お風呂の貯まり具合が遠目に分かる
お湯張り中にふと「お風呂の栓閉めたっけ!?」と心配になる人にはメリットかもしれない。
デメリット①ガラスが割れる可能性がある
ここからはデメリットを挙げる。
これは私たちが1番懸念した点である。
だが実際見てみるとわかるように、メーカーはそこに関しては対策を施してくれている。
あくまで我が家の場合だが、強化ガラスが飛散防止フィルムによって隅々までカバーされており、割れにくい構造+割れても破片の飛び散りを最小限にする努力がなされている。
ごつめのシャワーヘッドをガツンと当ててしまったことがあったが、その程度では傷一つ付かなかった。
そもそも曇りガラスやその他の素材だとしても100%割れない・怪我をしない保証はない。
それでもどうしても心配が尽きない場合は、残念ながらガラス張りはやめておいた方が身体にいい。
デメリット②家族以外が入浴中、気を遣う
これも我が家の議題に上がったものだ。
たしかに泊まりで来客がある際、入浴中は脱衣所に入れなくなることが想定される。
だがよく想像して欲しい。
二世帯住宅のように毎日気を遣うことになるのならそれは不便なことだ。
洗濯機が脱衣所にあるならなおのこと、効率が落ちて新たなストレスが生まれるかもしれない。
しかし核家族で、たま〜に友人や両親が泊まりにくる我が家の場合、小一時間脱衣所に入れなかった所で不都合は起きていない。
ドライヤーを別の場所で使うとか、出入りできるうちに洗濯機を回しておくとか、その日だけのイレギュラーを許容するだけでなんら問題なく過ごせている。
ちなみに脱衣所のドアには鍵がかかるのだが、これは必須だろう。
デメリット③来客時も絶賛シースルー
来客時、手を洗うため脱衣場(洗面台)を使ってもらうことになるのだが、このときも浴室は絶賛シースルーである。
普段お風呂場に洗濯物を干す家庭などは対処することとなるだろう。
ちなみに我が家はそもそも洗濯を干さない(全自動洗濯機を使う)ので、対処の必要はなかった。
全自動洗濯機はこれまで買った家電の中でダントツ一位の便利家電。我が家にはこれありきで解決していることが山ほどある。
デメリット④恥ずかしい
夫婦とは言え、お風呂を覗かれる可能性があるのがイヤという場合はやめておいた方がいいだろう。
我が家はメリットの方が勝るので、しばらくはこのままだ。
子供が成長したらガラス張りでなくすか、入浴の際のルールを決め直す予定だ。
まとめとおまけ
結果我が家はガラス張りの浴室に大変満足している。
ただメリット・デメリットを見れば分かるように、各家庭の生活スタイルや優先事項、家事分担や子供の年齢によってこれらのメリット・デメリットの感じ方は異なる。
我が家の場合はシースルーであることで
・娘のテンションが上がる
・お風呂上がりの支度がゆっくりできる
・ゆっくり湯船に浸かれる
・よりリラックスして湯船に浸かれる
・浴室を綺麗に保てる
・夫婦の会話が持てる
・お風呂の栓の閉め忘れによるロス防止
と大変ありがたい結果になっている。
これらをどれくらい重要に感じるか、またこのような生活が可能か、家族が幸せを感じるスタイルであるかは家庭によって違う。
そして住宅選びの基準としてメリットよりも重要なのが、デメリットの許容度である。
そのデメリットが、例えば
・全自動洗濯機を導入することでデメリットではなくなったり
・デメリットが生じる頻度が大したものでなかったり
・いざという時にないものにできたりする(今回の場合ガラス張りでない状態にする)
という風に許容範囲内と捉えられれば良いのだが、
日々のストレスの種となるようならそれは許容範囲を超えていると思う。
お風呂は家族みんなが毎日使うものだ。洗面所も毎日使う。
そこにあるストレスを放っておくのは家族関係や後々の健康(ストレスによる影響)を考えると非常にまずい。恐ろしいデメリットだ。
この浴室を見た時、正直なんだかときめいた。
そして私たちはメリットとデメリットを書き出し、優先度と許容度を比較し、購入を決めた。
実際使ってみると、やはりなんだかテンションが上がる。大したデメリットもなくストレスが感じられないばかりか、毎日の生活にゆとりが生まれた。
よってガラス張りの浴室は我が家に幸福をもたらしてくれている。
我が家の判断が誰かの参考になれば幸いである。
〜おまけ〜
先日ふと気付いたのだが、浴室にいる夫を扉の外から眺めると動物園のゲージが連想され滑稽だ。
今あるものに愛嬌を見出すのも、幸福度を上げるファクターである。
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