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会計事務所のキャリアの話。

本日はキャリアのお話です。
私自身のキャリアの話は自己紹介の際に少しお話をさせていただきましたが、今勤めている会社は7社目です。超絶Jobホッパーです。でも、きちんとステップアップしてるので、できればJobホッパーじゃなくてJobステッパーとかJobジャンパーとかで呼んでくれると喜びます。

今まで務めた会社7社のうち、会計事務所は3社。その3社への転職についてお話できればと思います。具体的な仕事内容というよりも、転職活動の反省感想といったところでしょうか。
これから会計業界に足を突っ込もうとしている方々や、違う会計事務所への転職を考えている方々にとって少しでも参考になればうれしいです。
※なお記載内容は都内の話ですので、地方となるとまた話が変わってくるかもしれません。ご了承ください。

用語の意義

「事業会社」と「会計事務所」なんて言葉がありますが。意外と業界の外の人は使わない言葉なんですよね。
今回は、事業会社とは自ら製品を作ったり売ったりするような会社、つまりその会社自身が主体となって事業を運営しているものをイメージしてください。
それに対し会計事務所は、事業会社に対して申告業務や記帳代行などのサービスを提供している会社、と考えていただくと良いでしょう。もちろん個人に対するサービス提供も含まれますが。

会計事務所は「透明の箱」

私は、会計事務所のことを「透明の箱」と表現するようにしています。
ちょっと言っている意味がわからない?
そうですね、これはなんというか…会計事務所自体には色がない、ということです。

ちょっと極端な表現に聞こえるかもしれませんが、税務申告とか会計関係の仕事ってそれ自体に色はないと私は思っています。その仕事自体はすべての会社に共通して発生するお仕事です。なので無色です。
つまり会計事務所の色っていうのは、その会計事務所が抱えているお客様である事業会社(や個人の方)の色(特徴)、それがその事務所の色として反映されているんじゃないかな、と考えているわけであります。

なんでいきなりそんな話を?

これは、単純に私の反省なのですが、特にこれから会計業界に足を突っ込もうとしている方々は会計事務所に就職するぞ!を目標にしないでくださいね、って話です。きちんとその事務所がどんなお客さんを抱えているかしっかり確認してください、ということです。
Twitterやnoteをご覧になっている方々はそんな愚かなことはしないと思うのですが、当時は会計業界の知り合いも全くおらず、勉強のためのSNSなども一切やってなかった自分にとっては、事務所のカラー、特色なんて全く考えていませんでした。

この一歩目を踏み間違えると、自分のやりたいことと違うことを下手したら生涯にわたってやることになります。いや生涯というのは大げさですね。それはさすがにありませんが、将来の選択肢を狭めてしまう可能性が十分にあります。
それでは今回も前置きが長くなりましたが、過去勤めていた会計事務所について振り返りましょう。

1社目:不動産投資特化型の会計事務所

転職時のスペック、状況
■ スペック
当時の年齢:24歳
職歴:2社(事業会社1年+3年※バックオフィス職ではない)
保有資格:日商簿記2級

■ 状況
今から10年近く前の話でしょうか。若いし!日商2級もあるし!と息巻いて転職活動チャレンジするも、全然採用してもらえませんでした。面接の数はどのくらいだろうなぁ。少なくとも10社以上は受けていたと思います。
今となっては求人の探し方もいけなかった(ハロワとかリクナビを利用)気もしますが、当時はまだいうほど売り手市場じゃなかったのかもしれません。

その後、苦戦しつつもどうにか採用してもらった会計事務所に転職することになったのですが、それが不動産投資特化型だったというわけです。

入社時には不動産投資特化型の事務所がどういう仕事をするかなんて微塵も考えてませんでした。上記に記載の通り会計事務所に就職することをゴールとしてしまっていましたし、それ以外の選択肢がなかったため。
お仕事自体は不動産投資とかそういう系なので、会社法だけでなく金商法関連のお仕事があったり、その会社ならではの経験はできたように思えます。
とはいえ私がやりいのは事業会社、できればIT系の会計税務業務!だったため早々に転職を決意することとなります。
まぁ業務内容だけでなく労働環境も劣悪だったのですがその話はまた改めて。

2社目:超小規模のベンチャー会計事務所

転職時のスペック、状況
■ スペック
当時の年齢:26歳
職歴:3社(事業会社1年+3年+会計事務所2年)
保有資格:日商簿記2級、全経上級

■ 状況
2社目で働きだすころには世の中的にもだいぶ売り手市場になっているように感じました。転職のタイミングは税理士試験の翌月9月入社が目標。
簿記論・財務諸表論を受験した後(=科目合格なし)2週間くらいで8件面接して7件内定をもらいました。

この時に感じたことは、この業界で内定を得るために大切なことは資格よりも経験ということです。中小規模の会計事務所への就職にフォーカスするなら専念して科目合格目指すより週3日パートでも働いておいたほうが有利な印象です。ちなみにBig4はまた別次元の話です。Big4行きたいなら若いうちにさっさと科目をそろえるのが得策です。

7社のうちから選んだ理由
7つのうちどういう基準で会計事務所を選んだかというと、業務内容や待遇にはそんなに差がつかなかったので、人で選びました。
これ、今回の主題とは離れてしまいます。離れてしまうのですが言いたいので言わせてください。
結局会計事務所の仕事って、どこも「申告書を作成する」というゴールは一緒だなと思ったので、「何をするか」はもう固まっているんですね。そうなると次に大切なことは「誰とするか」だと思いました。
もちろん面接でわかることって限られた部分なのですが、7社の中で一番「この人たちと一緒に働きたい!」と思えるところの内定を受けました。
ちなみにその事務所は7つのうちで一番規模が小さく、オフィスも最もボロボロで汚い事務所でした。(なお面接でオフィスの引越しは確約してくれていて、その後本当に引越しており今はとてもきれいなオフィスです)

これが結果的によかったようで、人間関係は良好だし私がやりたいとさんざん言ってた業界のお仕事もさせてもらえましたし、試験勉強にはめちゃくちゃ理解あるし。労務的には怪しいところもありましたが、ここの事務所で働いていたから法人税は1年で合格できたんだろうなって思います。本当に感謝しています。

3社目:いわゆるBig4

転職時のスペック、状況
■ スペック
当時の年齢:29歳
職歴:5社(事業会社1年+3年+2年+会計事務所2年+1年+α)
保有資格:日商簿記2級、簿記論、財務諸表論、法人税法
■ 状況
実は私はBig4で働くつもりはさらさらありませんでした。というか普通に無理だと思ってました。英語できないし。
ボチボチ事業会社に戻って経理でもやるか~と転職エージェントに登録していたわけですが、そこでBig4の求人をみつけます。
その求人をみて、せっかく会計業界にいるのだから最後に記念受験だけしておこうと思い4社に応募。想定通り3社は書類落ち。残りの1社でなぜか採用していただきました。
当方、当時科目合格も3つしかなくて、年齢もそこそこいってて、かつ学歴も低い、さらにはJobホッパーのダメ人間ですが、たまたまラッキー。タイミングが合ったようでBig4で採用してもらえました。
余談ですがBig4の採用って結構波があると思います。(中途は特に)なので、タイミングが悪いと私よりスペックが良くても不採用になってしまう可能性はあると思います。

1社目の悪夢
Big4では主に法人税を扱う部署で採用をもらったのですが、ここに一つ落とし穴がありました。この部署の中でさらにチームが分けられているのですが、そこで少し特殊なチームに配属されてしまったのです。
なんでそのチームに配属されてしまったかというと(これは実際に言われたわけではないので憶測ですが)、1社目の不動産投資系の会計事務所。ここの経験で配属が決まってしまったように思えます。
そして私はBig4で勤務している間も1社目の会計事務所の経験により、自分の望まない業種の申告書を作成することになるのです。。。
こうやって、知らず知らずのうちにした自分の選択が将来の道を狭めてくんだなぁと痛く反省した次第です。

まとめ

今回のnoteの最初に私は、会計事務所のことを「透明の箱」と表現しました。これは、会計事務所で働いている人たちにも同じことが言えると思います。これから会計業界で勤務しだす方はまだ「透明の箱」の状態です。これから会計事務所でいろんな経験を積んで、その人なりの色がついていきます。
その後のキャリアは、どうしてもその色をもとに選択肢が形成されていきます。もちろんそれらをぶった切ることも可能ですが、いろいろ犠牲も大きいでしょう。キャリアを決定する際にはその色についても考えたうえで選択していきたいものです。

開業を目の前にしたこのタイミングで、自分は今何色なんだろうな、今後どういう色になっていきたいんだろうなとふと思ったため書き起こすことにしました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです!おしまい!

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