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プロジェクト・ファイナンス

プロジェクト・ファイナンスとは、
貸し手側が利払いと元本の返済を当該プロジェクトの資産およびキャッシュフローに全面的に依存するかたちで行うプロジェクトへの資金調達方法。
企業全体のキャッシュフローと財務体力に依存するコーポレート・ファイナンスとは対照的。

米国では、発電所の資金調達にはプロジェクト・ファイナンスが一般的に用いられる。
銀行団は喜んでプロジェクト費用の大部分を融資する。
なぜなら、キャッシュフローが通常のビジネスに伴うリスクの大半から切り離されたものとなることを銀行団が承知しているためである。

プロジェクト・ファイナンスでは、
有限責任の特別目的会社が直接借入、
その資産とキャッシュフローを担保として差し入れる。
特定のプロジェクトから提供する親会社本体の負うリスクは最小限のものとなっているという融資は、
プロジェクト・ファイナンスと呼ばれている。
国際的な大銀行の得意とする手法。
プロジェクト・ファイナンスとは、
プロジェクトによって裏付けられている負債であり、
プロジェクトを提供している企業によって裏付けられているものではない。
大抵、プロジェクト・ファイナンスの負債比率は極めて高くなっている。
負債比率を高くできるのは、
負債がプロジェクトの資産だけではなく、
プロジェクトの所有者に加えて、
プロジェクトの顧客や供給業者、および地方政府が提供するさまざまな契約や債務保証によって裏付けられているためである。

■プロジェクト・ファイナンスの特徴
・プロジェクトは、別会社として設立される。
・持分権は少人数の投資家により保有されている。こにれは、通常、プロジェクト失敗するリスクを共同負担する請負、管理業者が含まれる。
・プロジェクト会社は、リスク分散のため、ステークホルダーと複雑な一連の契約を締結する。
・政府がプロジェクトのために必要な許可書の付与や外貨取得の許可などを保証することもある。
・資金の約70%は、銀行融資やその他の私募借入の形式で調達することが可能。この債務は、プロジェクトから生じるキャッシュフローにより裏付けられる。

プロジェクト・ファイナンスは準備にコストがかかり、
その債務にかかる金利は相対的に高い。
なぜ、企業は既存の資産を担保とした借入により資金調達を行わないのか?
ほとんどのプロジェクトは、確立した技術を採用しており、後に続く収益性の高い投資を行う選択肢がない。
このようなキャッシュを経営陣が使う裁量の余地がない。よって、投資家に還元する。
また、プロジェクトが成功するかどうかは、多くの異なる関係者の成果次第である。
プロジェクト・ファイナンスはステークホルダーが協調して、政府が制裁的な行動をとる可能性を下げることを考慮している。

■プロジェクト・ファイナンスをよく利用するプロジェクト
・政府系も関与するメガプロジェクト
・政治的に不安定な地域のプロジェクト
・異質なパートナーとの合弁事業