ファイナンス~永久成長率
ファイナンスの現在価値を求めるときのキャッシュフローの推計に関しての考察です。
FCF=EBIT(利息及び税金控除前利益)-税金+減価償却費-資本支出-増加運転資本
現在価値を求める際に重要となるのが、FCFの残存価値と割引率。
FCFの残存価値を求めるのに、数値を決めかねるのが永久成長率。
永久成長率の設定は下記3つが使われることが多い。
1.インフレ率
2.GDP成長率
3.過去の企業成長率
インフレ率に関して、長期インフレ率を反映させる必要があり、
保守的な立場からもインフレ率を用いるのは適切であると考えられる。
永久成長率は
国債=GDP実質成長率+インフレ率
GDの実質成長率=労働人口の成長率+総合生産性の成長率
米国であれば、1.5%~2.0%程度。
日本であれば、0.5%~1.0%程度。
この数値からインフレ率は米国1%前後、日本0.5%前後、
永久成長率を採用する。
企業価値を求める際に重要となるのが、
FCFの残存価値と割引率。
割引率に関連するノーベル賞を受賞している重要な理論を紹介する。
1958年に企業の資金調達の最適資本構成に関して、
完全市場においては資本構成は企業価値に影響を与えないと論証する学者が現れた。
モジリアーニとミラーであり、MM命題と呼ばれる。
MM命題の前提となる完全市場の定義は下記。
1.取引される証券にかかる情報は市場参加者のすべてに一様にコストなしに伝わる。
2.資本市場への参入障壁がなく、またどの市場参加者も価格に影響を与えるほどの力をもっていない。
3.資本市場への参入に伴うコストはなく、証券の取引は自由に行われる。
4.税制は存在しない。
この完全市場では、資金調達の種類に関係なく、企業価値は決まる。
世の中、税制があるため、資金調達によって、企業価値の最適資本構成を考えることになる。