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論語~学而第一

論語は、2500年前の古代中国の聖人、孔子についての書物のことです。
「論語」は、「孟子」「大学」「中庸」とあわせて中国儒学における「四書」の一つです。

論語は、孔子が弟子と問答した内容を、
孔子の死後に弟子が書物(20編512文)として残したものです。

孔子は、
春秋戦国時代の末期(紀元前551年頃)に、現在の中国山東省にあたる魯国で生まれました。
50代の頃に、自分の力で、道を切り開き、政界に入ることができました。
その後、失脚してしまい、魯を離れて各地を歩きまわります。
そして、60代の頃には、私塾を開きました。
孔子の私塾には、3000人もの生徒がいたとされています。
そして弟子たちは「論語」を元に、
孔子の教えである「身分制秩序の再編と仁道政治」を奉じて「儒教(儒学)」を確立しました。

論語は、社会の中にいながら社会を見る教えです。
現代でも、儒教の教え、信(信用)、義(義理)、仁(思いやり)、礼、智に代表されるように、
日本の道徳にも大きな影響を与えています。

20編毎に解説をしていきます。
第一編の学而第一とは、私たちはなぜ学ぶのか?との問いです。
孔子は、社会を平和に治めるために志の道を書経や経験から学ぶためと伝えています。

1.人生は学びだ。学ぶ中で身に着けたことを実践しながら人生に生かす。それにまさる悦びはない。
机を並べてともに学んだ旧友、志を同じくする朋友はかけがえのない存在だ。時を超え、距離を超えても交流を続けたい。
世の中の人が自分のことをわかってくれない。だとしても怒ったり羨んだりしないことが君子だ。

2.考(父母)と弟(年長者)に仕える徳が社会秩序を支える根本である。
日本の道徳を忘れずに社会を考える。

3.巧言令色、鮮し仁。
言葉巧みにお世辞をいい愛想笑いの上手い人に人格者などいない。行動で示そう。

4.吾れ日に三たび吾が身を省みる。
自責に徹した生き方をする。

5.治めるには民から信頼、節約、時をもって民を大切にする。

6.世の中の人々を広く愛し、詩経、書経を学ぶ。

7.賢人を尊敬、父母に力を尽くし、主君に身を捧げ、友の約束を守る。
誠心誠意、友人への信頼、習っていないことは伝えないこと。

8.学べば即ち固ならず。忠と信を生き方の中心にし、自分よりも劣ったものを友人にしない。
学べば学ぶほど柔軟な思考になる。

9.親をしっかり弔い、祖先を供養するなら民の徳は向上する。

10.温良恭倹譲

11.死後3年は親の道を変えないことが親孝行である。

12.礼と和。
誰にでも礼儀正しく争うことなく和やかに。

13.信の心が義の精神であれば約束を守る。

14.食住にこだわらず、仕事をこなし余計なことを言わない。道理に学び学を好む。

15.貧でもなすべき道を楽しむ、富でも礼儀を好む。
学問や道徳に励んで人間性を育み、自分を美しく切磋琢磨する。

16.人の己れを知らざるを憂えずを、人を知らざるを憂える。

まとめ
第一編の学而第一とは、
私たちはなぜ学ぶのか?との問いでした。
人生は学びによって、柔軟な思考になる。
学問や道徳に励んで人間性を育み、自分を美しくする。
「人生を豊かにするために共に学びましょう」
と論語の学而第一は説いています。