モビリティサービス時代の事業企画
モビリティーサービスの台頭により、
自動車製造業者に進化が求められてます。
事業環境の変化と勝ち残りのための案をまとめます。
EVカーの台頭により、
内燃機関ベースのパワートレーンが消滅するリスクすらあります。
EVカーにより不要となることが想定される部品は、
ピストンやシリンダーなどのエンジン本体部品、
カムシャフトやバルブなどの動弁系部品、
インジェクターや燃料タンクなどの燃料系部品、
エアクリーナーやマフラーなどの吸排気系部品、
オイルパンやウォーターポンプなどの潤滑・冷却部品、
イグニッションコイルやスターターなどの電装部品、
クラッチやトルクコンバーターなどの駆動系部品です。
モビリティービジネスの新規領域のピラミッド構造は次の4つの分類です。
1.モビリティーサービスプロバイダー
2.サービスソリューションプロバイダー・システムインテグレーター
3.次世代自動車用キーモジュールサプライヤー
4.次世代自動車用キーデバイスサプライヤー
1.モビリティーサービスプロバイダー
UberやDiDiの自動車の所有から利用へシフトする中、
最大の付加価値創造領域となる可能性が高いです。
2.サービスソリューションプロバイダー・システムインテグレーター
IBMやGoogleのソリューションやシステムが交通サービスおよび次世代自動車の価値の決定要因になります。
運行管理システムやサービス提供基盤。
3.次世代自動車用キーモジュールサプライヤー
MobileyeやNVIDIAのサービス・ソリューション・システムの性能を左右するキーモジュールの重要性が増加します。
統合ECUやダイナミックマップ、バッテリー・マネジメント・システム(BMS)。
4.次世代自動車用キーデバイスサプライヤー
PanasonicやVelodyneのEV用バッテリー、センサーデバイスなどのキーデバイスメーカーが次世代自動車開発・生産の律速になります。
モビリティーサービスの台頭により、
サプライヤーはシステム化・ソリューション提案による収益化を目指します。
システム化とは、単体の製品供給から物理的・機能的に接合界面を有する機能部品を取り込み、
より複雑度を高めて複合機能部品化すること。
例えば、電池セルは、LiBの開発が一巡し、最適なBMSや放熱システムを統合したシステム化を進めている。
ソリューション提案とは、未知の顧客ニーズをつかみ、提案型で解決策を提示すること。
例えば、HUDは、デジタルコックピットシステム化が進み、運転者の新たな体験価値の提供に向けたソリューション提案が進めている。
ニーズの把握から、
未来の社会トレンドを分析し、自社独自コンセプトを立案する。
バックキャストで、ソリューション提案を描くことが大切。
各OEMの長期戦略や既にあるニーズを補足するフォアキャスティングによるソリューション描画も並行して進める。
ソリューションのFS(フィージビリティースタディー)は、KPIや組織体制の整備、
エンドユーザーへの訴求価値を社会トレンド分析やヒアリング調査をもとにエビデンスとして示す。
OEMへ売り込むため、ソリューションの展示会をした方が良い。