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ザ・プロフィット~どうすれば、ビジネスで利益を生み出せるのか?

どうすれば、ビジネスで利益を生み出せるのか?
23の利益モデルを紹介している
ハーバードビジネススクールを修了してコンサルティング会社を経営する
エイドリアン・スライウォツキー著書の
「ザ・プロフィット」を紹介します。
2002年に発行された本ですので、
2020年現在、厳しい利益モデルもあるかもしれません。

1.顧客ソリューション~顧客を知ることが利益のはじまり
顧客中心主義のサービス提供だと認識した。
プロダクトアウトからサービスインの発想転換。
カスタマイズにならないよう、ITを駆使する。

2.製品ピラミッド~ファイアウォールで利益を守る
製品グレートを例えば3グレード用意する。
稚拙な製品設計は、
ハイオク、レギュラーのようにハイオクを選択する顧客が少ない設計。

3.マルチコンポーネント~同じ製品で異なるビジネスを
販売チャネルが異なる。
飲料水をスーパー、高級レストラン、ホテルで販売する場合、
需要が異なるため売値は異なる。

4.スイッチボード~臨界点を目指す
オスカーのように多くのキャストを抱えていれば、
タレントを派遣するときに交渉力を持つ。
ある支配権を持つほどに重要な要素を押さえること。

5.時間~粘り強さが生み出すスピード
先行者利益のこと。
二番煎じが参入する前に利益を得るモデル。

6.ブロックバスター~大ヒットを創造するマネジメント
破産した米国のレンタルビデオ屋の名前からとったのか?
新薬開発のような当てれば大きいビジネスモデル。
確率論から財務諸表を予測する。

7.利益増殖~一つの資産から様々な製品を
技術、資産、知的所有権が複数の製品やサービスから利益を生み出すモデル。
例えば、ミッキーマウスは、
キャラクターにより
映画、遊園地、おもちゃ等、複数の利益を生み出す。

8.起業家~利益追求に邁進する情熱
一人一人が企業家となり利益を生み出すモデル。
リクルート社のイメージか?

9.スペシャリスト~すべてを知り尽くす事の強み
顧客のシステムを熟知するインテグレータとなりサービスを提供するモデル。
ゼネラリストかスペシャリストかによって粗利益は10~15%異なる。
SAP、セールスフォースのSI屋さんのイメージか?

10.インストール・ベース~売り手が主導権を握る
コピー機やカミソリのように、
ハードウェアを安く販売して消耗品で儲けるモデル。
キャノンやジレットのビジネスモデル。

11.デファクト・スタンダード~未来を計画できる立場を掴む
マイクロソフトのWindowsモデル。
PCのデファクトを獲得したことにより、
抱き合わせOfficeも莫大な利益を享受した。

12.ブランド~人間の心に潜む非合理性
ブランドによって価格が異なるモデル。
原材料は同等+αとしてもレクサスとカローラではブランドコストが異なる。
ブランドは現在もビジネスにおいて成否を分ける要因である。

13.専門品~ニッチな市場を深く掘る
ユニークな製品やサービス、ニッチ市場のモデル。
ヘアサロン専門店のシャンプーやヘアドライヤ等。

14.ローカル・リーダーシップ~点から面への拡大
特定の地域で圧倒的なシェアを獲得するモデル。
元々、ウォルマートが都市部以外で急速に勢力を拡大した事例。

15.取引規模~信頼関係がもたらす巨大なリターン
規模の経済性モデル。
同等の製品を100個作る企業は1000万個作る企業に原価で敵わない。

16.価値連鎖ポジション~コントロール・ポイントを制する
バリューチェーンの重要な機能を押さえるモデル。
例えば、一時期、
家電量販店がバイイングパワーで電機メーカーから権力を奪っていた。
また、現在では、amazonが小売の覇者になっているのもこのモデル。

17.景気循環~わずかな価格差をめぐるゲーム
景気が循環しても安定して利益を出せるよう、
損益分岐点を引き下げておくことで利益を生み出せるモデル。
他社よりも固定費、安い変動費である企業が、
景気低迷時に大きな利益を生み出すことが出来るモデル。
代表例はトヨタ自動車。

18.販売後~フォローアップの潜在力
販売後にフォローアップ製品により利益を生むモデル。
例えば、スマホ販売後、ケースやストラップ、画面フィルタといった製品です。
販売後にお金を落とすところも抱き込んだビジネスを考えたい。

19.新製品~真っ先に波を乗り換える
自動車やコピー機といった新製品を上市して利益を生み出すモデル。
5年ほど利益を維持できる製品群をイメージしたモデル。

20.相対的市場シェア~ビジネスにおける重力の法則
相対的市場シェアが高いことで、規模の経済が働き利益を生み出すモデル。
シェアを高くすることで、購買競争力、製造コスト等、研究開発費等が低くなる。

21.経験曲線~学習の累積がもたらす知恵
経験によって、製造コストを低くして利益を生み出すモデル。
代表例は、トヨタのカイゼン活動。

22.低コスト・ビジネスデザイン~早く動くより早く着手する
ビジネスモデルそのもので低コスト運営より利益を生み出すモデル。
代表例はQBハウス。先行する競合とは違うビジネスモデルを構築して参入する。

23.デジタル~10倍の生産性を生む源
デジタルに移行することで利益を生み出すモデル。
代表例はテレビ事業。
ブラウン管からデジタルTVへの移行期に、コスト競争力の高いアジアメーカーが相次いで参入した。

ITビジネスをベースとして、
まだまだ応用できそうな利益モデルと
すでに厳しい利益モデルへ選別しました。

■2020年現在まだまだ応用できそうな利益モデル
1.顧客ソリューション
5.時間
7.利益増殖
8.起業家
9.スペシャリスト
11.デファクト・スタンダード
12.ブランド
16.価値連鎖ポジション
21.経験曲線
22.低コスト・ビジネスデザイン

■2020年現在厳しい利益モデル
2.製品ピラミッド
3.マルチコンポーネント
6.ブロックバスター
10.インストール・ベース
13.専門品
14.ローカル・リーダーシップ
15.取引規模
18.販売後
19.新製品
20.相対的市場シェア
23.デジタル

2020年現在、
ITを利用したビジネスが当たり前となり、
すでに多くの利益モデルの寡占化が進んでいます。
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サブスクリプションモデルフリーミアム広告モデルといった
ITビジネスをベースとした利益モデルへ今後も変化していきそうです。