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【備忘録】NYで妊娠をした話 其の壱

題名の通りで、ここNYで妊娠をしたら、とても大変だった
と言っても、これは1年近く前の話で、
当時はまだ妊娠初期でようやく初診、というところなのだけど、
たぶんアメリカの保険制度に慣れていない多くの人は同じように初診に漕ぎ着けるのに苦労することも多いと思う
なので、ちょっと備忘録的に書き残しておこうと思う

1. 妊娠発覚

ここで躓く人はあまりいないと思うけど、日本と同じようにまずは妊娠検査薬で調べる
妊娠検査薬はRite AidやWalgreensなどのファーマシーで普通に棚に並んでいるけれど、排卵検査薬も横に似たパッケージで並んでることも多いので、きちんとパッケージを確認すべし
どれも確度は99%とか変わらないけれど、生理予定日の前後のどのタイミングから使えるか、という違いがある模様
自分の好きなものを選べば良いと思います

2. 保険の確認

何はともあれ、ここから始まる、病院探し
アメリカの保険は、どの保険のどのプランに入っているかで行ける病院が変わってくる、というのは、ちょっと調べればすぐ出てくるので詳細は省くけれど、私のパターンを細かく書いておきます

私が加入していたのは、EmblemHealthという会社のEssential Plan 4というプランで、HMOプラン
CoPayやDeductibleが全て$0で、プランに含まれている治療の範囲内は全て無料というありがたいプランだが、使える病院(というかドクター)がある程度限られてくる
HMOプランであるということで、最初にPCPと呼ばれる登録している総合内科医のようなかかりつけ医を通して、各専門医に紹介状を書いてもらう、というのが基本
ちなみに、EmblemHealthのウェブサイトにログインして、使えるとなっているドクターを調べて予約しても、ダメなこともあるので電話での確認が必須だった

この保険がクセモノというか、私がアメリカの保険の制度をきちんと理解していなかったり、夫がフリーランスで会社から出されているわけではないということだったり、この保険に入ったときにMedicaidのカードも一緒に送られてきたことが、病院の予約をとても複雑にした

3. 病院に予約

とりあえず、PCPに予約を入れればいいのか?ということで、病院に電話してみた
病院はいろいろ検討したが、PCPもMount Sinaiだし、家の近くの方が楽だろうということでMount Sinaiにしてみようということになった
PCPの名前と、予約したい理由を聞かれ、妊娠検査薬でポジティブだった、というと、妊娠の場合はPCPに会う必要はないので直接産婦人科(OB-GYN)に電話せよ、と言われ、電話番号をもらう
その電話番号に電話すると、あちこちにたらい回しされて、30分くらいあちこちと話してようやく予約取れそうな感じになった

自分の名前、生年月日などの情報を伝えたあと、保険の情報を聞かれ、保険会社の名前とプラン名を伝えると「Medicaidか否か?」を聞かれた
保険加入時にMedicaidのカードが送られてきていたことで、Medicaidなのかも?と思い、イエスと答える
それをもとに、ひとまず妊娠の確認(Confirmation of Pregnancy)をするための予約を翌日にさっくり取れて一安心した

4. いざ、病院へ

翌日の予約の時間に合わせて、病院へ向かう
コロナ以降、病院へ入るのにチェックインがいろいろあったりするが、特に問題なくスルスルと進む
病院の中をとにかく進み、OB-GYNのクリニックに到着し、OB-GYNにチェックイン
免許証などのIDと保険のカードを出して、諸々コロナ関係の質問をされ、無事チェックイン終了

…かと思いきや、なんと私の保険はMedicaidじゃないのでここでは受け付けていないと言われた!
どういうこっちゃ、と聞いても、これはMedicaidではなく、Private insuranceなので、ここではなく別のところへ行け、と言われる
どこへ?と聞いたら、プリントアウトしてくれた地図と住所+身振り手振りでこうこうこういうふうに行け、と教えてくれたので、いったんそこを後にした

問題は、プリントアウトされた住所と、身振り手振りで教えてくれた場所の住所が合わないことだが…
とりあえず身振り手振りで教えてくれたところに向かい、迷いながらもたどり着いた
状況を説明し(保険がMedicaidじゃないので受け付けてもらえなかった、ここに行け、と言われた)受付のお姉さんが電話したりして確認してくれたが「保険は大丈夫だけど、まずはPCPに会って紹介状をもらってこないとここでは診られない」に加えて「(プリントアウトしてもらった地図の場所)に予約を入れてから診てもらうしかない」と言われた…
今日このまま行っても診てもらえないのか?と聞くと、予約が必要、と…
そこに行くのにまずPCPに会わないといけないのか?と聞くと、そうだと言われたので、こりゃもう意味ないと思い、いったん帰宅することにした

5. 仕方ないのでPCPに予約

よくわからないけど、結局PCPに予約しなきゃいけなさそうなので、もう一度電話して予約しようとすると、同じように「妊娠はPCPに会う必要がないので、OB-GYNに直接電話して」と言われる
それで行ったが、PCPに紹介状をもらえと言われた、と言っても、必要ないの一点張りで予約取らせてもらえない
なので、その場ではOK, Thank youと言って電話を終わらせ、翌日直接病院に行って説明し、予約を取れないか聞くことにした

翌日、病院に行くと若い黒人のお兄さんが対応してくれた
この番号に電話して予約せよ、と言われるが、予約しようとしたが妊娠はPCPに会わないでいいと言って予約してもらえないと言うと「予約の理由は言う必要がないし、それの必要がないと言われてもとにかくPCPに予約したいで通せばいい。それでダメだったらヘルプするから、また来て」と言われた
ここまでは予想通りだったので、その場の病院のロビーで電話して予約を試みてみたら、別の人だったのかすんなりPCPに予約できそうな感じになった
が、予想外だったのは、一番直近のアポイントメントが8月の終わりだということ!!
それじゃ遅すぎるということで、ちょっと検討すると言って電話を切って、受付のお兄さんに状況を説明したら、結局その場で私の保険を受付けてくれる別のドクターにアポイントメントを入れてくれた
結局ここで出来るんかーい!とも思ったけど、いろいろやってくれたし、とりあえずPCPに会えることになったので、進歩ということで病院を後にした

6. PCPに会う

PCPに会えたのは、予約を入れた翌週だった
普通に病院にチェックインし、呼ばれたらナースのお兄さんに身長・体重・体温・血圧などを測ってもらう
PCPに会って、既往症や今服用している薬、ドラッグ・アルコール・タバコの習慣などを聞かれ、生理の周期は安定か、最後の生理はいつか、などを聞かれる
最後の生理の話のところで、少し遅れてるね、それで来たの?と聞かれたので、一応今までの経緯を説明すると、やっぱり妊娠のときはPCPの紹介状はいらないはずだけどね、と言われる

そこで、妊娠をこのまま継続する場合は、どれくらいの段階でどういう検査が必要になってくるかなどを説明された
何かPrenatal Careをしているのか、と聞かれ、サプリなどは取っていたがそれがPrenatal Careと言えるのかわからなかったので、何もしていないと言うと驚かれた
じゃあPrenatal Vitaminsを処方するね、と言って、かかりつけのファーマシーの情報を聞かれたので、すぐそこの〜と伝える
OB-GYNの予約はしたのか、と言われたので、それはさっき言ったように〜と言うと、もう初診のタイミングまであまり時間がないし、そんなにすぐ予約取れるのかわからないよ、結構ギリギリだね、みたいな感じでぴよぴよ言われる
どのロケーションのどの先生に見てもらいたいの?と聞かれたけれど、特に希望はなかったが、先週そのロケーションに行ったんだよねって言ったら、ここはもっとハイリスクの妊娠をしてる人たちの特別な課だから紹介状が必要なんだ、と言われて、先週の話にちょっと納得
結局、保険のことも調べたりしなきゃいけないので、特定の誰かに対しての紹介状ではなく、Open Referralということで書いてもらった

そのあと、一応、尿検査をして妊娠の確定をしてもらい、病院は終了
となるはずが、ファーマシーに行ってもいつまで経ってもPrescriptionが送られてこないので、結局一度病院に戻ってPrescriptionのことを伝える
ドクターは帰宅済みだったので、ドクターに連絡してもらい、のんびりとロビーで待つこと20分、ファーマシーに送られたというのを確認してファーマシーに戻って、薬をピックアップし帰宅した

7. もう一度、病院の予約

紹介状は同じMount Sinaiのネットワークにしか有効じゃないとのことなので、Mount SinaiのOB-GYNのドクターとEmblemHealthのサイトで私の保険を取り扱ってるとなってるドクターを照らし合わせ、直近で空いてる日付がちょうどいいドクターを見つけてWebから予約してみた
電話で何十分も待って予約しても、Webから予約しても、どうせ電話がかかってきて確認されるので、ひとまずWebからやってみた

翌日、予想通り電話がかかってきて、諸々確認されたが、予約内容を間違えていたらしい
ただ、そこはそれほど問題ではなかった
私の保険のプランを確認され、Medicaidか否かとまた聞かれたが、以前Medicaidじゃないと言われたので、それはNoと言ったら、この保険はどうやって入ったのか?と聞かれた
Through your jobなのか、Companyなのか、Governmentなのか?と
私は実はそこがクリアではなく、フリーランスの夫が以前入ってたものにそのまま同じプランに入れてもらっただけなので、はっきり言えることは会社での加入ではないということのみ
なので、詳しくはわからないが、と前置きして、上記の説明をしたら、確認して折り返すと言われて一度終了
すぐ電話がかかってきて、結局私の保険ではダメなので予約はキャンセルしなければいけない、となってしまった
保険会社のウェブサイトに載っていたのに?と言ったのだが、結局ダメだったのでこの予約はキャンセルした

8. 保険会社に確認

ここに来て、自分達の保険がMedicaidか否か、その他病院に何か聞かれたらどう答えるべきなのか、というのを保険会社の担当の人に直接電話して確認することにした
(その前に保険の内容をもう一度ウェブサイトでいろいろ調べ、Governmentから出されているプランであるということは確認済み)
以前、保険に加入したときに担当してくれた人の名刺を探して電話したら、なぜか私のアプリケーションは持ってないと言う
別の人が担当したんじゃないか?と言われるが、正直私も覚えてないので、私の情報はlook upできないか?と聞くと、一応look upしてくれた
するとなぜか保険がActiveじゃないと言われるが、それはおかしいので、もはやそれは大丈夫だから、と言って質問することにする
ひとまず、自分のプランはMedicaidなのか確認すると、Medicaidと同じベネフィットはあるがMedicaidではないと言う
なので、病院からMedicaidか?と聞かれたらNoと答えればいいのか?と聞くと、答えはYesと
とりあえず確認したいことはそれなので、ありがとうと言って電話を切った

9. 三度、病院の予約

必要な情報は揃った(と思う)ので、もう一度病院の予約に挑戦
あまり時間がないので、EmblemHealthのマイページから検索して出てくるMount Sinaiのドクターに片っ端から電話することにした
が、Mount Sinaiのドクターは、私のプランを受け付けてるとウェブサイトでは出てくるにも関わらず、私のプランのネットワークは受け付けていないとか、Medicaidなら受け付けている、と言われて断られてしまうのが続いたので、Mount Sinaiではないドクターもトライしてみることにする

検索して家の近くで出てきたドクターのオフィスに電話したが、同じように保険の関係で断られてしまったので、もう一度検索して一番上に出てきたドクターに電話してみることにする
電話がつながってまずは「予約をしたいのだが、その前に保険を受付けているか確認したい」と伝えると、保険会社とプランを聞かれたので、自分のプランを伝えたところ、受け付けているとのこと
それならば予約をしたいと伝えて、名前や生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、保険のIDナンバーなど聞かれたことを伝えると、すんなりと予約完了

そういえば、EmblemHealthに関しては、この病院ではHIPかGHIかと聞かれたのだが、EmblemHealth自体がGroup Health Incorporated (GHI)というものとHealth Insurance Plan of Greater New York (HIP)というものが合併してできたものらしく、私の場合はHIPというGovernmentから発行してもらっているプランだったが、GHIのプランに属しているものもあるらしい
他の保険会社ではどうなのかわからないが、細々とした保険の詳細をきちんと把握することも必要な場合もある模様

メールアドレス宛にPatient Portalの登録をするリンクを送られ、それに登録しておけば直接ドクターとやり取りしたり、予約の設定や変更もできるので、そちらも登録しておいた

ようやく、保険も受け付けてくれることが確実なドクターに予約ができた
ここまで、妊娠発覚から2週間以上かかった

10. 今は予約の日待ち

というわけで、だいぶ遠回りをしたけれど、今はまだようやく予約が取れて、予約の日を待っているところ
アメリカは、妊娠での初診は8週目以降が基本のようなので、ちょっと先だが9週目あたりの予約なので、ちょうどいいはず

とにかく、アメリカの保険制度はややこしい(少なくとも、日本人にとっては)
駐在の人や現地採用で会社勤めの人はまた保険でカバーされる範囲も違うだろうし、自分の保険会社とそのプランの詳細を確認することがまず大事

なにしろ、アメリカはなんでも自分で動かなければならないので、保険のことを知るのも自分で頑張るしかない
ネットにはたくさんアメリカでの妊娠出産について書かれているものがあるけれど、所違えば保険の内容やプランも変わるし、全てが自分の状況に当てはまるわけではないので、そういうものは「誰かが経験した一般的な話」としての知識としておいて、まずは自分のことを把握しないとダメだ、としみじみ思った

其の弐へつづく…


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