今もカズレーザーの弟子?ロンハー出演で話題となったフランスピアノを直撃!!
身近なお笑い芸人さんから聞いた話を、ゆる~く綴る『ぶらり芸人日記』。
今回は、昨年末テレビ朝日『金曜★ロンドンハーツ』に出演し、カズレーザーさんの弟子志願をして話題となったフリーランス芸人・フランスピアノのなかがわりょうさん(25)、そして、その相方の山本陽平さん(24)です。
2回目にして知り合いから離れ、早くも自分で作ったルールを打ち破っております…。
知り合いの芸人とみやんさんのツテを借り、なんとか辿り着いた2人。この日は新宿バッシュのお笑いライブ『コントおじさん』に出演するということで、その観覧後にお話を伺いました!
コンビ結成の理由は「そういえばやったことないな」って感じ
——まずはフランスピアノ結成の経緯から聞かせてください
なかがわ:もともと大学(日本大学 文理学部)の先輩(なかがわ)・後輩(山本)の関係です。同じサークルでしたけど、別々のコンビでやっていて僕の卒業間際に組んだって感じですね。1回試しにやってみようってなって、2015年にNOROSHIって吉本興業が主催する学生のお笑いの大会に出て、準優勝までいったので「相性いいかもな」って思ったのが大きかったです
山本:NOROSHIってけっこう豪華でMCがジャルジャルさんだったりして。最終的にルミネでやらせてもらえるんですよ
なかがわ:で、そのまま僕は卒業して。就職してから月1回ライブ出るくらいのペースで、たまぁにネタやったりしてたんです。お金払ってエントリー制のライブ出たりとかして
——じゃその時はまだ本格的にやっていこうって気はなかったんですか?
なかがわ:ぜんぜん趣味的な感じでした。けど、どっちから言うわけでもなく「お笑いを職業にしたい」と
山本:どっちもなかったですねー
なかがわ:本当になんとなくそういう感じになっていって。じゃ会社辞めるかって
山本:そうなったのが去年(2017年)の2月です
——大学のサークル時代に組んでいたそれぞれの相方は「違うな」って感じありました?
なかがわ:そこまでの違和感はないですけど、「卒業したらやんないだろうな」ってのはありましたね
——結成する前からお互いを「面白いヤツだな」って意識があって結成に至ったんですかね?
なかがわ:いや、まぁ本当に思い出作りみたいな。陽平からだったんですけど、「1回やっときましょうよ」みたいな感じで組みましたね
山本:仲は良かったんで。コンビは違ってもけっこう遊んでたりとか
なかがわ:お笑いサークルってけっこういろんな人と組んだりするんですよ。そもそもあんま固定のコンビっていなくて。で、仲良かったし「そういえばやったことないな」って感じですね。もう2年目に入りました
フリーで活動して丸1年…その理由は“ロンハー”にあった?
——今も事務所に所属してなくてフリーですよね?事務所のオーディションに受かったから会社辞めるとかなら分かるんですけど、何かきっかけはあったんですか?
なかがわ:ロンドンハーツって番組でどっきりの仕掛け人をやったんですけど、あれって僕が会社を辞めてすぐ始まったんですよ
——え、仕事辞めた直後だったんですか!
なかがわ:はい。しかも1年くらいかけてのどっきりだったから、ずっとフリーでいなきゃいけなくて(笑)
——なるほど(笑)
なかがわ:それが解けたのが今年(2018年)に入ってからくらいなんですよ。だから、事務所を探し始めてまだ2~3ヶ月くらいで
——絶対フリーがいいってわけじゃなかったんですね?
なかがわ:とくにフリーにポリシーがあるわけでもなく、周りからの圧というか
——今、狙ってる事務所はあるんですか?
なかがわ:グレープカンパニーさんですね。今日の昼も事務所ライブ出させてもらってて。サンドイッチマンさんとかカミナリさんとか、ネタで頑張っている芸人さんが多いので
山本:入りたいですねー
——ライブの反応はどうだったんですか?
なかがわ:わりと良かった方…?
山本:また向こう(事務所側)から連絡が来ればチャンスはあるかなって感じですね
——今はやっぱりライブ中心の活動なんですか?
山本:ライブと、月1回ラジオの公開収録(ラフターナイト)がある感じですかね
——けっこうオンエアーされました?
山本:何回か。今月(3月)もしてもらえる予定です
——2016年のM-1グランプリでも“ナイスアマチュア賞”を獲ってたりとか、本当にちゃんと結果残してますよね
なかがわ:ただ、そういうのも普通は事務所にオファーとかマネージャーから話が来てって感じじゃないですか。僕らはそういうのないんで。ラフターナイトにしても自分でメール送ってエントリーしてますし、ノウハウに関しても個人的なコネだったりを頼って作っていくしかないんですよね
山本:スケジュールの管理とかお金の管理も大変ですしねー
——ぜんぶ自分たちですもんね…。ちなみに今はどんなバイトをしてるんですか?
なかがわ:僕はラブホテルですね、清掃とフロントを兼務してます
山本:僕は貯金を切り崩してバイトを探してる途中ですね
——まだ貯蓄が残ってる状態?
山本:まぁ一応。去年、仕事辞めてからは働いてないですね
なかがわ:このコンビは特殊なんですよ。サラリーマン経験してる分、めちゃめちゃ貯金があるっていうのがあって(笑)
——え、そんなに稼いでたんですか?(笑)
山本:もちろん徐々に減っては来ていますけど
なかがわ:「わー!」って額じゃないですけど「あるなー」くらいは
——変な話、お金のために働かなくてもいいと。バイトするのはネタ作りのためですか?
なかがわ:いやー…なんか、遊ぶために(笑)服とかプラスアルファ分を稼ごうってだけで
——(笑)ネタを作ってるのは、なかがわさんですか?
なかがわ:はい
——その間っていうか…働いてない山本さんは普段何してるんですか?
山本:『あいのり』とか『テラスハウス』とか見たりしてます(笑)
——“疑似恋愛”を楽しんでると(笑)
山本:メッチャ面白いんで(笑)けっこう芸人さん見てる人も多いし
なかがわ:確かに芸人のファンは多いですねー(笑)
サラリーマン時代、M-1の予選には「外回り行ってきます」とか嘘ついて(笑)
——コンビ名『フランスピアノ』の由来って何かあるんですか?
なかがわ:それが本当に何の意味もないんです。ただ、それじゃダメかなって思って、最近は後づけで考え始めました。“行ったことない場所”と“やったことないこと”っていう。「いや、もっと行ったことない場所あるでしょ!」とかイジってもらえたら…クリアです!(笑)
——クリア(笑)名前を変えようっていうのもないですか?
2人:ないですねー
なかがわ:コンビ名に意味あるってのも恥ずかしいっていうのがあるんで
——なるほど。今日はライブでコントやってましたけど、漫才との割合はどっちが多いんですか?
なかがわ:半々くらい?
山本:この前ネタ数えてみたら、7:3くらいの割合で漫才の方が多かったですね
——漫才とコントのどっちに思い入れがあるとかは?
なかがわ:ないですね、どっちも一緒ぐらい思い入れはあります
——それぞれ目指してる芸人さんはいますか?
山本:僕はさらば青春の光さんです。ネタとかキャラクターが好きですね、オシャレだしカッコいいなって思うし
なかがわ:僕はジャルジャルさんです。純粋に“面白すぎて好き”ですね、笑っちゃうほどストイックですし…それで同じ事務所入りたいとかはないですけど
——見た感じ、吉本の体育会系なイメージに2人は合わない気はしますね
なかがわ:はい、ぜんぜん僕らはそういうタイプじゃないんで。現代っ子だし…僕は長男ですけどこっち(山本)は末っ子だし
——今って長男は安定を求められるみたいな風習ってなくなってるんですかね?
なかがわ:うちはお母さんがめちゃめちゃお笑い好きだったから、そっちの理解はあったかもしれないです
山本:僕も学生の頃からやってたから、「好きなんだろうな」っていうのはあったと思います。オヤジも大学のときに“落研”だったので、お笑いが好きで理解はあった方だと思いますね
——とはいえ、2人とも一度は就職してますよね?
なかがわ:1回働いてみて、満足できたらそれが絶対にいいって思ってたんですよ。でも満足できなかったんですよね、このまま年老いていくのは嫌だなと思って
——就職して2年弱くらいで(笑)
なかがわ:わりと早い段階で思っちゃいましたね(笑)
——具体的にはどんな仕事をしてたんですか?
なかがわ:僕はWiFiを売る営業マンでした。もう時効ですけど、一昨年のM-1の1回戦が平日だったんですよ。どうしても休みがとれなくて、朝会社行って「外回り行ってきます」とか嘘ついて予選に出てました(笑)
それから会社に戻って来て、トイレで結果見て「受かってる!」みたいな
——なるほど(笑)
なかがわ:漫才師とサラリーマンって格好一緒なんで(笑)その辺は恵まれてましたね
——まんまできるっていう(笑)山本さんは?
山本:僕はNHKでニュース番組のフロアディレクターですね。誰も見てないBSの(笑)
——いやいや、そんなことはないでしょ(笑)ちなみにフロアディレクターってADとは別なんですか?
山本:ADがいないんですよ、NHKって。まぁ呼び方の違いみたいな感じです
——仕事は大変でした?
山本:いや…けっこう良い人ばっかでしたし
なかがわ:バラエティの人ほどキツくないでしょ?リサーチとかもないだろうし
山本:(頷いて)ADの人とかって企画からロケまで関わってるから、「お風呂入れない」「寝れない」って人が多いと思うんですよ。けど、僕らは生放送の時しか関わってなくてカンペ出すくらいだったんで
なかがわ:お風呂入って寝てたよな、完全に(笑)
山本:完全に(笑)普通に飯食ってたし。ただ、時間が不規則でしたね…だからそのときは終電で帰ってる間にLINE電話でネタ合わせしたりとか
なかがわ:今思えばお笑いに重きを置いてたんですよ、そういうことしてる時点で
山本:キツいとは思わなかったですからね。普段私服で働いてるんですけど、僕もM-1のときはジャケットだけ絶対に見られないように隠して(笑)予選は仮病使って出てましたね
ロンハーの反響…そして師匠・カズレーザーの魅力とは
——では昨年末(2017年)に放送されたロンドンハーツ関連の話を。番組出演後の反響はどうでしたか?
なかがわ:再放送も含めると、twitterのフォロワー数が1000人弱くらいは増えましたね。あと居酒屋で隣の知らない人に「ロンハ—見ました」って声をかけられたりとかはありました
——1回の出演で顔を判別できるのがすごい…
なかがわ:僕もビックリしました!しかも放送してからけっこう時間経ってたので。けど、それだけやっぱ…みんな見てるんだなーってのは感じましたね
山本:あとは同級生が結婚式で漫才やってくれとか。放送を見て声をかけてもらったのはありますね、本当ついこの間ですけど
——その辺ってフリーの良さでもありますよね、今なら本人の意思だけで動けるじゃないですか
なかがわ:確かに。好きにできるのもありますし、ちょっとですけどたまに入る仕事のお金が100%もらえるっていうのは(笑)いいトコかもしれないですね
山本:ただ、芸人ってテレビ出てナンボなんで。オーディション回って来ないのは厳しいですね
——確かにフリーでテレビ出るってなかなかないですもんね
なかがわ:過去にどっかに所属しててフリーなら分かるんですけど、最初からフリーってなっちゃうと本当にどうしようもないんですよ。アマチュアとの境目もないし、ステップアップするツテもないから
——近々でグレープカンパニーに所属してるかもしれないですけど(笑)
なかがわ:そこは祈ってる段階です(笑)
——ロンハ—の放送後、まだカズレーザーさんとの師弟関係って続いてるんですか?
なかがわ:はい、続いてます
——カズレーザーさんの魅力ってどのあたりですか?
なかがわ:まずネタが面白いっていうのがありつつ…こういうことあんま言っちゃうと営業妨害かもしれないですけど、めちゃめちゃマジメに考えてる方なんですよ。でも、一見そうは見えないじゃないですか。努力とか考えてるところを出さない、そういう感じがカッコいいなっていうのはあります
——芸人としての姿勢みたいなところですね
なかがわ:あとカズレーザーさんって、もともとは地下ライブに出てたような人なんです。そこから一気にドンッてメディアに出たから、そういう部分もカッコいいなって
——2015年のM-1で露出してからですもんね
なかがわ:なんかロマンを感じますよね。自分たちやるべきことを示してくれてる感じはします
——あそこを目指したいと?
なかがわ:芸風とかぜんぜん違いますけど、ライブで力つけて賞レースでどんどんいくっていうのはモデルケースとしてはありますね
——モデルケースってあたりがサラリーマンやってた感じしますね(笑)
ライブは月30本ペース!今後の目標は“王道”をいきたい
——自分たちで主催するライブはあったりするんですか?
なかがわ:あんまりないですねー
山本:けど、他の芸人さんが主催してるライブに呼んでもらったりとかはあります
なかがわ:主催ってなっちゃうとあれですけど、仲良い芸人さんと2組だけでやろうとか。そういうのはやったりしてますね
——ちなみに仲良い芸人さんって誰なんですか?
なかがわ:さすらいラビーさんとか、四千頭身さんとか、東京ホテイソンさんとか…ですね
——そういう芸人さんとやるとファンが増えたりって反響はあります?
なかがわ:増えましたねー
山本:それをきっかけに知ってもらえたりとかはあります
なかがわ:やっぱライブやってないと僕らは何も始まらないので。基本的にスケジュールさえ合えば、呼ばれたライブはすべて受けるようにしてます
——今日も3つライブがある中でお話伺ってるわけですけど、どれくらいのペースでライブしてるんですか?
なかがわ:月に30本くらいですかね
——え、1日1回ライブですか!?
なかがわ:それぐらいやってますね、日でならすとしたら。まぁサラリーマン時代に比べたら実働時間は短いんで(笑)朝も遅いし
——今後の目標はあります?「冠番組を持ちたい!」とか
なかがわ:そうですね、冠番組は持ちたいですね
山本:あと賞レースでいいトコまでいきたいっていうのはあります
——今日日珍しいくらい王道ですね(笑)
なかがわ:王道をいこうかな、と(笑)売れたら高い衣装買って舞台に出たいっていうのもありますし。お笑いで得たお金をお笑いの衣装で使うっていうサイクルをやりたいですねー
インタビュー後記
飄々と独特な話術を繰り広げるフランスピアノの2人。パッと見では分からないクセになるトーン…勝手に若い頃のバナナマンさんを思い出してました。
ネタもめちゃめちゃ面白いです!
失礼ながら、僕はカズレーザーさんきっかけで知りましたが、そういうの関係なく本当に面白い。興味湧いた方は、4月に行われるベストネタライブに足を運んでみてください。
※チケット予約はtwitterアカウント:@tigetnetから
ちなみに僕は行こうと思ってます!
フランスピアノの2人、今後の活躍に期待大です。
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