四月のおわり。
さみしいと
わがままを言った後
きみはそっと
いなくなってしまった
わかっていたよ
一番じゃないこと
でもね
知らないふりをして
いい子のふりをしていたんだ
きみの手があたしの髪に触れて
頬をなでる
順番なんてどうでもいいと
素直に君を想える
見つめる目は優しくて
すぐにでもその唇を
部屋に残った歯ブラシも
もう捨ててしまわないと
ただでさえ
春の風のにおいは
きみを思い出させるのに
カーテンの隙間から差す
まぶしい昼の光
あと少し あと少し と
駄々をこねるあたしを
笑って抱きしめてくれていたのに
今日も冷たい布団で眠る
甘えすぎてしまっていたのね
寄りかかりすぎてしまっていたのね
”いい子”じゃなくなってしまっていたのね
きみがあたしの髪に触れて
頬を撫でて見つめあってキスをして
でもそれはあたしが”いい子”だったから
あふれてしまった「さみしい」を
止められなくてあたしは
ごめんねもありがとうも
伝えられないまま
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