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母への手紙(下書き)

お母さん、60歳のお誕生日おめでとう。

オギャーと生まれてから60年。長かった?短かった? 60歳ってわりと大きな節目の年だから、きっとお母さんも、ひとしきりこれまでの人生を振り返ってるんだろうな。


決して裕福ではなかった子供時代。4人兄弟で唯一の女の子だったから、おばあちゃんからの期待を敏感に感じ取って、息苦しく感じたこともあったと言ってたよね。でも、寮生活をしていた短大時代の話をするときのお母さんは、いつも楽しそうだったな。今でも短大仲間とランチや旅行を楽しんでるの、すごくいいな〜と思って話を聞いてます。私も仲の良い友達とは、年を重ねてもそういう付き合いをしていきたいな。真似させてね。


転勤族のお父さんと結婚し、知らない土地を転々としながら、子ども3人を生み育てた子育て期。インターネットもスマホもない時代、周りに気心の知れた友達もいなくて、きっとめちゃくちゃ心細かったよね…。お父さん、仕事で夜が遅い日もあったし、休日のゴルフ接待も多かったし。夜中に千鳥足で近所のドブに浸かってから帰ってきたこともあったっけ。今では我が家の笑い話だけど、夜な夜なマンションの廊下を一人で拭いて、スーツについたヒルと戦ったお母さんは、絶対ドブに落ちた本人より大変だったはず!


途中からは、じいちゃんばあちゃんとも同居するようになって、また違った大変さが加わったよね。子供心に多少はお母さんの嫁としての苦労を感じ取っていたけれど、実際はもっと計り知れないストレスがあったと思います。ここで多くは語らないけど、いろんなものをグッと飲み込んで、忍耐強く家族と家庭を守ってくれてありがとう。

お母さんはよく「あすかみたいになりたかった」と言ってくれるけど、お母さんは私にない強さを持ってる。なんせ、私は数年で離婚に踏み切ってしまうほど忍耐力のない娘だから…。決して自分には真似できない、芯のあるお母さんの強さを、すごく尊敬しています。


私たち子ども3人が全員結婚してそれぞれ家庭を持ち、お父さんお母さんが2人暮らしをするようになってから、生活はだいぶ落ち着いたよね。2人で旅行したり、おいしいご飯を食べに行ったり。色々満喫してるみたいで、娘目線でもうれしく思ってます。これからまだまだたくさん楽しいことが待ってると思うから、人生の前半で苦労した分、後半はうんと楽しんでね。私もこれからはもう、心配かけないようにするから(笑)。


腰と、おっちょこちょいなミスにはくれぐれも気をつけて。(人のこと言えないけど!) お父さんと仲良く、ずっと元気でいてください。また、孫たちを連れて遊びに行きます。もちろん、うちにもいつでも遊びにきてね。お母さん、大好きだよ!改めて、お誕生日おめでとう。

あすかより



ここまでお読みいただきありがとうございます!普段はクライアントワークが多いので、自分の感性や気持ちと向き合い、表現する場としてnoteを活用したいと思っています。サポートいただいた分は、子どものおやつかオムツに変身するかもしれません(笑)。