見出し画像

赤磐市の児童・生徒の学力実態、教育施策

だんだん秋めいてきました。

赤磐の教育を考える会では赤磐市の基礎的学力が県下、全国的に見て平均以下であり、これを底上げしていくにはどのようにするべきかを考えていくことが一つの目標です。では現時点での学力はどうでしょうか?

平成31年度(令和元年度) 全国学力・学習状況調査結果

昨年度2019年に行われた小学校6年生と中学校3年生の結果を岡山県、全国と比較した表が以下のようです。

画像2

この結果は、全国共通テストで公開されている岡山県市町村別の順位で小学生13位(23市町村中)、中学生11位(16市町村中)

順位はいまいちだし、平均点も県や国の平均点より下だけど、言うほど悪くはないんじゃない?という声もあるかと思います。でもそれは本当でしょうか?

下のグラフは岡山県市町村別中学生の3教科の平均点の分布を示しています。データ数が少ないので、区間の調整で全く異なる印象にはなりますが、正規分布ではないのだろうと思います。つまり、平均あたりといっても、上位グループからはずいぶん離されていると考えたほうがよさそうです。そして、平均と遠慮せず、もっともっと高い学力を目指してもいいんです。事実、県立中学校の平均点は265点とずいぶんと離れたところにあるのだから。

画像3

もちろん、点数だけがすべてではないし、多くの改善が見受けられます。

画像4

「令和元年度 全国学力・学習状況調査」赤磐市の状況 より

アンケートにおいても改善、改悪の両方の傾向がみられます。

<小学校>
・「自己肯定感」の「自分にはよいところがあると思いますか」という問いに対して、「あてはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した割合は、全国・県平均を大きく下回っている。しかも、昨年度よりも9%程度減少(84.0→75.1)している。「ものごとをやり遂げてうれしかった」経験のある児童の割合は、県や全国よりも低い。
・「学習習慣の改善」については、1時間以上家庭学習をしている児童の割合が71.2%で、県を若干下回っているが全国より高い状況である。「家で計画を立て勉強をしている」について、肯定的な児童の割合は県を下回っているが全国とほぼ同程度の割合である。
<中学校>
・「自己肯定感」の「自分にはよいところがあると思いますか」という問いに対して、「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」との回答は、昨年度に比べ減少傾向であり、県より低く全国とほぼ同程度である。 「ものごとをやり遂げてうれしかった」経験のある生徒の割合は、94%であり多くの生徒が達成感を味わう経験をしている。
・「学習習慣の改善」については、「自分で計画を立てて勉強」を「している」「どちらかといえばしている」と答えた割合は、約56%であり県や全国を上回っている。「家庭学習1時間以上」の割合は70%を超え、昨年から約8%伸びている。全国を上回っており、大きく改善した。

これらの改善は、これまで赤磐の教育行政にかかわられてきた方、教職員の皆様の努力のたまものだと思います。

提言

赤磐の教育を考える会では、これらの活動に対して、もっと頑張ってほしいとエールとともに、いくつかの提言をしてきました。

1)授業の創意工夫と学力の充実

フロンティアスクールの設置(集中と成果のデモンストレーション)

2)全学年、全教科の「学習の仕方」を作成して、全自動・生徒に配布して活用する

3)家庭学習・習慣化のための市民運動「60・90」(ろくまる・きゅうまる)運動。

いろいろなツールや方策が県教育委員会や国等からも提案されており、これらの提案がすべて当事者の意を得るものではないと思いますが、ぜひ参考に議論の場を広げていただければと願っています。


和気町の取り組み

赤磐の教育をさらにレベルアップする際に、一つの大きな課題が教育に対しての熱ではないかと考えています。

昨年の調査において和気町は中学校県下1位、小学校県下4位でした。新聞などでも和気町は教育行政にかなり熱心であるといわれています。

勉強不足で、中身の詳細についてはその是非を含めてここでは書けないのですが、教育委員会が作った計画(ダウンロードリンク)の赤磐市との違いを見ていきたいと思います。(赤磐市の教育計画はこちらの記事でも解説しています。)

資料類の出来栄えという点では、白黒、マスコット無の和気町に対して、市民とのコミュニケーションを充実させてきた赤磐市に軍配が上がります。

和気の教育計画では、お決まりの位置づけや組織の話を記載した後、いきなり、お金の話になります。

画像4

赤磐市の教育費比率は13%と支出比率としてはさほど差がないように思います。

しかし、児童・生徒一人当たりの金額で割るとだいぶ見劣りする金額になります。(教育費は小中学校だけではなく、生涯教育で使われているので、実際のところはもう少し調べる必要がありそうです。また、統計資料のタイミングの問題もあり、正確な数字ではないことはご容赦ください)

画像6

和気町と比較して(-44%を)、多いか少ないかを議論するのはここでやるべきではないでしょう。政治の判断ですから。それこそ  Go To 選挙ですね。

ただどのように住民に説明しているか、だいぶ見習うことがあるのではないでしょうか?

和気町では具体的な施策と、その予算が記載されています。中身を見ると赤磐市も実施している、または計画している項目も多いのではないかと思います。しかし、より具体的に、予算も提示して計画を公表しているのといないのでは、計画の効果や信頼性がずいぶん変わってくるのではないでしょうか?

画像6

いずれの計画でも家庭学習であったり、地域を巻き込んだ取り組みの重要性を示しています。共学共創を推進していくうえで、どんなことをやっているんだろうということを具体的に示すのは意味がありますし、費用対効果を市民に監視判断していただくためにも、お金の話は欠かせません。そして、行政が本気で考えた計画であることもアピールすることができます。トップダウンではなく、各小学校、中学校に任せますというのであっても、それぞれがどんなことをしようとしているのかを、市が集約し、市民に提示するなどの丁寧さがあると、より地域や家庭が子供たちの教育に参加しやすくなるのではないでしょうか?協力をするというのは、皆で考えるということです。市はその考える方向性を示してあげる、その場を提供する、予算をつけるなど重要な役割があります。

画像7

学校の先生たちのサポートの方針も具体的に出していますね。こういったインフラの部分はスケール効果が出る部分なので、トップダウンでやるのが効率的です。

地域学、共学共創については以下のNoteもご覧ください。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?