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これは便利!発達障がいの基礎調査票と評価シート

 前回の発達障害の特性別評価法(MSPA: Multi-dimensional Scale for PDD and ADHD)に引き続き、発達に特性のあるお子さんの評価について記事にします。

 前回のMSPAでは、どの程度支援が必要であるか、要支援度について評価を行っていく検査でしたが、今回の発達障がいの基礎調査票は、どのような発達特性がどの程度、日常的(自宅・園)に生じているかをみるものになります。

新版 幼児期の発達障害に気付いて・育てる完全ガイド

 こちらの『新版 幼児期の発達障害に気付いて・育てる完全ガイド』では、14項目(多動性や衝動性など)の発達障害の特性について、各項目ごとに短い文で質問されていますので、5件法で答えていきます。

例)バランスが悪く、転びやすい。
 1:まったくあてはまらない 
 2:あまりあてはまらない
 3:ややあてはまる
 4:かなりあてはまる
 5:非常にあてはまる
新版 幼児期の発達障害に気付いて・育てる完全ガイド

 質問に答えるのは、お子さんを一番身近に育てている保護者と、園に通っていれば、担任の先生にお願いします。

 発達障がい、特に自閉症スペクトラム症の診断では、『複数の状況で、社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること』となっていますので、ご自宅だけでの子どもの様子だけでなく、園での様子も必要になってきます。

 また、他にも活動環境があれば、その様子も記載しておくと、より細かい評価が出来るでしょう。

各項目ごとに点数を合計して、平均を出します。
平均値をレーダーチャートに書き、各項目ごとに線でつなぐと完成。

 健常なお子さんでは平均値が1.2~1.6の間をとりますが、2を超えると要注意、3を超えると要支援と判断するようです。
評価のペースは子どもの必要に応じて実施し、レーダーの大きさを比較します。

まとめ

 今回は、発達の特性を持っているお子さんの、大まかな評価について記載しました。内容については質問紙法であり、子どもを良く知っている大人が評価するものになります。 

 自宅の様子を評価するのは保護者であり、変わる事はありませんが、園や学校では、担任の先生が変わることがあります。

 最初に評価した先生が、そのお子さんについて評価し続けるわけにはいかないので、園や学校では担任の先生が変わるごとに、その都度評価し、比較する事が必要かもしれませんね。

また、評価基準は5件法になりますが、評価する大人の感じ方によっては、結果が変わってくることもあります。その点は評価する方の評価も必要になってくるのではないでしょうか。

 レーダーの大きさが、評価を行うごとに小さくなっていることが理想的です。しかし、広がっている場合には、専門的な職種の支援を受けたり、一度、発達小児科を受診してみてはいかがでしょうか。

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