発達障害の特性別評価法(MSPA: Multi-dimensional Scale for PDD and ADHD)
発達障がい児の日常あるある
椅子に座って、ご飯を手べることが出来ません。途中で立ち上がって、そのあたりに転がっているオモチャで遊んでしまします。
洋服の脱ぎ着が前後ろ反対になっていることが多いんです。
気持ちの切り替えが苦手で、一度へんこんでしまうと1日中立ち直れません。
運動が苦手で、特に縄跳び、跳び箱があるときには、学校に行きたがりません。
言葉での表現の方法が独特で、兄弟とケンカばかりやってます。
などなど、発達障がいのお子さんを持つお母さん方からご相談を受けることはしばしばです。
発達の特性によって日常的に苦手なことが多く、身辺自立においてもお手伝いが必要で、お母さん方の育児負担(身体的・精神的)も大きくなっています。
そんな時、どのようにしてお母さん方、またお子さん方を適切に支援していきましょう?
・苦手なことでも繰り返しすることで身につくでしょう?
・そのうちできるようになるから、見守りましょう?
・しばらく様子見ましょう?
・・・なんてことは言いませんよね。まずは日常における評価が必要になってきます。発達に特性があるお子さんの評価はとても複雑です。発達の特性とひとくちに言っても、種類も程度も様々です。
発達障害の特性別評価法(MSPA)
MSPAの略は、Multi-dimensional Scale for PDD and ADHDであり、広汎性発達障害(PDD)と注意欠如多動症(ADHD)を、多面的に評価するために作られた検査です。
それぞれの項目において、下の1~5のどれに当てはまるのか、評価していきます。また『3』以上はDSM5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)の重症度分類に対応しています。さらに『2.5』以上はサポートが必要になるひとつの基準として検討されています。
気になる点はない
多少気になる点はあるが、通常の生活環境において困らない
本人の工夫や、周囲の多少の配慮で集団生活に適応(上司・担任など責任ある立場の人が把握し配慮する程度)
大幅な個別の配慮で集団生活に適応(上司・担任のみでの支援のみでは困難)
集団の流れに入るより個人がより快適な生活を送れるような支援が優先される
まとめ
発達障害の特性別評価となっていますが、内容をよくみてみると、発達障がい者への要支援評価尺度となっています。どの程度の支援が必要であるのか、支援の量的な側面を重視してあります。そのため、服を着れないなどの、個別の質的な課題には不向きでしょう。
まずは日常生活でどの程度、支援が必要になってくるのか、全体像を把握するにはいいのかもしれませんね。
似たような評価に下記のような書籍もあります。こちらは、日常生活にどれくらい苦手なことがあるのかを、各項目ごとに評価することになります。こちらは参考までに。
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