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【発達支援】子どもが嫌がる歯磨きの攻略法

 この記事は、子どもの身辺動作、特に歯磨き動作の自立を考えている保護者向けに書いています。

  • 歯磨きが短時間で、ほとんど磨けていなくて、虫歯が心配

  • 虫歯ができているけど、歯磨きの大切さを理解してもらえない

  • 仕上げ磨きを嫌がり、口を開けてくれない

  • 目に見えるところしか磨かない

 子どもに歯磨きをする時に、誰でも一度は考えたことがある悩みではないでしょうか?無理やり歯磨きをすることで余計に嫌がるなんてことも・・・。
 子どもが自分で歯磨きをやってくれるようになる、ポイントをまとめてみました。参考にしてみてください。

歯磨きの土台作り

 お口の中には菌がいる事は、みなさんご存じかと思います。では、どのくらいの菌の数がいるのでしょうか?下のような表になります。
 よく歯磨きをする人でも、うんち1グラムに含まれる菌の10万倍にも匹敵するんですね。お口の中がいかに汚れているかよく分かります。
 しかし、口の中の菌は目で見ることが出来ません。お口の中が見えない菌で汚れていると分かるには、前回の記事で紹介しましたね。ぜひ、参考にしてください。

https://www.1day-surgery.jp/20180701/

乳歯の役割

 乳歯は、生後6カ月ごろから生えはじめ、2~3歳までに上下合わせて20本が生えそろいます。このことは、皆さんご存じかと思います。しかし、この乳歯には、色んな役割があります。

https://www.kao.co.jp/clearclean/oralcare/nyushi/03/
  1. 食べ物を噛む
    食べ物をしっかりと噛むことで、内臓での消化を助け、吸収しやすい形にすることが出来ます。

  2. 発音を助ける
    食べ物をしっかりと噛むことで、舌と頬、顎の協力し合った運動が促され、発音が明瞭になります。

  3. 顔の形を整える
    更に、固いものを噛むことで、顎の成長を促し、将来の歯並びや顔の形にも影響を与えます。

  4. 永久歯が生える時の道しるべになる
    むし歯などで乳歯を抜いてしまった場合、永久歯は生える場所の目印を失って、これが歯並びを悪くする原因になることがあるため、乳歯には永久歯がきれいに生えるための道しるべになります。

歯ブラシの使い方

 歯をきれいに磨くためには、『ペングリップ』や『パームグリップ』と言われる持ち方が、理想的だと言われています。そのためには、手や指の発達が必要になります。

発達期からの健康習慣を考える ~食生活と口腔保健の視点から~
九州歯科大学歯学部口腔保健学科 千綿 かおる

 簡単に手の発達について確認してみましょう。上の図の『ペングリップ』に近い握り方ができるようになるまでには、このような発達を遂げていきます。

1~1歳6か月

高知県立療育福祉センター 森岡有紀

1歳7ヶ月~2歳

高知県立療育福祉センター 森岡有紀

2~3歳

高知県立療育福祉センター 森岡有紀

3~4歳

高知県立療育福祉センター 森岡有紀

 このように、指先で物を握れるようになるためには、まずは手のひらの広い面で物を握れるようになる必要があります。そして、徐々に器用になっていき、指先の狭い面積でも物を握れるように成長していきます。

まとめ

 歯磨き動作が自立するためには、お口の中の構造(歯並び)と手指の機能(手の発達)、認知(気づき:象徴機能)が必要になるんですね。
 どれか1つが欠けても、歯磨きがうまくいかなかったり、虫歯になったりと、子どもにとって悲しいことになってしまいます。
 歯磨きを習慣にするためには、ごっこ遊びや、全身を使った遊びを経験することと、歯が生えてくる適切な時期に、親子で無理せず、楽しみながら歯磨きに取り組めることが大切なんですね。

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