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【発達支援】小学校入学に必要な身の周りの動作

 この記事は、発達に特性やゆっくりな成長をしているお子さんが、色々な小学校の中から1つを選択する際に、その決める材料の一つとなる『身辺動作の自立』について書いています。

  • お箸が使えなくて、給食がつらい。

  • 体育の時に、体操服へ着替えるのがゆっくりで、授業に間に合わない。

  • お友だちとどのように関わって良いか分からない。

  • 机の中の整理整頓が苦手

 小学校へ入学すると、様々な身の周りの動作を、1人でやらないといけなくなります。しかし、発達に特性のあるお子さんやゆっくり成長しているお子さんの場合、上の例のように、普通学級での生活は困難な場合があります。学校で分からない事やできない事が増えてくると、学校生活が辛くなり、通いたくないですよね。
 事前に小学校で求められる、身辺自立について確認しておきましょう。

1.身の周りに関すること

  1. 清潔
    ・手洗い(石鹸・ハンドソープを使える、指の間まで洗える)
    ・うがい(ブクブク・ガラガラ)
    ・歯磨き(食後に洗える)
    ・つめを整える(爪切りを使う)
    ・ハンカチ、ティッシュを適切なタイミングで使う

  2. 更衣
    ・衣服の着脱(ボタンやチャック、脱いだ服を畳む)
    ・靴(マジックテープ・紐、自分の靴箱に入れる)

  3. 排泄
    ・排泄(尿意・便意、我慢、ズボンやスカートの上げ下ろし)
    ・トイレの使い方(和式・洋式、ペーパーの使い方、使用後は流す)

  4. 健康
    ・早寝早起き(睡眠のリズム)
    ・遊び

  5. 安全
    ・登下校(道を覚える、危険予知、交通ルールの理解、寄り道しない)
    ・室内(廊下は歩く)
    ・遊具の使い方

  6. 物の管理
    ・物の整理整とん(自分の物に記名する、机の上や中、ランドセル置き場)

2.食事に関すること

  1. マナー
    ・姿勢(食事時間は座っている)
    ・カトラリーの使い方(茶碗、皿、箸、スプーンの使い方)
    ・食べ方(食べこぼし、食べるペースが速い、遅い、嫌いな食べ物)

  2. 給食
    ・身支度(エプロンを着る、キャップをかぶる、手を洗う)
    ・準備、配膳(お膳を運ぶ、食べ物を食器に入れる)
    ・片付け(並べて片づける)

3.学習に関すること

  1. 授業前
    ・用具の準備(前日に必要な物を準備)
    ・提出物(必要なものを先生に提出する)
    ・宿題
    ・登校後の片付け(必要なものをランドセルから出す、ランドセルを棚に置く)
    ・授業前の用具の準備(必要な教科書、ノートを準備しておく)
    ・身構え(トイレを済ませる、体操服に着替える)

  2. 授業中
    ・聞く(先生の話を聞く、話している人を見る)
    ・話す(テーマに沿って話す、はいーいいえで答える)
    ・発表(手を挙げて発表、当てられてから発表する)
    ・書く
    ・筆記用具など(鉛筆、消しゴム、定規、コンパス)

4.対人関係に関すること

  1. コミュニケーション
    ・あいさつ、返事(呼ばれたら返事をする)
    ・会話(先生やお友達と話す、体調が悪い時には先生に言う)

  2. ルール
    ・遊び・活動(遊びのルールを守る)
    ・時間(チャイムが鳴る前に教室に戻る)

  3. 友達関係
    ・友達づくり(友達を遊ぶ、遊びに誘う)
    ・集団行動(集団で遊ぶ)

  4. 公共心
    ・公共物の利用(みんなで使うものは大切に使う、同じ場所に置く)

  5. 当番・係活動
    ・日直
    ・掃除(雑巾、ほうきの使い方)

まとめ

 このように、小学校生活で求められる力はとても沢山あります。生まれてから小学校に入学するまでの間に、ご家庭や幼稚園・保育園で身に着けた力をもとに、小学校生活という荒波を乗り越えていく事になります。
 小学校に入学して、いきなり経験するものばかりだとお子さんも戸惑う事も多いでしょう。自宅でシミュレーションできるものは、試してみて習慣化しておくのも対策の1つです。
 たとえば食事と聞くと、ついパクパクと食べることに視点がいきますが、もっと広い視点で考えて、お茶碗やコップ、お箸やスプーンを運ぶ、配膳することも食事のうちでしょう。食べたものを流し台に戻す、水をためるのはいかがですか?小学校に入学して、給食でしか学べないわけではなく、ご家庭でも準備しておく事ができますね。
 しかし、発達に特性のあるお子さんや、ゆっくりと発達しているお子さんの場合、どうしても、何かの分野で苦手さが残ってしまいます。お子さんの力に合わせて小学校を選択すると、特別支援学校や特別支援支援学級、通級指導教室の選択肢があります。この中でも、普通学校の中にある、特別支援支援学級や通級指導教室を選択する場合には、一定の身辺動作の自立が求められます。どの教室にするのか、上の項目を参考に選んでみてはいかがでしょうか。
 また小学校入学する前には、移行支援シートを半年くらい前から作成しておくと、よりスムーズに移行ができ、入学からすぐに楽しい小学校生活が始める事が出来るでしょう。


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