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円香のいないif世界線で「任された」浅倉透はついにリーダーになった

大人の事情で円香が来れなかった「THE IDOLM@STER SHINY COLORS MUSIC DAWN」のDay2にて、幼馴染残り3人が円香がいることを前提としたパフォーマンスを見せて話題になっている。

浅倉透を演じる和久井さんに限らず、ノクチルのメンバーはDay1の開始時点では、ノクチルという存在がプロデューサーに認識されているか不安だったのかもしれない。本人たちのコメントにもあったが、今までライブという場で外に出ることもできなかったため、実感が沸かなかったのだろう。

だからこそ、ノクチル全員で舞台に立つことに少なからず目がいったはずだ。それぞれのキャラクターの意識よりも、なんとかノクチル初ライブを成功させようという気持ちが先行したのかもしれない。だからこそ、緊張しての初舞台だったと感じた。

アイマスの統括プロデューサーである坂上Pが述べていた「初ライブが一番良い」という趣旨のコメントは非常に共感するところである。なぜなら、彼女たちが多大なるリスクと努力をして、この場所にたどり着いたことが実感できる初めての舞台だからだ。

声優という職業自体、競争率が大変高くなり、芝居×顔、歌、ダンス、トークなど求められる技能が多様化してしまった。いわゆるアイドル声優的な存在の人も増えており、声優本来の役割の過渡期にあるなかにあって、役を取ることの難しさは想像に難くない。

筆者は実際にキャスティングなりオーディションの場、それ以外にいくつかある役が決まる瞬間に触れる機会があるが、狭き門であることを実感する。あまり詳細は述べないが、いくら大手の事務所に入っても、全くの無名からオーディションで選ばれるということのハードルは大変高いとは記述しておきたい。

そのなかで、役を掴み取ったと実感できるのが初舞台である。そして、今回はノクチルがその初舞台だった。Day1の和久井さんの涙を見れば、それがどれだけ嬉しいことだったのか・・・

しかしながら、今回のライブにおいてノクチルは課題を抱えることになる。

Day2、樋口円香役の土屋李央がCUE!のイベントで不在だった。アニメ化発表のことも考えると、さすがにシャニマスを欠席せざるをえないエグいダブルブッキングだった。しかしながら、ここでとられた演出がノクチルたらしめる。

冒頭、円香の声で、自分がいないことに対して、残りのメンバーに託すという構図がとられ、それを受け取った浅倉が「任された」とライブで述べる。

この瞬間に、和久井さん自身が浅倉透にスイッチが切り替わったかに見えた。そして、1日目以上に声も表情も伸びやかになった。浅倉透として、円香が存在できなかったifの世界において、自分が樋口円香を預かったのだと思った。1日目になかった、浅倉透としての自分を取り戻したかのように見えたのだ。

自分はノクチルが初めて登場した特番から、ストレイとのCD特典放送、他ユニットのセンターの合同配信を含めて和久井さんを見てきた。正直を申し上げれば、すごく不安な面が強かった。

だからこそ、あえてTwitterにもnoteにも書かなかった。不安だったから、ノクチルを、とおまどを応援する身としては不都合な事実だったからだ。

4月に結成が発表されたばかりで、コロナの影響もあり、他ユニット以上に直接会うということ、交流をする時間も限られたと思う。お互いの距離感もどこかギクシャクしていたような印象を抱いていた。仲良くやっていると言い張っても、放クラやストレイライトなどの、目に見えて仲が良いユニットに比べて、幼馴染設定のはずのノクチルが、キャストレベルでいえばどこか歪に見えてしまったのだ。

ただ、MUSIC DAWNまでの半年の間に、和久井優と土屋李央の配信番組が始まったり、DAWNへの練習を重ねるうちに徐々に絆が築かれていったのかもしれない。そして、和久井さんのどこか自信のなさのようなものが、円香から「任された」瞬間に吹っ切れていた。

演出は見たとおり、あるいは様々で伝えられる通り、円香視点のドローンカメラ、円香パートを録音に任せる演出、円香の穴を空けたままの舞台。

円香はここにいる。
ノクチルはここにいる。

今月にはファン感謝祭で天塵以来のユニットとしての変化を、来年には是非リアルのライブにてお会いできることを楽しみに待っています。

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