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12月貿易統計・出超額は微妙だが3カ月連続の赤字を予測。―日本の主要経済指標予測(2024年1月15日)―

12月貿易統計・通関収支差は▲850億円程度の小幅な赤字か(1月24日発表)

 12月27日に発表された11月貿易統計確報によると、輸出金額は8兆8,196億円、前年同月比▲0.2%で3カ月ぶりの減少、輸入金額は9兆5,999億円、▲11.9%で8カ月連続の減少となりました。輸出と輸入の差引額は▲7,804億円と2カ月連続の赤字になりましたが赤字幅は前年同月比▲62.1%と縮小しました。
 
 輸出では、自動車、半導体等電子部品などが増加し、鉄鋼、半導体等製造装置、船舶などが減少しました。一方、輸入では、石炭、LNG、原粗油などが減少しました。
 
 12月の貿易統計で、輸出額から輸入額を差し引いた通関収支差は▲850億円程度と小幅ですが3カ月連続の赤字になると予測します。前年同月の▲1兆4,979億円の赤字から前年同月比▲94.3%赤字幅が縮小すると予測しました。なお、12月上中旬の通関収支差は▲5,788億円で、前年同旬比▲64.0%の赤字幅縮小となっています。
 
 12月の輸出額は9兆9,616億円程度、前年同月比は+13.4%程度と2カ月ぶりの増加になると予測します。12月上中旬で輸出額は前年比+13.6%でした。輸出が大きく増加した品目は自動車、船舶、医薬品で、大きく減少した品目は特にありませんでした。
 
 12月の輸入額は9兆9,846億円程度、前年同月比は▲2.9%程度と9カ月連続の減少になると予測します。12月上中旬で輸入額は前年比▲3.7%の減少でした。輸入で大きく増加した品目は通信機、大きく減少した品目は石炭、LNG、原粗油でした。
 
 12月上中旬の原粗油の単価、数量、輸入金額の前年同旬比をみると、単価は84,793円/㎘で前年同旬比+1.3%程度の上昇でした。数量は前年同旬比▲10.1%程度の減少、金額は前年同旬比▲9.0%程度の減少でした。12月月間の単価(入着原油価格)の前年同月比は、小幅な伸び率ですが9カ月ぶりの上昇に転じると思われます。

※2023年12月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。